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2015年 WGC HSBCチャンピオンズ
期間:11/05〜11/08 シェシャンインターナショナルGC(中国)

<選手名鑑177>エミリアーノ・グリージョ(後編)

■ 厳しい出場資格をクリア

選手にとって世界選手権(WGC)の出場は1シーズンの目標の一つに掲げられる。今大会の出場資格は4大メジャーの優勝者、昨季の世界選手権3試合の優勝者、世界各ツアーのトップランカー、そして直近の世界ランク50位以内と厳しい。参加枠が世界選りすぐりの70人程度なので出場権を得ることはトップランカーの証でもある。賞金も高額で年間王者に影響するポイントも1割増しと高く、参加は大きなアドバンテージになる。まして、これからフル参戦を開始するルーキーにとって世界選手権の出場権を得ることは難関で夢のひとつでもある。だが、ルーキーのエミリアーノ・グリージョ(23)は今季の開幕戦でいきなり優勝し、今大会の出場権を得た。

その初優勝で世界ランクを72位から36位へ上げ、あっと言う間にトップランカーの仲間入りを果たしたのだ。ルーキーがいきなり世界選手権の出場権を獲得する例は極めて稀で、いかにグリージョが別格な存在かわかる。

■ リオ五輪に燃える南米選手たち

グリージョの母国アルゼンチンでゴルフが人気スポーツになったきっかけは2000年W杯の開催だった。タイガー・ウッズデビッド・デュバルというスーパースターが鮮烈なパフォーマンスで優勝を飾った。「静」のイメージだったゴルフの躍動感にラテンの人たちは驚いた。当時8歳のグリージョもウッズのプレーに衝撃を受け、永遠の憧れになったという。

その後、アンヘル・カブレラが全米オープンとマスターズで優勝し、ゴルフ熱は南米各地に拡大。次世代のホセ・コセレス、アンドレス・ロメロらもPGAツアーで優勝。昨季はファビアン・ゴメスが初優勝を飾った。南米の他国からも続々とスターが登場した。コロンビアのカミロ・ビジェガスはツアー4勝、ベネズエラ初のツアー選手ジョナサン・ベガスが優勝を飾った。2012年には南米ツアーがPGAツアーの3部ツアーとして傘下となり、欧米からの出場選手が急増した。南米ゴルフが大きく変わる最中に、2016年リオ五輪でゴルフが112年ぶりに競技復活することが決定し、南米の選手たちは五輪出場という目標も得て気持ちは高鳴るばかりだ。五輪のアルゼンチン代表を確定的にしているグリージョにとって今季は特別なシーズンなのだ。

■ 気骨溢れる“お坊ちゃま”

グリージョは母国のチャコGCのジュニアメンバーで、所属プロのコセレスやゴメスと一緒にプレーする機会が多かった。カブレラの活躍に憧れ「いつか自分も世界で活躍する選手になりたい」と子供の頃から夢見てきた。グリージョは外科医の父親が同コースのメンバーで、練習環境に恵まれ成長した。アルゼンチンの多くの選手は経済的に恵まれず、キャディで生活費を得ながら腕を磨いていった。試合のエントリーフィがなく、先輩や友人に借金をするケースも多く、アンドレス・ロメロは先輩から必要な経費ギリギリの額を借り、それを握りしめ母国を離れた。アルゼンチン=苦労人のイメージが強かったが、グリージョや下部ツアーでプレーするトミー・コチャらスピース世代たちはエリート街道まっしぐら。だが、グリージョはただのお坊ちゃまではない。2011年にプロ転向し米国、南米、欧州、豪州、南アツアーを転戦。試合経験を積むためならタフな移動も日程もいとわず、どこへでも赴く情熱は誰にも負けない自信があった。

■ 5人プレーオフの敗退ショックを結婚で一気にUpturn

グリージョは同居していたマカレナと9月5日に挙式したばかりの新婚だ。ニューヨークでのハネムーンを楽しんだ直後、心機一転効果でまずはウェブドットコムツアーのシーズンフィナーレで大仕事をやってのけた。PGAツアーのシード権を賭けた最終戦ツアー選手権で同ツアー初優勝。今季からのPGAツアーのシード権獲得と今季のプレーに大きな弾みをつけ優勝への手応えを得た。

優勝の兆しは昨季からあった。2015年3月プエルトリコオープンでアレックス・チェイカ、ティム・ペトロビック、サム・サウンダース、ジョン・カラン5人によるプレーオフを経験。最初のホールでチェイカにバーディを決められ初優勝を逃す苦い体験をした。最終ホールで1mのパーパットを外したため、5人プレーオフに持ち込まれた。負けたショックで眠れない日が1週間続いたというが、この悔しさを胸に秘めて挑み、その後も強さを発揮。スポンサー推薦で出場した7月のバーバソル選手権でも10位タイに入賞し、翌週のカナディアンオープンの出場権を獲得。同試合でも初日「64」をマークして首位発進した。最終順位は22位タイとしたものの、飛躍の気配はムンムン漂っていた。

2014年は欧州ツアーに参加し、1月のドバイデザートクラシックで単独2位。その2週間後アフリカンオープンでも優勝争いして5位タイで終えた。終盤もBMWインターナショナルオープンやBMWマスターズ、トルコ航空オープンで上位に名を連ね、賞金ランク44位という好成績を収めた。「欧州ツアーは多くの点でタフ。ブルックス・ケプカのように欧州での経験をPGAツアーで必ず生かせると思う」と活躍への思いを語っていた矢先での実現だった。

初優勝により、世界ランクは36位に浮上して活躍の場をさらに広げることになった。今大会以外に来年のマスターズ、世界選手権ブリヂストン招待、メジャーの全米プロの出場権を獲得。これらの大きな大会で好成績を挙げれば五輪にも弾みがつく。次々に舞い降りたビッグチャンスをどう生かすのか、ますます楽しみだ。

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佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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