桂川有人はスイングもクラブもリセット 絶好調だった大学2年時みたいに
◇国内男子◇東建ホームメイトカップ◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7069yd(パー71)
米国挑戦を経て、今季は国内ツアーに腰を据えて戦う桂川有人。開幕戦を8位タイの好位置で終え、スイングもクラブも「絶好調だった大学2年時の原点に戻った感じ」と、成績以上の手応えをつかんでいた。いったい彼の中にどんな変化があったのか。クラブの話を中心に、ここ最近の取り組みを語ってもらった。
プロ4年目を迎える桂川は「大学4年時にコロナで試合がなく、なんかいろいろ出来ちゃったのでスイングをいじったんですよね。そこから打ち方がおかしくなった」と、プロ転向直前からスイングの歯車が狂い始めていたことを吐露した。ルーキーだった2021年に下部ツアーで優勝し、レギュラーツアー昇格後も22年にすぐさま優勝。昨年は米下部ツアーに挑戦し、全米オープンで予選を通過するなど階段を順調に上っているように見えた。「ひどいながらも、なんとかまとめてきた感じですよね。(好成績は)もう自分でも不思議でしょうがないです」と首を傾げる。
プロ転向後にクラブ契約を結び、使い慣れたクラブを替えたことも不安をあおった。「新しいクラブがどうこうではなく、ずっと使ってきたクラブを替えたことにやっぱり違和感があって。ドライバーやアイアンは良かったんですが、ウェッジに関してはずっとモヤモヤを抱えたままやってきました」。スイングとクラブが大きく変わり、「調子が悪い時に何が原因で何がダメだったのか、分からなくなっちゃったんですよね…」と振り返った。
このオフは新しく師事する目澤秀憲コーチのもと、スイングを“良かった頃に戻す”取り組みをしてきたという。「ようやくリセットできた感じがしています。ただ戻ったというより、いろんな経験をしてきた中で、さらに良くなって自分に戻ってきた感じはあります」
クラブも“良かった頃”に戻していた。今季はボール以外の契約をフリーにし、ウェッジを大学時代に愛用していたボーケイ(SM10)に。「使っていた時のイメージがすごく良かったんですよね。大学のときはMソールでしたが、今回はTソールとVソールをコースに合わせてチョイスすることにしました」。バウンスがある「V」とバウンスのない「T」を、地面の硬さや芝の状況によって使い分ける戦略で、東建ではVを使った。
「どうせなら他の番手も全部同じメーカーでそろえたい」と思い、ドライバー(TSR2)もアイアン(「T100」と「T150」のコンボ)もタイトリストに落ち着いた。アイアンのシャフトも、プロになってダイナミックゴールドに替えたが、高校時の「NSプロ モーダス3システム3 ツアー125」に戻したという。「ウッドからウェッジまで今はどこにも違和感なく振れる」とクラブの不安はかなり払しょくされてきた。
「クラブをよく替える人みたいなイメージで思われていたと思うんですけど、高校までは“替えられない人”だったんですよ。ようやくそこに戻れた感じ」。スイングもクラブも仕切り直し、開幕戦で8位と結果もついてきた。視界はだいぶ良好だ。(三重県桑名市/服部謙二郎)
<桂川有人のクラブセッティング>
ドライバー:タイトリスト TSR2(10度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS BLUE(ベンタス ブルー)(重さ60g台、硬さX)
フェアウェイウッド:テーラーメイド Qi10(3番15度、5番18度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS BLUE(ベンタス ブルー)(3番7X、5番8X)
ユーティリティ:タイトリスト U505<2023年>(4番)
シャフト:日本シャフト NSプロ モーダス3 システム3 ツアー125(硬さX)
アイアン:タイトリスト T150<2023年>(5、6番)、タイトリスト T100<2023年>(7番~)
シャフト:日本シャフト NSプロ モーダス3 システム3 ツアー125(硬さX)
ウェッジ:タイトリスト VOKEY(ボーケイ)SM10(50、56度を55度に調整)、ボーケイ ウェッジワークス プロトタイプ(60度)
シャフト:日本シャフト NSプロ モーダス3 システム3 ツアー125(硬さX)
パター:オデッセイ ホワイト・ホット OG パター #7 CH
ボール:ダンロップ スリクソン Z-STAR ダイヤモンド
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