ロンドン五輪の裏で英国勢が大活躍!どうなる2016年?
2012年 全米プロゴルフ選手権
期間:08/09〜08/12 場所:キアワアイランドリゾート(サウスカロライナ州)
タイガー、今年もメジャー無冠で終わる
第94回全米プロゴルフ選手権最終日、タイガー・ウッズは前日雷中断で残った第3ラウンドの8番ホールグリーン上からプレーを開始した。第3ラウンドの残りは3バーディ、2ボギーとして「74」。トータル2アンダーとスコアを落としてしまったタイガーはトップのマキロイから5打差の6位タイというポジションから最終ラウンドを始めた。最終ラウンドは前半はチャンスを迎えるもののバーディを獲ったのは2番と7番のパー5のみ。後半は逆にパー5で2つのボギーを喫してしまいイーブンパーの「72」。4日間通算2アンダーパーは11位タイ。圧倒的な強さで初の全米プロ制覇、昨年の全米オープンに次いで2度目のメジャータイトルを奪取したロリー・マキロイ(23歳)とは11打ストロークと大差がついてしまった。
最終ラウンド、プレー後のインタビュー
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(振り返って、昨日の8ホールが鍵でしたでしょうか?)
その通りです。 昨日は間違った心構えだったような気がします。リラックスし過ぎていたように思えます。雰囲気を楽しむ、エンジョイしようと考えてしまいました。私はそのようにプレーするタイプではありません。真剣に、集中してプレーをしないといけません。そのようにプレーをして14回のメジャーを獲ってきました。その心構えが大きな過ちでした。今日はすべてにおいて真剣に、集中してプレーした分いい内容でした。
(メジャー戦での戦い方)
何が大事かというと数多く優勝争いに絡む事なんです。私はすべて勝てないでしょうし、過去をみても毎回勝ってはいません。勝った数よりも負けた数の方が多いです。しかし毎回その優勝争いのポジションにいればまたチャンスは訪れるはずです。今年はこれからまだたくさんの試合が残っています。大きい試合もあればライダーカップもあります。楽しみにしています。
(1週間のプレーを振り返っていたがでしたでしょうか?)
今日はパッティングが良かったと感じました。スピードもしっかりつかめていました。残念ながらチャンスのホールがもっと必要でした。今日はダブルブレーク(2度曲がるスネークライン)が数回合ったのでキャディの意見を求めました。初日、2日目はすべてのパットが簡単に見えました。ダブルブレークのパットはなかったですし、いい位置からのパットが多かったです。 風は強かったですが正しい位置から攻める事ができました。昨日と今日は2回、3回曲がるトリッキーなラインにつくことがありました。そういうときもあります。
(23歳でメジャー2勝したロリー・マキロイに対して)
彼はとても素晴らしい選手です。才能があることは皆知っています。今年はうまく結果がでないときもあったようですが、逆にそれはそれで彼にとって良かったのかもしれませんね。長いキャリアを考えると結果にならない時期もあるんです。才能のある選手ですし今回の結果が彼の実力ですよ。彼のゴルフに勢いがつくと今回のような印象の強い勝ち方になりますね。
最終日は朝6時43分に第3ラウンドが再開になった。 タイガー8番のパーパット(2.5メートル)は左カップに蹴られてボギー。嫌な空気が漂ったがタイガーはバックナインに入ってから意地を見せた。11番、13番、16番と3つのバーディを奪う。11番では1.5メートル、13番は4メートル、16番のパー5はイーグル逃しの2パットバーディだった。池が絡む17番ではグリーン左奥の砂地エリアからの2打目をうまく1.3メートルに寄せるが、このパーパットが決まらずボギー。結局第3ラウンドは2オーバー、「74」とスコアを落とした。
プレー後のタイガーは「後半バーディを獲る事ができたのでまだ優勝争いに残っている。前回の全英のようにメジャー戦は最後まで何が起きるか分からないからね・・」と話していた。2日を終えてトップタイだったタイガーは5打差の6位タイに順位を下げて最終組から2つ前、午後1時23分に最終ラウンドを開始した。
