2026年 ベイカレントクラシック Presented by レクサス

PGAツアーで活躍する日本人“フィジオ”を知ってるかい? 選手を支える売れっ子トレーナー

2026年 ベイカレントクラシック Presented by レクサス 4日目 田島彰人 ジェイコブ・ブリッジマン
売れっ子フィジオの田島彰人さんと、今年から契約を結ぶジェイコブ・ブリッジマン

◇米国男子◇ベイカレントクラシック Presented by レクサス 最終日(11日)◇横浜CC(神奈川)◇7315yd(パー71)

「今はもう、ちょっと抱え切れないぐらいですね」

そう言って苦笑いするのは、打撃レンジでジェイコブ・ブリッジマンを見守っていた田島彰人さん。PGAツアーを転戦するフィジオセラピスト(トレーナー)だ。担当するのはブリッジマンだけではない。アクシェイ・バティア、クリス・カーク、クリスティアン・ベゾイデンハウト(南アフリカ)、ジェイク・ナップ、クリストファー・ゴッターアップら世界のトップ選手に加え、久常涼も今年からサポートしている。

日本人フィジオの田島さんは、どうやって世界最高峰のツアーにたどり着いたのか―。転機はバティアとの出会いだった。「アクシェイを見ているうちに、クリスが来て、ジェイクが来て……みたいな感じですね」。選手から選手へ。信頼が紹介を呼び、担当する顔ぶれは年々増えた。「うちの選手はみんな仲いいんですよ。スケジュールもグループチャットで調整してくれるし、遠征先ではAirbnbで宿をシェアすることもあります」。田島さんに合わせた時間調整もしてくれるという。

実際どんな仕事をするのか。一般的に「トレーナー」と呼ばれることが多いが、「もちろんエクササイズもやります。でも僕はどちらかというと医療側。体のケアだったり、リハビリだったり。ドライニードリング(針)もやりますし、その選手に必要なことを全部やる感じです」。試合後のケアはもちろん、試合前のウォーミングアップ、ケガの予防などやることは多岐にわたる。

2026年 ベイカレントクラシック Presented by レクサス 4日目 田島彰人 ジェイコブ・ブリッジマン
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フィジオを志した原点は、自分の経験にあった。「小さい頃から陸上をやっていたんですけど、とにかくケガが多かった。なんで痛くなるんだろうとか、なんで治るんだろうとか、そういうことばかり気になっていました」

当時からスポーツ医学の本を読んだり、自分で調べるのが好きだった。高校卒業後、アメリカへ渡った。「スポーツ医学をちゃんとやるならアメリカかなと思った。英語は全然しゃべれなかったですけどね(笑)」。大学、大学院へと進み、フィジオセラピーを専門的に学び、資格を取得した。「今思えば無謀でした。でも若かったので、『行けば何とかなるだろう』って」。笑いながら当時を振り返った。

卒業後はチームスポーツの世界へ飛び込み、NBAのオーランド・マジックや、MLSのLAギャラクシーで活躍。自身のルーツでもある陸上競技との関わりも続けてきた。「最初はジュニアの遠征ですね。そこから毎年呼んでもらえるようになって」と、少しずつカテゴリーが上がり、やがてアメリカ代表のサポートも担当するようになり、2021年の東京五輪で帯同した。「オリンピックはずっと一つの目標だったんです」と夢を一つかなえた。

2026年 ベイカレントクラシック Presented by レクサス 4日目 田島彰人 久常涼
体の状況のヒアリングも

大舞台を経験し、3年前に活動の場をゴルフ界へ移した。チームスポーツから個人競技へ。近年は担当選手たちの活躍もあり、シグニチャーイベントへ足を運ぶ機会も急増した。

「1年目はシグニチャーイベントなんて1人ぐらいだったんですよ。でも最近は一気に増えて」。抱える選手がいろんな大会に出ることで、会場も変わり、移動距離も増える。求められるレベルも上がる。一気に忙しくなった。だからこそ、自分自身のコンディション管理が欠かせない。「自分がボロボロになったらダメ。疲れていたら言動にも出るし、治療にも出る」。担当以来は増える一方だが、無制限に引き受けるわけにはいかない。「みんなにとって何が一番フェアなのか。それを考えて今は仕事しています」と言う。

世界を支えていても、自分が表彰台に上がることはない。それでも、「ちょっと抱え切れないぐらい」と苦笑いするほど多くの選手に頼られている事実が、評価の高さを物語る。横浜での仕事を終えれば、アメリカでツアーを追いかける日々へ。縁の下のプロフェッショナルは息つく暇もない。(横浜市保土ヶ谷区/服部謙二郎)

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