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2022年 シェブロン選手権
期間:03/31〜04/03 場所:ミッションヒルズCC(カリフォルニア州)

コ・ジンヨン 世界1位が白いウェアを着る理由<LPGA選手名鑑>

コ・ジンヨン(韓国)は各大会の最終日に上下を白いウェアでそろえます。2022年4月現在の世界ランキング1位選手は敬虔なクリスチャン。2022年もさっそく強さを見せていますが、昨年は悲痛な思いも抱えていました。

2021年3月に祖母が他界。新型コロナ禍の国際間の渡航制限のため、最期をみとることができませんでした。モチベーションが著しく低下していた春先、思い起こしたのはやはりテレビの前でおばあちゃんがいつも応援してくれたこと。「優勝を天国で見せてあげたい」と奮起し、7月からの9試合で5回優勝しました。

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シーズン最終戦「CMEグループ ツアー選手権」では手首を負傷していたため、期間中はドライビングレンジでまったくボールを打ちませんでした。初日のティショットが1球目。それで優勝して年間王者に輝くのですから、能力の高さは計り知れません。2022年も自身のシーズン初戦となった3月「HSBC女子世界選手権」で1勝目をマークしました。

■タイガー超えの大記録

コ・ジンヨン Jin-Young Ko
◆生年月日 1995年7月7日
◆出身 韓国・ソウル
◆ルーキーイヤー 2018年

18歳でプロ転向してから韓国ツアーで順調に勝ち星を重ね、2017年の「LPGA KEB・ハナバンク選手権」で10勝目を挙げました。同大会はLPGAとの共催試合だったことから、シード権を獲得、翌年からの米国進出を決断します。

ルーキーイヤーの2018年、デビュー戦の「ISPSハンダ オーストラリア女子」で、初日から首位を走っていきなり優勝。同年はその後、白星はありませんでしたが予選選落ちが1回だけでした。

2019年は飛躍の年。3月に「バンク・オブ・ホープ ファウンダーズカップ」でのシーズン初勝利を手始めに、「ANAインビテーショナル」、「エビアン選手権」とメジャーで2勝。その間に世界ランキング1位に初めて到達します。8月の「カナディアンパシフィック女子オープン」で4勝目を挙げた翌週、「ポートランドクラシック」の第1ラウンド途中までに、114ホールの連続ノーボギー記録を樹立。タイガー・ウッズが2000年にマークした数字を上回る大記録です。

■世界1位のパット練習法

2018年まではショットメーカーとしてバーディチャンスを多くつくる姿が目立ちましたが、19年に北アイルランドのパッティングコーチ、ガレス・ラフレフスキー氏に師事してからグリーンでも上達したことで、常に安定したゴルフをしています。

パッティング練習場に持ち込むのは36インチの定規。ボールをその上に置き、パターの芯で真っすぐ打つ練習を繰り返します。目標にするのはカップでなく、グリーンに刺した1本のティペグ。練習中に小さいターゲットに集中することで、試合中にカップが大きく見え、またカップの真ん中から入れるイメージをつくっています。コースでだけでなく、遠征中のホテルでも毎日1時間行います。

バミューダやベントなど、グリーンの芝種や芽の強さ、コンディションによってロフト角の違うパターを使い分けるほどのこだわりも。ちなみに手首の痛みを軽減するため、芽の強いバミューダ芝の逆目からのショットを避けるべく、練習ラウンドではフェアウェイの順目、逆目も入念にチェック。外すと流れが変わってしまうような、プレッシャーのかかるパットを、いつも通りのルーティンとリズムを崩さずにしっかり決めきれる強さがあります。

■チームワークも強さの源

コロナ禍の2020年は母国で休養、料理教室などにも通ってリフレッシュしました。11月にツアーに復帰。2試合目に5位、3試合目の「全米女子オープン」で2位に入り、ギリギリで最終戦「CMEグループ ツアー選手権」のフィールドに滑り込み、優勝してみせます。

最終ホールに入った時点で後続に4打差をつけていましたが、グリーンに上がる直前、かつてロレーナ・オチョアらを支えたキャディのデビッド・ブロッカーさんに「トップになる選手はリードがいくつあっても最後はカッコよく締めくくる」と言われ、モチベーションを上げてバーディで締めくくりました。

ブロッカーさん、彼の娘さん、そして女性マネジャーともとても仲が良く、チームワークの良さも彼女の強さ。ルーキー時代は英会話がままなりませんでしたが、当時から可能な限り通訳を介さずにインタビューに答えていました。今ではほとんどをひとりでこなしています。

片平光紀(かたひら・みつき) プロフィール

1989年、神奈川県生まれ。中学卒業後に単身渡米しジュニアアカデミーで腕を磨いた後、デイトナ州立大に進学。2011年に設立された世界女子アマチュアランキングで1位に立った。卒業後に米女子ツアーの予選会を通過してレギュラーツアーおよび下部ツアーでプレー。親指の故障を原因に2015年に現役を退き、米ゴルフチャンネルでリポーターに転身した。

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