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2002年 メルセデス選手権
期間:01/03〜01/06 場所:プランテーションコースatカパルア(ハワイ州)

タイガー・ウッズに挑むセルヒオ・ガルシア

晴れがましき新年1月2日、メルセデス・チャンピオンシップスの開幕前夜祭に、アメリカPGAツアー最年少メンバーにしてワッグルの王者、セルヒオ・ガルシアの姿があった。若くとも経験豊富。厳しい戦いの場にあって喜々としたプレイぶり。天賦の才に恵まれながらも貪欲で、周囲を楽しい気分にさせる雰囲気をもっているが人柄は率直。何事もズバリ核心をついてくる。

去年はアメリカツアーで2勝、さらに海外で2勝。全英、全米オープンでは優勝を争える位置にもあった。スペイン出身の新たな人気者となった昇り調子のガルシアは今年、自らの目標をさらなる高みに置いている。彼の見上げているのはただ一つ光り輝く星だ。すでに照準を合わせている標的こそタイガー・ウッズなのだ。その言葉は自信に満ちあふれているが、たとえばモハメド・アリのごとき不遜さは感じられない。

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「私は同じくらいにプレイできると思います。26歳になったら私も彼のようにプレイできると思うんです。あと4年ありますから・・・。彼にできないショットも私はできます。トラブルになったときに、誰も考えつかないようなショットを打つことができる」

子どもに夢を与え、大人をもワクワクさせる世界、それがガルシア・ワールドだ。その新たな一章が始まった。メルセデス・チャンピオンシップスの3日目と最終日のスコアは他のプレイヤーを3打も引き離す68-64-132。2日間で14アンダーと攻勢をかけて首位に並ぶと、プレイオフ1ホール目で3メートルのバーディパットを沈めてデビッド・トムズを退けた。22歳の誕生日まであと3日を残しての優勝は、去年5月中旬以来のアメリカツアー3勝目。あらためてスケールの大きさを見せつける勝利だった。

ガルシアは1999年のPGAチャンピオンシップでウッズとデッドヒートを演じ、19歳のルーキーにして早くもライバルと目された。2000年こそガルシアは優勝なし。かたやウッズはメジャー3連勝を含む、世界12勝とその差は歴然だったが、近い将来、ウッズは自分のすぐ後ろにガルシアの笑顔が迫ってきているのを知るはずだ。

「ツアーらしくなってきましたね。少し前までは彼の一人舞台だったでしょう」

プロ入りして3年弱。ガルシアはいくつかのショットをさらなる武器として身につけてきている。低弾道のノックダウンをマスターし、フェードを正確にコントロールする方法を学び、ショートアイアンの距離の精度が向上。パッティングは上達し、コースについての知識も増えている。そしておそらく最も重要なことだが、父親でありコーチであるヴィクター・ガルシアの指導のもと、去年の暮れからスイングをさらにタイトにしてきた。

「父といつもバックスイングの修正に取り組んでいるんです」

2001年度の記録ではトータル・ドライビング部門でトップにたったのだから、それほどゆるんだスイングをしていたわけではなかったろうが、磨きがかかったわけだ。

若さを誉め称えるのはこのところの流行だった感がある。新ミレニアムに前後して大学ゴルフ界からツアーカードを取った若者たちを4人あげるなら、チャールズ・ハウエル三世、マット・クーチャー、デイヴィッド・ゴセット、そしてルーク・ダナルドだが、現時点で彼らの共通点が二つある。ガルシアより年上であること、そしてガルシアより業績をあげていないこと。PGAチャンピオンのトムズはエネルギーに満ちあふれる対戦相手を評してこう言う。

「パワー、そしてグリーン周りのイマジネーションがすごい。私がこれまで出会った誰よりもゴルフをすることを愛しているんじゃないでしょうか」

初めてのハワイでの試合で、ガルシアは最終日の4打差をひっくり返した。3日目首位に並んでいたケニー・ペリースコット・バープランク、そしてクリス・ディマルコには最初の6ホールで3つのバーディをものにして追いつき、9番521ヤードのパー5では2打目261ヤードを3番ウッドで6.5メートルにつけ、イーグルとして14アンダー。続いて同じホールでトムズが20ヤードのピッチショットを直接入れて14アンダーと並ぶ。後半のプレイぶりはそれぞれだ。ガルシアはあがり4ホールのうち3つをバーディとした。18番で3mとのバーディパットを入れてトムズの18アンダーに並んだとき、ガルシアはウッズばりに拳を振り上げ、歯科医の喜びそうなくらいに大きく口を開けて叫んだ。

