「全米オープン」まであと少し!昨年の覇者M.キャンベルにインタビュー
全米オープンの舞台「ウィングドフット」とは?選手たちが徹底解析!
今年、「全米オープン」の舞台となるのは、歴史と伝統を誇るウィングドフット。開催は22年ぶり、5回目となります。選手の絶叫が聞こえてきそうなほど、難易度の高いことで知られるウィングドフット。1974年の「全米オープン」が開かれた際も、あまりに厳しすぎるコースとして有名になりました。果たして、今年はウィングドフットでどんなドラマがみられるのか。
オリン・ブラウン
「USGAのコースセッティングを予想することは難しいですね。今年も彼らが望むコースに仕上がるでしょうし、ベスページ・ブラック以来の難しいセッティングになると思います」
アメリカのナショナル・チャンピオンシップは、スコアで見れば、ほかの三つのメジャーを凌ぐ過酷な試練となります。USGAのコースセッティングは初日を迎えるまでわかりませんが、ウイングド・フットは1997年に全米プロが行われたときよりも、距離が277ヤード伸びています。そして、ラフもコースの歴史で最も長くなります。USGAは、普通のラフよりもさらに深いセカンドラフを導入し、フェアウェイを大きく外すと大叩きにつながるセッティングにする予定です。メインとなるラフの深さが10センチに対し、ギャラリーロープまで続くセカンドラフの深さは15センチ。USGAのマイク・デービスは、「フェアウェイから計ったラフの幅は、全米オープン史上最も広くなる」と語っています。また、ラフがギャラリーによって踏みつけられて、比較的打ちやすいライになることは期待できず、ボールは恐ろしく深いラフに沈んでしまいます。
ジム・フューリック
「USGAは例年通り、全米オープンまではラフを刈らず、ずっと伸ばし続けるでしょう。そうすれば、仮に大会の2週間や1週間前に雨が降らなかったり、その時期にラフが思ったよりも成長しなくても、ラフが短すぎることはないですからね」
ジャスティン・レナード
「USGAは段違いのラフにすると聞いています。フェアウェイから60センチのところにあるラフなら、3メートルも外したときと比べて、ライはそんなに悪くないでしょう。これまでは、フェアウェイをわずかに外した方が、フェアウェイからかなり離れている場所よりもライが悪くなるといったおかしなこともありましたが、今年は理にかなったセッティングになると思います」
トム・レーマン
「私も含めて全ての選手が、公平である限りは、難しいセッティングに納得するでしょう」
ウィングドフットでは、これまでUSGA主催のチャンピオンシップが10試合行われてきました。しかし、最後に行われたメジャーは、1997年、PGAオブアメリカ主催の「全米プロゴルフ選手権」でした。デービス・ラブIIIは、トータル11アンダーの269ストロークで優勝。2位のジャスティン・レナードに5打差で、唯一のメジャー・タイトルを獲得しました。
デービス・ラブIII
「ウィングドフットという同じコースが舞台である以上、全米プロと全米オープンでセッティングを大きく変えないことが理想です。私が知る限り、今年は距離が伸びただけで、1997年の全米プロのときと比べて、コースセッティングはそんなに変わらないと思います」
ジャスティン・レナード
「ラブには負けましたが、ラブ以外の全ての選手よりもいいスコアで回れたことに満足でした。9年ぶりに思い出のコースに戻ることを楽しみにしています。全米オープンが待ち遠しいですね」
ライアン・ムーアは2004年、パー70のウィングドフットで行われた全米アマチュアで優勝。その時は7266ヤードと、今年の全米オープンよりも2ヤード長いセッティングでした。
ライアン・ムーア
「とてもタフなコースですが、トリッキーではなく素直なレイアウトなので、私は好きですね。真の試練が待ち受けるコースなので、是非、全米オープンに出場したいと思います。きっと、2年前の全米アマチュアと同じようなコンディションになるでしょうね。全米アマチュアのときは、ウィングドフットで6日間プレーしましたが、18ホール全てで、毎日、違う場所にピンが切られていました。例えば、全米オープンに20年くらい出ているようなベテランよりも私が有利なコースがあるとすれば、ウインクドフットだけですね」
ライアン・ムーアが生まれる8年前の1974年、ヘール・アーウィンはウィングドフットで行われた「全米オープン」で優勝。その時の優勝スコアは7オーバー。また、アンダーパーでラウンドした選手は、4ラウンドを通じて7人だけでした。その後、ウィングドフットでは2回メジャーが行われ、1984年の「全米オープン」では、ファジー・ゼラーがプレーオフでグレッグ・ノーマンを破って優勝。1997年の全米プロではデービス・ラブIIIがメジャー初制覇。なお、今年の「全米オープン」の優勝賞金は、最低でも117万ドル、およそ1億3千万円となっている。