旅人ゴルファー川村昌弘「いま僕は南アフリカにいます」
2018年 アルフレッド・ダンヒル選手権
期間:12/13〜12/16 場所:レオパルドクリークGC(南アフリカ)
「いま僕はココにいます」Vol.42 南アフリカ編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・25歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、6年間のプロ生活で巡った国の数は実に40に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、クルーガーにいます。
南アフリカ北東部のレオパルドクリークGCで行われる欧州ツアー「アルフレッド・ダンヒル選手権」に出場します。前週の「南アフリカオープン」が行われたヨハネスブルグからは約45分のショートフライト。地図ではもう、モザンビークとの国境に近いんですね。
初めて来た土地ですが、今週はなんといっても宿泊先がスゴイ。大会が用意してくれた選手、関係者用のホテルは国立公園のそばにいくつかあるのですが、それぞれが、こぢんまりとした造りです。僕が宿泊する「リバーハウス」は内装がすごくレトロ。部屋のドアを見る限り、「これはマズイかな…」と覚悟しましたが、中に入るととても新鮮な気持ちになりました。
決して不衛生ではありません。内装やアンティークにこだわっていて、情緒あふれる雰囲気。バスルームもシャワーを見て。チョロチョロ…しか出ないかなと思っていたら、想像を絶するほどの高い水圧で快適です。川の向こうに、野生動物が見えたりするのがアフリカらしいところ。カート・キタヤマ選手や、イタリアのマッテオ・マナッセロ選手も同じ宿でした。
一方で会場は実に近代的なゴルフ場です。ここに来るまで、たくさんの選手たちに「すごく良い試合だから、たぶん好きになると思うよ」と声をかけられたのにも納得しました。コースは池が多く、グリーンの傾斜も大きくて難しそう。練習場は360度、四方から打てるほど広大で、アプローチ練習場はもちろん、パッティングのコースもあるんです。
開幕前には2日にわたって「パー3コンテスト」が行われます。まるで「マスターズ」みたい。僕がお遊び気分で参加しようとスタートティに行くと、渡されたのは本格的なヤーデージブック。みんなマジでした。それもそのはず、上位20人ほどは賞金をゲットできるんです。総額なんと約800万円! 一緒にプレーした外国人選手は池ポチャして、怒りのあまりクラブも池に投げていました。あしたから、どうするんだろうと思わず心配になります。あ、僕のスコアですか? 楽しくピンを狙いすぎて5オーバーでした…。悪いものが出たと思って、本戦で頑張ります!
〈今週のディナー〉
泊まっている「リバーハウス」は朝食、夕食or夜食が毎日用意され、料金も宿代に含まれています。朝、レストランの席に着くとスターター、メインと順番にサーブされます。自分でメニューを選ばず料理が出てくるところも、まるで日本の旅館みたい。肉から野菜から、いろいろ食べられるのもとても面白い。プロゴルファーの世界は成績がすべてですが、結果だけではない、ゴルフ以外にも楽しみがあるのがやっぱり好きです。試合続きで疲れはあると思いますが、今週もこの場所にいることを楽しみたいですね。
- 川村昌弘Masahiro Kawamura
- 1993年6月25日・三重県生まれ。5歳の時に父と一緒にゴルフを始め、小学生時代には全国大会の常連選手に。ジョーダン・スピースやジャスティン・トーマスらと出場したフランスでのジュニア大会をきっかけに将来の海外転戦を夢見る。高校卒業後にプロ転向し、2013年に20歳で出場した日本&アジアン共同主管大会「アジアパシフィックパナソニックオープン」でツアー初優勝を飾り、海外進出の足がかりを得た。
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