旅人ゴルファー川村昌弘 記事一覧
2024年 アムジェン アイルランドオープン
期間:09/12〜09/15 場所:ロイヤルカウンティダウンGC(北アイルランド)
「いま僕はココにいます」Vol.196 北アイルランド編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・31歳。2012年のプロデビューから活躍の場を海の向こうに求め、キャリアで足を運んだ国と地域の数は実に70に到達した。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕はニューキャッスルにいます。
DPワールドツアー(欧州ツアー)は「アムジェン アイルランドオープン」。北アイルランドにやってきました。同国の英雄ロリー・マキロイ選手ら米国でプレーするトップ選手もエントリーして、12日(木)に開幕します。今週は桂川有人選手と、9日が22歳のバースデーだった久常涼選手の誕生日祝いもしてきました。
会場のロイヤルカウンティダウンは首都ベルファストから約1時間の場所にあるゴルフ場。英国のリンクスでは必ずや、「素晴らしい」と名前が挙がるような名コースとして知られています。ツアーの今季スケジュールが発表された昨年から、僕はずっと楽しみにしていた試合です。
このコースで珍しいのが、リンクスらしい海だけでなく山の風景も広がっているところ。地形は平らではなく、アップダウンもあります。各ホールがバラエティに富んでいておもしろい。今週は強風の予報が出ていて多くの場面で横風を浴びることになりそう。練習ラウンドではヒョウも降りました。最後まで忍耐強くプレーする必要がありそうです。
今回はせっかくですから僕の好きなリンクスコース3つを紹介します。まずアイルランドにあるラヒンチGC。ダブリンからはからはドライブで3時間かけて島の西海岸まで行かなくてはなりません。ブラインドホールがいくつかあり、ピンを狙うショットも想像力を働かせて打つところもたくさん。小さい頃から雑誌で見て「いつか行きたい」と思い、2019年の「アイルランドオープン」でプレーできました。
次はスコットランド、7月にも訪れたグラスゴー近くのプレストウィックGCでしょう。1860年に「全英オープン」の第1回大会が行われた始まりの場所。こちらもターゲットが見えないホールが多く、バンカーのあごなどを目印に打っていく面白さがあります。隣接ホールが近いコンパクトな作りで、大観衆が集う試合はもう開催できないとはいえ、伝統に心を惹かれます。
同じスコットランドの東側、エジンバラ側にも素晴らしいリンクスはたくさん。ミュアフィールドなども有名ですが、僕はノースベリックGCが大好きです。こちらも19世紀にできたコースで、13番ホールが特に有名。フェアウェイとグリーンを隔てるのが花道やラフではなく石垣で、「こういったゴルフ場が100年以上前からあるんだ」と思うと、感動しました。
今回のロイヤルカウンティダウンは、その“3選”に入ってきそうな素晴らしさ。ブラインドホールって、ボールがどこに飛んで、どう跳ねるかも分からず、打った後の爽快さは少ないかもしれません。でも、丘を越えてフェアウェイやその先のグリーンの形を見たり、景色がものすごくきれいなのを目の当たりにしたりすると、本当にうれしいのです。
- 川村昌弘Masahiro Kawamura
- 1993年6月25日・三重県生まれ。5歳の時に父と一緒にゴルフを始め、小学生時代には全国大会の常連選手に。ジョーダン・スピースやジャスティン・トーマスらと出場したフランスでのジュニア大会をきっかけに将来の海外転戦を夢見る。高校卒業後にプロ転向し、2013年に20歳で出場した日本&アジアン共同主管大会「アジアパシフィックパナソニックオープン」でツアー初優勝を飾り、海外進出の足がかりを得た。
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