ピート・ダイが設計したキアワアイランドリゾート、オーシャンコースは最初の3ホールが比較的易しいホールが続く。1番では6メートルのバーディチャンスはカップの右を抜けてパー。2番では5メートルのイーグルパットがカップの左をわずかに逸(そ)れてバーディ。トータル3アンダー。3番はスコアーカードの標準距離が390ヤードだが最終日はティの位置が前に出してありワンオンが可能な293ヤード設定だった。しかしタイガーはアイアンでワンオン狙いをせずにティショットを放った。左手前のピンに対していい角度から狙った2打目は大きくグリーンをオーバーしてしまう。下り傾斜から砲台グリーンに狙う寄せる事ができなかったが8メートルのパーパットをねじ込んでパーセーブ。 気合の入ったタイガーガッツポーズがさく裂した。7番パー5ではティショットを左のラフに入れてしまい2オン狙いはできなかったがここで3打目をうまく寄せてバーディ。この時点で4アンダーになった。 しかしマキロイが10アンダーまでスコアを伸ばし差は縮まるどころか広がってしまう。9番、10番ではショットにミスがあったがパーセーブ。11番のパー5では3番ウッドで果敢に2オンを狙うが球は大きくフックしてしまいグリーン左の砂丘に沈んでしまう。ここはボギー。16番のパー5ではティショットを大きく左に曲げてアンプレアブル。ここでもボギーとしてスタート時のトータル2アンダーにスコアを戻してしまった。
最終ラウンドはイーブンパーの「72」。11位タイ。今年は4大メジャー戦決勝ラウンド合計8ラウンドでアンダーパーを出す事ができなかった。そして2008年全米オープン以来 4フルシーズンメジャー優勝なし。今シーズンはティショットの安定度が向上しているが課題はまだ多い。ショートアイアン、ウエッジの精度は以前よりも落ちていて大きくショートしたりオーバーするシーンは今週も多かった。パッティングの合計パット数はパーオンによって変動するがタイガーは初日22パット、2日目は26パット。比べて週末は連日30パットで合計数は60(パーオンは2日間で21回)。優勝したマキロイは週末のプレーでパーオンはタイガーよりも多い23回だったがパット数は27・23、合計50パットとさえまくっていた。
タイガーはプレー後のインタビューで3日目は「リラックスして雰囲気を楽しみたかった・・」と語っていた。メディアに対してどこまで本音を語っているか?という疑問が残ってしまう。第3ラウンド、最終組ビジェイ・シンと一緒にプレーする1番ホールではそのような雰囲気はなく、逆に気負っているようにみえた。1番から3番までグリーン上では間違いなく構えてから打つまでに時間がかかっていた。メンタル面の要素が多いように感じる。今回マキロイはデーブ・ストックトンという過去のメジャー優勝者、いまでは有名なパッティングコーチに技術的なアドバイスに加えてゴルフに対する心構えのアドバイスをもらえていいプレーができたと話していた。最近はルーク・ドナルドやアーニー・エルスもメンタル面を強化するために他のスポーツのメンタルコーチからアドバイスを受けている。もしかするとタイガーもメンタル面強化の専属コーチからのアドバイスを受けることになるかもしれない。
課題はまだあるが今年はなんといってもツアーで3勝。賞金ランク、FEDEXカップでも現在ツアーでナンバーワン。2年前と比べるとショットの安定度は向上している。2カ月前まで問題視されていたバンカーショットやグリーン周りのロブショットも全英や全米プロでは見違えるように良くなってきている。今後、年末まではFEDEXカッププレーオフ4試合、欧米対抗ライダーカップ、マレーシア、トルコなどトーナメントが控えている。 次のメジャー戦、マスターズまでは8カ月の準備時間があるが今後メジャー2勝目を挙げたマキロイとの直接対決が楽しみだ。
★ラウンド データ
69-71-74-72=286(2アンダー)
第3ラウンド:74(2オーバー)
フロントナイン 40(4オーバー)
バックナイン 34(アンダー)
最終ラウンド:72(イーブンパー)
フロントナイン 34(2アンダー)
バックナイン 38(2オーバー)
・バーディ
第3ラウンド:3ホール
最終ラウンド:2ホール
(4日間14バーディ)
・ボギー
第3ラウンド:5ホール
最終ラウンド:2ホール
(4日間 12ボギー)
・パー3
第3ラウンド:3オーバー
最終ラウンド:イーブンパー
(4日間4オーバー)
・パー4
第3ラウンド:イーブンパー
最終ラウンド:イーブンパー
(4日間3アンダー)
・パー5
第3ラウンド:1アンダー
最終ラウンド:イーブンパー(4日間3アンダー)
・フェアウエーキープ率
第3ラウンド: 57.1% (14ホール中 8ホール)
最終ラウンド:55.5% (14ホール中 10ホール)
4日間通算 66.0%(56ホール中 37ホール)
・パーオン率
第3ラウンド: 55.5% (18ホール中 10ホール)
最終ラウンド: 61.1%(18ホール中 11ホール)
4日間通算 55.5%(72ホール中 40ホール)
・合計パット数
第3ラウンド: 30パット
最終ラウンド: 30パット
4日間通算 108パット