アダム・スコットがギア&インスピレーションを受けたスイングについて語る
2013年「マスターズ」王者にしてPGAツアー14勝を誇るアダム・スコット(オーストラリア)は、PGAツアーにおいて最もテストを重ね、毎週のようにギアを変更する選手の一人として認知されるようになった。非契約選手であり、どのブランドでも自由にクラブを使用することができ、あらゆるクラブをテストすることで、その自由を行使している。
また、44歳はこれまで数多くのギアに関するデザインの波を経験しているため、選手仲間の間では比べられないぐらいギアへの知識が豊富だ。
今週フィラデルフィアCCで開催されている2025年「トゥルーイスト選手権」の水曜日に、GolfWRX.comとPGATOUR.comは、スコットに対する「ワッツ・イン・ザ・バッグ?」のインタビューで話を深く掘り下げる中で、ギアに関する知識を共有する機会を得た。
話の内容は現在のセットアップ、今週変更する新しい3番ウッド、今週戻すカスタムの古いアイアンセット、クラブコレクションとこれまでで最も気に入ったクラブ。また、いかにしてジョン・デーリーのスイングが現在の彼のスイングに関する考え方にインスピレーションを与えたか、果ては彼の新しいロレックスの時計にまで及んだ。
GOLFWRX.COMアンドリュー・タースキー:私たちはあなたのことをPGAツアーで最もギアのテストを行っている選手の一人であると承知していますが、テスティングのプロセスについて、見た目や打感により重きを置いているのか、あるいは弾道計測モニターの特定の数値を重要視しているのかなど、教えてくれませんか?
アダム・スコット:そうだね、もちろんデータは重要で、どのクラブであれ、実戦での使用を考慮するとなると、特定の数値の幅には収まっている必要はあるね。見た目と打感も重要だ。ショットの雰囲気を決定し、自信を与えてくれるからね。ただ、以前ほど重要ではないと感じてもいるんだ。今では、クラブ本来のパフォーマンスにより興味を持っている。より良いパフォーマンスを得られるのであれば、異なる見た目や打感に適応できるくらいの広い心は持っていると思うよ。
GOLFWRX:クラブのコレクションはどんな感じで、これまでで一番気に入ったクラブはどれですか?
スコット:そうきたか。たぶん、みんなが思っているほど多くはないと思うけど、それでも数年に一度はクラブの整理をしているね。自宅には、おそらくアイアンだけで10セットはあると思う。ドライバーとフェアウェイウッドは、たくさんテストをしているので、ここ数年のものはたくさん持っているね。
古いクラブに関して言うと、プロに転向した時に使っていたセットである、タイトリスト「681」のセットは保管しているね。あのセットと「975D ドライバー」、そしてスルーボアシャフトの装着された「PT-15」の3番ウッドは取ってあるんだ。
見た目も素晴らしいのだけど、あれを取ってあるのは、感傷的な理由になると思うね。「マスターズ」で優勝した時に使ったタイトリスト「695 MB」も取ってあるけれど、あの実物のセットはロイヤルメルボルンGCに展示されているんだ。いつか、自分の元に戻ってくるかどうかはわからないけれど、どこにあるかは知っているから、保管しているということだね。
他にはどんなクラブがあったかな? ああそうだ、僕はジュニアの頃、バレットインビンシブル2のセットを使っていたんだ。あれで、随分とゴルフコースをラウンドしたね。実際、まだ持っているけれど、今では見るも無残な感じだね。かなり酷い状態で、錆びていてメッキも剥がれかけているけれど、あれを見ていると、自分の好みの理由が分かるんだ。たとえばオフセットだね。90年代や80年代のクラブを見てみると、ブレード型でさえ、かなりのオフセットがあるんだ。そして、僕はそれで育った。今使っているクラブはオフセットがかなり少なくなっているけれど、オフセットが気にならない理由はわかるんだ。