一方のトムズは最終日の前半から背中の痛みがあって、鎮痛剤を飲んでいた。663ヤードの18番にやってくるまでの5ホールで4つのバーディを決めていた。しかし、入れれば優勝が決まるという上りの順目3mのバーディパットはあと半回転足りずにホールの左エッジに止まってしまった。その結果、今年最初の試合は、奇しくも去年の最終戦ツアー・チャンピオンシップで4人によるプレイオフの末に破れた2人が、再び対決するという図式になった。

サドンデス・プレイオフ、1ホール目の18番。ガルシアの飛距離がものを言った。トムズの3打目は142ヤード、ガルシアは70ヤード。トムズはウエッジで9メートルについけて2パットのパー。ガルシアは十数分前にトムズの逃したパットとほぼ同じ3メートル。ボールが50センチくらい転がった時点で、ガルシアはパターから手を離して腕を高々と掲げた。去年の南アフリカでのネドバンク・ゴルフチャレンジでアーニー・エルスを破って以来、再びプレイオフを制しての勝利となったのである。

今回のポイントは風と、ガルシアのワッグルだっただろうか。最終日の平均スコアは70.03、全体で94アンダーとなったが、強烈な風の吹いた土曜日は18オーバーの73.56。60台はわずかに4人だった。競技委員はあまりの強風にたじろぎ、12番、15番、16番、18番でティーの位置を前に移動した。ハワイ特有のコナ・ウインドは10~14m/秒と普段は見られないほどの強さで、とくに1番ホール473ヤードパー4では18メートル近い突風が吹き荒れた。左から右への向かい風だったため、32人のうちオーバーパーが17人。平均スコアは4.69にふくれあがった。このオープンニングホールでタイガー・ウッズは2日目が7、3日目6を叩き、トータルを74にした。最終日に65で盛り返して10位に食い込んだものの、世界ナンバーワンプレイヤーをして苦しませた厳しいホールだった。

さて、ガルシアにとってなかなか難しいことのように見えたのはスイング開始のタイミング。もっとも彼自身にとってはなんの問題もないようなのだが、去年来、アドレスしてから20回から25回ほどのリグリップ(グリップのし直し)をすることをルーティンにしている。見ている方としては、その乳搾りのような仕草の回数を数えたり、「早く打てよぉ」という悲鳴に似た叫び声が漏れるのをを聞くことになる。対戦したトムズは次のように言った。

「とにかく、見ないようにしています。何回目で打つかを言い当てようとして数えたりもしたけれど、いいことはありませんよ。彼も、やろうと思ってやっているのではないと思うんですけどね。まあ、そう願うばかりですけど・・・」

ガルシアはそれが人をイライラさせることについてはわかっているが、彼自身としては適切なプロセスであると感じている。ジャック・ニクラスを引き合いに出して、ニクラスだってアドレスしてからすぐには打たなかったはずだと言う。

「たぶん私のリグリップはあまりにも多いと思いますけど、私としては自分がこれで良しと感じるまでは打てないのです。それが100回かかるなら、私は迷わず100回リグリップします」

「記者の皆さんがペンの持ち方についてどうこう言われるなんて事はありませんよね。ゲイリー・マッコードが『イライラさせる』って言ってたのを知っていますけど、それなら見ないでくれと言いたい。私にはどうしようもないのです」

言い終えたガルシアには満面の笑み。そしてソニーオープンのためにホノルルへ向かった。1月9日、22歳の誕生日のお祝いもめでたさひとしおだ。

3日目が終わった段階で誕生日について尋ねた時には、おそらく両親と友人たちで楽しく食事をする程度だと思っています、と語っていたガルシアだがそのとき、一呼吸あって、さっと笑顔を浮かべて付け加えた。

「ツキがあることを願いたいですね。だってそうでしょう?」

その翌日、勝者として首にレイをかけてもらったのは単なる幸運には思えない。by JEFF RUDE(GW)

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