石川遼に立ちはだかる2日目の壁
2013年 マスターズ
期間:04/11〜04/14 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
石川遼 2年ぶりの決勝ラウンド進出「最低限クリアしないといけなかった」
ジョージア州オーガスタナショナルGCで開催中の「マスターズ」2日目。1アンダーの23位タイから出た石川遼はノーバーディ、5ボギーの「77」とスコアを落とした。50位タイまでのカットラインに届かない、通算4オーバーの55位タイに後退したが、36ホールを終えた時点での首位から10打差以内にとどまり、2年ぶりの予選通過を果たした。
ホールアウトから2時間後、石川の顔は安堵感でいっぱいになった。「最低限、絶対クリアしないといけないライン。何も始まらないと思っていた」。単独トップのジェイソン・デイ(オーストラリア)が通算6アンダーでホールアウトしたことで、2011年大会以来の決勝ラウンド進出が決定。夕日に照らされた練習場で、週末を戦える喜びをかみしめた。
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この日は、前半から我慢のゴルフ。強い風が上空を駆け抜ける中、出だしの1番から1メートルのパーパットを外してボギー発進。5番でティショットを右に曲げ、3オン2パットとして2つ目を叩いた。
「朝の雨でグリーンが軟らかく、タッチが合わなかった。パットが打てなくなって、特に上りのラインのイメージが出なかった」。後半を迎えても1メートル前後のパーパットを多く残す場面が続く。傾斜に負けて、カップの前でボールが“垂れる”。それでも打ちきれないのは、高速グリーンのイメージが強く残るオーガスタだからこそだった。
ウェッジのミスからボギーを叩いた15番(パー5)の直後、16番(パー3)では2メートルの軽いフックラインを左へ外し、絶好のバーディチャンスをものにできない。さらに17番では1メートル、18番では2メートルのパーパットを外して2連続ボギーフィニッシュ。ホールアウトした時点では、予選カットラインが決まらず視線は宙を泳いでいた。
その直後から、石川は後続の選手の結果をパッティンググリーンで待つことに。上位でプレーしていたタイガー・ウッズ、ジェイソン・デイ(オーストラリア)のスコアが確定したところで、ようやく緊張感から解放されたのだった。
それでも安心感で満たされたのは、わずかな時間。ギリギリで滑り込んだ決勝ラウンドをすぐに見据えた。グリーン上で苦しんだが、2日間ショットに関しては上々の出来。「あとはパットだけ」と口にした。「明日はビッグスコアをもちろん狙うし、それを感じさせるプレーをしないと話にならない。予感させるようなゴルフをしなきゃいけないと思う」。最低限の仕事はできた。だが予選通過の4文字で満足するほど、石川はもう幼くない。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)