感情と、自らのゲームをコントロールするタイガー・ウッズ
1997年 全米オープン
期間:06/12〜06/15 場所:コングレッショナルCC(メリーランド州)
史上最長のタフなコースが挑戦の舞台。ラフの深さは20センチはある?
火曜日のコングレッショナルCC。公式発表では「ラフの長さは5インチ(約13センチ)」とのことだが、実際には20センチくらいはある。とにかく深い。あのジョン・デーリーでさえ「このラフからグリーンを狙うにはショートアイアン以外は自信がない」と言っているくらいだ。
大会用に設定されたコースの全長は7208ヤード。全米オープンの舞台としては史上最長のコースという。しかも通常のパー72を70に詰めているのだから、そのタフさ加減を想像してもらいたと思う。
コングレッショナルのフェアウェイは日本のコースのグリーンに相当し、セミラフが日本のラフと思っていただきたい。ボールが2コ、すっぽり入った。そして本物のラフは15センチから20センチはある。まるで草むらだ。グリーンはかなり大きいが、とにかく速い。2段グリーン、3段グリーンとアンジュレーションがきつい。
このコースは1924年、ディベルックス・エメットが最初に設計し、それをR.T.ジョーンズ・シニアが全面的に改造し、更にリース・ジョーンズが手を加えたのだと思っていたが、実はドナルド・ロスも大幅に手を入れていたのだという。実際的には、ロスが作ってリースが手を入れたという感じらしい。現地に来るまで知らなかった。
タイガー・ウッズは「このコースでドライバーを使えるのは3ホールだけ」と語っていた。とにかく曲げた場合のペナルティが大き過ぎるのだ。バンカーの数は140という。グリーンまわりは非常にタイトだ。大きな池も2つからんでいる。インコースの後半が特に難しいが、とりわけ17番はきつい。大会中の勝敗を分けるキーホールになりそうな気がする。
もちろん飛距離も必要だ。コーリー・ぺイビンなどは、下手するとドライバーを打ってもフェァウェイに届かせるのがやっとというホールがある。同じホールをタイガーは悠々と2番アイアンあたりで打つことができる。この差は大きい。
タイガー・ウッズはやはり人気がある。会場の係員は「タイガーは何番、ホールにいる?」と100回は聞かれたという。耳にタコができてしまった。次に多かったのはフレッド・カプルスとジャック・ニクラスについてだっとか。現地の人気の度合いがうかがえて興味ぶかい。
余計なことだが、この日の練習ラウンド、ジョン・デーリー、グレッグ・ノーマン、ニクラス親子が一緒にプレーした。すごいギャラリーが集まった。本番さながらの大ギャラリー。人気がある。
ジャンボはけっこう明るい表情だった。先週のケンパーに出ていた細川和彦が、いっしょについていた。調子も悪くはない感じだったが...。