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ライダー杯のベテラン2人

今回のライダーカップに出場する、あるベテラン2人は、今年と同じベルフリィで17年前の最終日のシングル戦を戦った。それはベルンハルト・ランガーとハル・サットンの2人だ。ランガーが5&4でサットンに勝ち、欧州を勝利に導いた。

ベルンハルト・ランガー(85年当時)
「28年ぶりに欧州が勝てて、最高に嬉しい。28年前は自分が生まれた年。長い年月を感じる」

その1年後、キャリア7年目を迎えたハル・サットンは米ツアーで7勝を挙げ、一流の仲間入りを果たしていた。特に83年の全米プロ選手権でジャック・ニクラスを1打差で下し優勝してからは、キャリアの絶頂期にいた。しかしその後、95年に優勝するまでプライベートでの問題などに悩まされ、スランプに突入。そのため、ライダーカップにも99年大会まで出場できなかった。その99年、ハル・サットンはアメリカを勝利に導く最高のポイントゲッターを務めた。そして今回も不調と言われながらも、アメリカチームのカリスマ的存在なのである。

ハル・サットン
「残念ながら僕のゴルフは現在不調だ。もちろんただ塞ぎ込んでいるわけではない。必死に練習しているが、どうにも調子が良くならない。でもこのメンバーに選ばれた誇りは捨てたくない。ストレンジと話している時に『勝つために戦おう』と声をかけた。そのためには、僕がシングル戦以外を全てベンチで過ごしても構わないと。プレーしない分、最高の応援団長になると言った」

一方のランガーが初めてライダーカップに参戦したのは1981年。15歳でプロに転向してから9年目のシーズンだった。当時の欧州のエース、セベ・バレステロスと力をあわせ欧州を支えた。今回で10回目の参戦となるランガーだが、一番つらい思い出は、91年、キーアワでのラストパットだろう。最終ホールで対戦相手のヘール・アーウィンに1UPだったランガーは、このパットを入れれば勝ち。外せば対戦が引き分けとなり、優勝をアメリカに奪われてしまうというパットだった。いつもなら外すことのない短いパットを外してしまった。

ベルンハルト・ランガー
「人生で最も緊張した瞬間だった。あのパットだけでなく、その前の15番くらいから、自分のマッチの結果が大会の勝敗を分けると気が付いた時から、そのプレッシャーはすごかった」

しかしランガーは、この苦い思い出を乗り越え、91年大会の翌週に優勝し、またその2年後には2つ目のマスターズを優勝するなど、キャリアの汚点を、結果で返上した。そして今年45歳という年齢で、10回目のライダーカップを迎えることを心から喜んでいる。

ベルンハルト・ランガー
「99年に僅差で選抜メンバー入りできなかったことを思えば、今回は嬉しい。すごく楽しみにしている。自分は誰と組んでも力を出せるし、キャプテンに良いように使ってくれて構わない」

ベルンハルト・ランガーもハル・サットンも、いずれそれぞれの経験を活かしてライダーカップのキャプテンを務める日が来ることだろう。どちらも国を代表する重さ、勝つための経験、そして痛み、喜びを知っているからだ。

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