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「いま僕はココにいます」Vol.188 中国編

人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・30歳。2012年のプロデビューから活躍の場を海の向こうに求め、キャリアで足を運んだ国と地域の数は実に70に到達した。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。

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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は深センにいます。

「ボルボ中国オープン」で久々に中国にやってきました。先週、御殿場でのDPワールドツアー(欧州男子ツアー)「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」を戦ってまた再び海の向こうへ。春先のアジアンスイングの最終戦になります。

日本ツアーとの共催試合は7位でした。最終日は優勝のチャンスもありましたが、桂川有人選手が素晴らしいプレーをして、欧州ツアーの出場権を獲得。彼は後ろの組でプレーしていたので、ホールアウトを待って「おめでとう」と伝えてきました。

年に一度の日本での試合はさすがに緊張しました(笑)。なにせ去年は予選落ちしていたので。普段はあまり気にしないカットラインにも気を配って。「普通にやれば大丈夫…」とは思ってはいたものの、ナーバスになりました。

7年ぶりにプレーした太平洋クラブ御殿場コースは、毎年11月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」とは少々勝手が違いました。見た目が美しいグリーンのスピードが、記憶よりも遅め。「これ、止まらないぞ…」と恐る恐る打った下りのパットがショートするシーンも多かった。欧州の選手はもちろん、秋の御殿場に慣れている日本人選手の方が戸惑ったかもしれません。

それでもコース自体は多くの欧州ツアーの会場よりもフェアウェイ幅がたっぷりあり、凡ミスをしない限りボギーは避けられた印象です。“大ピンチが訪れにくい”ホールが多め。今週のゲンゾンGCもツアーの中ではそこまでタフな部類には入りませんが、先週ほど許容範囲は広くないので、改めてこのコースと向き合ってプレーしたいです。

まあ、今回はなにせここまで来るのが大変でした。とにかくビザの取得が…。3月のインドの試合を終えて帰国した後、東京のビザ申請センターで提出した書類は15枚前後! 事前にパソコンをいじくり、航空券をはじめ渡航に必要な情報を集めて、頭はパンク状態…。その後、受け取りのためにもう一度、東京へ。申請センターのオープン時間ぴったりに着いたはずがすでに大行列ができていたんです。御殿場に行く前にホントに骨が折れました。コロナ禍を経て規制が厳しくなったようで、5回目の出場で今回が一番大変でした。

今週も小平智選手が欧州ツアーでプレーします。アマチュアだった2010年、そろって中国・広州で行われた「アジア大会」に出場しました。相部屋で一緒に過ごしたあの時からもう14年。また一緒に競える日々をうれしく思います。

旅人ゴルファー

Profile

川村昌弘
川村昌弘Masahiro Kawamura
1993年6月25日・三重県生まれ。5歳の時に父と一緒にゴルフを始め、小学生時代には全国大会の常連選手に。ジョーダン・スピースやジャスティン・トーマスらと出場したフランスでのジュニア大会をきっかけに将来の海外転戦を夢見る。高校卒業後にプロ転向し、2013年に20歳で出場した日本&アジアン共同主管大会「アジアパシフィックパナソニックオープン」でツアー初優勝を飾り、海外進出の足がかりを得た。
川村昌弘選手の略歴・戦績はプロフィールページで

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