今田竜二は27位へ後退、武藤俊憲はMDFで姿を消す
2014年 ソニーオープンinハワイ
期間:01/09〜01/12 場所:ワイアラエCC(ハワイ州)
混戦の中でC.カークが単独首位に浮上
2014/01/12 15:21
ようやくPGAツアーデビューを飾った新人のウィル・ウィルコックスは、「ソニーオープン」3日目を終えた時点で驚きの結果を残している。
だが、クリス・カーク、ハリス・イングリッシュに関しては驚くほどのことではないだろう。カークは18番(パー5)の2打目をグリーン脇のバンカーに入れるも、3メートル弱のパットを沈めてバーディでフィニッシュ。「65」とし、通算5アンダーで2位と1打差の首位に浮上した。
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曇り空、そして穏やかな風という気候の下、ワイアラエで予選を通過した全員に等しくチャンスがあったと言って良いだろう。それはジョン・デーリーにもあてはまることだった。
そしてウィルコックスにも。
アラバマ出身の27歳は、ラスト2ホールでバーディを記録し、「64」でホールアウト。首位と1打差で最終日を迎えることとなった。
2010年には「RBCカナディアン」で予選を通過し、2011年にはコングレッショナルで開催された「全米オープン」でも最終グループに残ったウィルコックスは、昨シーズンのウェブドットコムツアーで賞金ランキング10位にランクインし、大舞台に出場する権利を獲得。しかし、昨秋に開催されたウェブドットコムツアーファイナルには、個人的な事情により出場出来なかった。
新人は「今週どういう結果になるかなんて想像もしていなかった。予選通過、それに3日目で良いプレーが出来るなんて夢が叶ったみたいだ。もし明日も良いショットを打てたとしたら、とんでもないことだよ」と、喜びを形容している。
首位に浮上したカークは、2013年最終戦として出場した「マックグラドリークラシック」で優勝し、その後は2人目の子供の出産に立ち会う為に休暇を取った。カパルアで開催された「ヒュンダイトーナメントofチャンピオンズ」に出場し、最終日で「73」を記録するなど試合勘を戻したことが、この日の急浮上につながったったと言える。
2013年の「OHLクラシック」で優勝したハリス・イングリッシュは、「67」で2位タイに浮上。ここ16大会で3勝目を挙げる絶好の位置につけている。
イングリッシュは、「難しいコースなので、何とか耐えてという感じだった。フェアウェイを捕えるのも難しいし、グリーン周辺では魔法を使わないといけないからね。今日は、そういう感じでアプローチしてみた。ベストなゴルフが出来たとは言わないけれど、3アンダーで終われたので優勝するチャンスはあると思う」と語ったが、優勝のチャンスは全員に等しく残されている。
デーリーは3日目で最少となる「64」を記録。首位と5打差の18位タイに順位を上げた。「マスターズ」王者のアダム・スコットは終盤にスコアを2つ落とし、最終ホールを2パットのバーディでフィニッシュ。「71」で後退している。
「ヒュンダイトーナメントofチャンピオンズ」優勝のザック・ジョンソンを含み、多数の選手が首位と3打差で最終日を迎えることに。仮にジョンソンが優勝した場合、2003年にアーニー・エルスが達成して以来初となる、ハワイでの2大会連続優勝という快挙を達成する。
混戦状態で最終日を迎える為、他のプレーヤーの成績を気にしている余裕は無いとカークは言う。
「今回のような大混戦では、バーディが頻繁に出るだろうしね。普段と同じようにはリーダーボードに目を向けないと思う。自分の順位を把握して、その時のコースに集中する必要があるケースは多いだろうけれど、今回は当てはまらない。バーディかボギーが出るかは、その時の状況によって激しく変化するだろうから。僕はとにかく自分のプレーだけに集中して、出来るだけ多くのバーディを取りに行く」
「ソニーオープン」優勝経験者のジェリー・ケリー(66)、ジミー・ウォーカー(67)は「200」の通算10アンダーで4位タイ。「201」で続くのはロバート・アレンビー(65)、パット・ペレス(66)、レティーフ・グーセン(66)、そしてジョンソン(66)ら。2位と1打差の首位で3日目をスタートしたブライアン・スチュアードは「71」としながらも、ジョンソンらと同様に首位と3打差につけている。
ペレスは首位タイのまま後半を迎えたが、14番で痛恨の3パットとし後退。PGA王者のジェイソン・ダフナーも18番でボギーを記録。わずか90センチのパットに3打も費やし、首位と4打差の13位タイで最終日を迎える。
一気にジャンプアップしたのはウィルコックス。アラバマのパインハーバーでプロだった母親からゴルフを教わり、子供の頃から1日に36ホールを回るのが日課だったという。その日課は、彼が運転免許を取得するまで続いた。
人生で達成したいリストに乗っていたPGAツアー出場という項目にはチェックが入った。その他にはタイガー・ウッズ、ジャック・ニクラス、ブー・ウィークリーと同組でプレーするという項目もリストに含まれているが、既にウィークリーとはプレー済み。残り18ホールとして2位につけながらも、彼にとって優勝は夢のまた夢なのだとか。
「ジェイムス・ハーンには2打差か3打差をつけて勝てた。タイトにプレーして、勝負どころでパットを沈めないといけない。今日はそれが出来た。明日は明日で、どうなるか楽しみだよ」
これまでのキャリアを考えれば、ここまでの好成績はウィルコックスにとって夢のようなことなのかもしれない。
昨シーズンは24大会に出場して、予選通過出来たのは僅か5大会のみ。ウェブドットコムツアーで賞金ランキング25位以内に入り、ようやくPGAツアーのシード権を獲得した。地元に近いフロリダで十分な経験を積んだことでチャンスを掴み、自信を得た。その時の経験から得たものとは何だったのだろうか?
「アドミラルズコーブ(編注・リゾート施設の名称)で60歳かそこらの人達と頻繁にプレーした経験が生きていると思う。彼らは僕がミスするのを待っているようにプレッシャーをかけてくるんだ。そんな状況でも7、8、9アンダーをキープ出来ていたから、ツアーでも耐えられるようなメンタルが出来上がったんだと思う」