川村昌弘は2年連続の“ドバイ締め” 平均ストロークは1年で1打向上
2021年 DPワールド ツアー選手権 ドバイ
期間:11/18〜11/21 場所:ジュメイラゴルフエステーツ(UAE)
「いま僕はココにいます」Vol.129 アラブ首長国連邦編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・28歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、キャリアで巡った国と地域の数は実に70に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、ドバイにいます。
いよいよ2021年シーズンのラストゲーム「DPワールド ツアー選手権 ドバイ」が始まります。年間ポイントレースであるレース・トゥ・ドバイの上位50人が出場するフィールド。とはいえ来週、南アフリカでの「ヨハネスブルグオープン」で新しいシーズンが始まるので、ひと息つくわけにもいかないんですけどね。
会場は前週の「AVIV ドバイ選手権」が行われたジュメイラゴルフエステーツのファイヤーコースから、同じ敷地内にあるアースコースに移ります。通勤するゴルフ場は同じですが、18ホールのつくりはまったくの別モノ。カジュアルに回りやすかったところから、硬く、速いグリーンや、その周りにはシビアなラフが待ち受けるようになります。
バンカーの形状や配置も最高峰のトーナメントコースに相応しく、ラインぎりぎりを狙うドライブが要求され、及第点以上のショットでないとレイアップを余儀なくされるなど、ちょっとしたミスがすぐに“ペナルティ”に繋がりそうです。
ちなみに、宿泊ホテルも変わりました。今週は出場選手&関係者に超高級リゾートホテル、アトランティスの部屋が用意されます。日曜日まで泊まっていた世界的チェーンのホテルの部屋でも僕は大満足ですが、一年のご褒美だと思って滞在しています。
日差しの強いドバイ。ココでシーズンを終えることは、最低限の目標はクリアしたと言えるでしょうか。毎年、年始に「優勝して最終戦に出場」というターゲットを掲げてきたので、未勝利には悔しい気持ちも多くあります。ただし、この最終戦は勝っても出場権を得られない選手もいるため、一年を通して安定した成績を残せたことにはうなずけます。
2021年シーズンは17の国と地域を巡り、“地球3周弱”の11万キロ以上を旅しました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で初めて行く国はひとつもありませんでしたが、この状況下でこれだけ移動できたことも、ゴルフのおかげです。
今年はシーズンを通じて故障離脱がゼロでした。長年、首に突発的な痛みが出ることがありましたが、健康体のまま、考えていたスケジュール通りに試合を終えるのはプロのキャリアを通じて記憶にないほどです。普段の食生活を見直して、口にするものや時間帯に注意しながら、日々のケアも含めて身体に気を遣ってきた成果が出たことがうれしい。ケガなくプレーすること、試合に出場し続けることはプロスポーツ選手として胸を張れるひとつだと考えています。
そしてなにせ、頑張ったのは僕だけではありません。キャディのメグさん、マネジャー兼スポットキャディの横山さんも病気や事故もなく、健康なままシーズンを終えられそうです。欧州ツアーに参戦してから、チームのメンバーが変わることなく遠征できていることも誇らしい。この旅に携わってくれているみなさんに、一年の終わりに感謝です。
- 川村昌弘Masahiro Kawamura
- 1993年6月25日・三重県生まれ。5歳の時に父と一緒にゴルフを始め、小学生時代には全国大会の常連選手に。ジョーダン・スピースやジャスティン・トーマスらと出場したフランスでのジュニア大会をきっかけに将来の海外転戦を夢見る。高校卒業後にプロ転向し、2013年に20歳で出場した日本&アジアン共同主管大会「アジアパシフィックパナソニックオープン」でツアー初優勝を飾り、海外進出の足がかりを得た。
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