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【WORLD】クリーマーがスランプに陥った最大の理由とは

Golf World 2012年3月26日号 voices texted by Ron Sirak

18歳でツアーデビューを果たしたポーラ・クリーマーが、LPGAのイベント、ここ63大会で1勝という結果に終わってしまっている。上記の1勝とは、混戦となった2010年の「全米女子オープン」。しかも史上最も難易度の高いコースとされるオークモントで開催された大会での優勝だ。

クリーマーの実力のために記しておくが、キャリア8勝目となった2008年10月に開催されたサムスン世界選手権(その年の4勝目)以降、彼女は実に26度もトップ10入りを果たしている。だからこそ不振に喘いでいるとはいえ、巷では「何故ポーラは勝てないのか?」と言われ続けている。

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その答えはグリーンにあった。

プロデビュー直後、彼女の勇敢なパットを知っている人間にとってはショックなことかもしれない。10代の頃は怖いもの知らずで、6メートルを超えるパットでもアグレッシブに攻め、返しの1メートルの距離を決めてきた。それが最近では6メートル越えのパットと向き合うと、「少しでもホールに近づいて…」というアプローチにとどまっていて、「絶対に入る!!」という姿ではなくなってしまっている。

どれだけ苦しんでいるかはデータを見れば明らかで、ルーキーイヤーだった2005年ではパーオンした時にツアー1位となる平均パット数1.75をマーク。2008年には3位となる1.77を記録。それ以降では2009年に21位タイの1.79、2010年では26位タイの1.80、昨年では47位の1.83にまで下がっている。

1.75と1.83では数字上0.08と大きな差は無いと思うかもしれないが、これは非常に大きい。たとえば72ホールプレーした場合、最終的に5.76打差となってしまうのだ。2011年にクリーマーが記録したパーオン率74%では最終的に4.48打差となる(それでもクリーマーの平均ストロークはツアー5位となる70.84なのだが)。

3月の「RRドネリー LPGA ファウンダーズカップ」の最終日では、クリーマーは優勝争いから脱落した状態からスタート。首位を走るヤニ・ツェンと宮里藍と5打差から出て、74(34パット)の18位タイでフィニッシュ。優勝したツェンとは実に11打差だった。

同大会でクリーマーは合計122パットを記録。ツェンは113、そして宮里は109。ツェンとチョイはパーオン率56%、宮里は54%を記録したが、クリーマーは彼女達を上回る57%をマーク。しかしながら1度も優勝争いには絡めなかった。

「良いパットは多かったけれど、残念ながら入らなかっただけ」とクリーマーはフェニックスで弁明。「厳しい状況は変わらない。コンスタントにチャンスを作ってもミスを繰り返してしまう悪い流れなんて、本当はすぐにでも忘れてしまいたいのに。バーディチャンスを手にすれば遅かれ早かれ決められるようになるものなんだけど…。自分自身、フラストレーションを相当溜めこんだ瞬間が多かったのは本当よ」と続けた。

特筆すべきは、それでもツアー屈指のボールストライカーとして君臨していることだ。ツアー7年目までパーオン率で6位以内を常にキープし、平均ストロークではトップ10から外れたことは過去1度も無い。

パットの不調は、フルスイングの修正と同じように、単に技術的な改善で修正されるわけではない。メカニックスと同様、「自信」が重要な位置を占めている。タイガー・ウッズを例に挙げると、昔はどんなに長いパットでも簡単に決められていたのが、いったん不振に陥るとホールがとてつもなく小さく見えたという。

それでもウッズより10歳以上も若いのがクリーマーの強み。復調の手応えを掴むのも早いと言われている。この3年半で1勝という成績は心配されるだろうが、最も攻略が難しいオークモントのグリーンで優勝したのだから、周囲が楽観視するのも無理はない。パットのミスが不調の根本的な原因であり、それが長引いているだけ。決して慢性的な問題にはならないだろう。

幸運なことに問題があるのはパットだけで、その他の部分で彼女は苦しんではいない。つまり、このまま未勝利の状態が続くとは考えにくい。ひとたびパットの感覚さえ取り戻すことが出来れば、また以前のように勝利を重ねるだろう。

米国ゴルフダイジェスト社提携
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