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2012年 ソニーオープンinハワイ
期間:01/12〜01/15 場所:ワイアラエCC(ハワイ州)

佐渡充高が簡単解説!初めてのPGAツアー【第二十回】

「ソニーオープンinハワイ」の歴史

開幕戦に次いで同じハワイ州で開催されるのが今季2戦目の「ソニーオープンinハワイ」だ。開幕戦は昨年の優勝者のみの出場だったので、今大会がフルフィールド144人参加のシーズン初戦となる。トーナメントは、「ハワイアン・オープン」として1965年に始まり今年で48年目、47回目を迎える。現在の大会名「ソニーオープンinハワイ」となったのは1999年からだ。歴代優勝者はリー・トレビノ、ジャック・ニクラウス、ヘール・アーウィン、コーリー・ペイビンジム・フューリックアーニー・エルスらメジャーチャンピオンも多数名を連ねる由緒ある大会。のみならず初優勝者も多い試合である。米ツアーの中では日本人には馴染み深い試合でもある。地理的にも日本から最も近い米ツアーの試合ということで、これまでも多くの日本人選手が挑戦してきた。何といっても1983年に青木功が日本人として初の米ツアー優勝を飾った試合。日本の企業がスポンサーになったことで毎年日本人ギャラリーも多く訪れ熱い声援を送っている。本土の試合は早朝だが、日本でのライブ中継(NHK-BS1)は午前10時ごろから正午ぐらいまでの時間帯で、いろいろな意味で日本に最も近い米ツアーだと思う。

注目の出場選手は?

今年出場の日本人選手の中で注目は米ツアーへスポット参戦4年目の石川遼だ。「ソニーオープンinハワイ」へは初出場となる。昨年は「世界選手権ブリヂストン招待」で最後まで優勝争いを繰り広げ4位タイに入賞、あと一歩で今季のシード権獲得と目を見張るパフォーマンスだった。今大会からの出場は例年より1か月早い始動で、彼が米ツアーへの参加のチャンスとタイミングを積極的に狙っていることがうかがえる。今季は早期参戦により4月のマスターズまでの出場試合は例年より増え、より入念な準備ができそうだ。さらに好成績を残し、シーズン後に賞金ランク125位以内に入れば翌年の賞金シード獲得の可能性もある。

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開催コースはどんなコース?

会場はワイアラエCC。全長7,060ヤード、パー70。ヤシの木々にセパレートされたフラットな海沿いのコースだ。攻略の鍵は風と芝対策。トレイド・ウィンド(貿易風)とコナ・ウィンドという正反対の風向きとその強さが選手を悩ませる。芝は全面バミューダでグリーンを狙うショット、グリーン周りのアプローチなどのバリエーションが問われる。グリーンはバミューダ特有の“目”が強く、読みの鋭さや勘の冴えが求められる。パー70になってからの優勝スコアは20アンダーから9アンダーと幅広く、気象条件により毎年大きく変わるのが特徴だ。

過去の名場面を生んだ「注目の18番ホール」

ワイアラエCCの最終18番はイーグル大逆転の可能性を秘めるスリリングなホールだ。551ヤード、パー5で2オンが可能。280ヤード地点から60度ほどのドッグレッグが始まり、左右にバンカーが待ちかまえている。フェアウェイ幅は20ヤード強と狭く、ティグラウンドから見て左サイドは縦列するヤシの木々。キープするには木々のラインぎりぎりに打ち出す巧妙なドローボールが必要となる。が、ドローがかかりすぎると左ラフに、かからないと右のラフに突き抜けてしまい、何よりティショットが肝心だ。セカンドショットはラフに深くもぐったりバンカーのアゴの近くでない限り、距離的に2オンの可能性を残すのでイーグルのチャンスも多い。悪くてもバーディでフィニッシュしたい。これまでもこのホールは劇的なフィナーレの舞台となることが何度もあった。83年、青木功が優勝した時も、この18番でイーグルを決めての大逆転優勝だった。先に首位でホールアウトしたジャック・レナーとは1打差。青木は2打目を左ラフに入れてしまいパーなら2位、バーディならプレーオフへ持ち込めるという状況。そんな絶体絶命の状況からピッチングウェッジで打った128ヤードの3打目はワンバウンドしてカップに消えた!その瞬間、青木の優勝が決定。試合の歴史にとどまらず、ツアーの歴史に刻まれる名シーンとなった。01年のブラッド・ファクソンもこの18番でイーグルを決め優勝を決めた。05年はアーニー・エルスがイーグルを奪い首位のビジェイ・シンに並んだ。が、シンが18番でバーディを奪い優勝をさらった。彼らのデッドヒートも名勝負だった。昨年優勝のマーク・ウィルソンは、このホールで4日間バーディを奪取し優勝。18番は今年も試合展開のカギを握るドラマティックなホールになることは間違いない。

佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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