4年で地球18周分 旅人ゴルファー・川村昌弘の足跡【欧州編】
「いま僕はココにいます」Vol.106 日本編 世界希少・難治性疾患の日
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・27歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、キャリアで巡った国と地域の数は実に70に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いまぼくは四日市にいます。
今月初旬の欧州ツアー「サウジインターナショナル」を終えて、日本に一時帰国しました。サウジアラビアのジェッダ、アラブ首長国連邦のドバイを経て関西空港から地元の三重・四日市市に。今年は東京五輪の特別強化指定選手になりましたが、緊急事態宣言のため日本入国後は隔離をしていました。
さて、きょうは何の日かご存知でしょうか。2月最終日はRare Disease Day(RDD)、「世界希少・難治性疾患の日」。スウェーデンで2008年に始まった希少・難治性疾患の患者さんの生活の質の向上を目指して始まった活動を受け、日本でも2010年からこの日に各地でイベントを行っています。
昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、半数以上の地域で中止になりましたが、今年はRDD Tokyoをはじめ、多くの地域でオンライン開催される運びになりました。また、午後6時ごろから深夜0時まで東京タワーが特別バージョンでライトアップされます。
活動に参加しているJCRファーマ株式会社さんとの縁で、僕はアンバサダーを務めています。試合中のキャディバッグに大きなタグをつけてプレーしてきました。
世界中には希少・難治性の病に苦しむ方がいらっしゃいますが、その数自体が少ないせいで治療のための研究がなかなか進まないケースが多々あります。国の難病指定などを受けられず、とてつもない額のお金が必要な病気も。それぞれの状況を改善するためにはまず、「こんな病気があるんだ」という認知を多くの方に高めてもらわなくてはなりません。その啓蒙活動の一環が「世界希少・難治性疾患の日」です。
世界的なコロナ禍で、数少ない病気と闘う患者さんへの注目はいま、相対的に減っているかもしれません。もちろん、感染した際に重症化するリスクが高い方もいらっしゃると思います。まずはひとりでも多くの方に、そんな世界があることを知っていただきたく思います。北欧はもちろん、海外ツアーの選手にはそういった社会貢献活動への意欲が強い選手も多く、僕もプロゴルファーとして少しでも力になれれば幸いです。
さて、次の試合は3月11日(木)開幕の「コマーシャルバンク カタールマスターズ」。その後はアフリカ・ケニアに飛びます。次の旅までしばし日本で調整です。
- 川村昌弘Masahiro Kawamura
- 1993年6月25日・三重県生まれ。5歳の時に父と一緒にゴルフを始め、小学生時代には全国大会の常連選手に。ジョーダン・スピースやジャスティン・トーマスらと出場したフランスでのジュニア大会をきっかけに将来の海外転戦を夢見る。高校卒業後にプロ転向し、2013年に20歳で出場した日本&アジアン共同主管大会「アジアパシフィックパナソニックオープン」でツアー初優勝を飾り、海外進出の足がかりを得た。
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