「よくやった」妹の奮闘にうなずきティオフ 渋野日向子が苦手エビアンで自己ベスト発進
◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 初日(9日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6479yd(パー71)
最終9番(パー5)でピン右横から5mのバーディパットを沈めきると、渋野日向子は驚いたような表情で笑った。“鬼門”としてきた「エビアン選手権」で、初日自己ベストとなる20位発進。「良い感じの終わり方ができたんで、すごく前向きな感じではいますね。上がり方が良かったからね」。幾度ものピンチをしのいでつかんだ2アンダーは、数字以上に価値のあるラウンドとなった。
午後スタートの初日は、序盤から苦しい展開が続いた。1バーディ、1ボギーで迎えた前半13番ではティショットが右バンカーへ。それでも、脱出後の180yd超の第3打を“OK”につけ、パーで切り抜けた。18番(パー5)ではティショットを左の林に「ぶっこんで」、約150ydしか前進できず、残り290ydという厳しい状況に。そこから「3打目勝負」と気持ちを切り替え、スコアを落とさなかった。
終盤もピンチの連続。8番(パー3)ではアプローチが大きくオーバーしたものの、8mを沈める“ガッツパー”。「ピンチの連続?そうそう、結構セ~ブって感じで」とボギーを1つにとどめ、大会自己ベストタイ「69」にまとめた。
苦しい展開で、修正力が光った。序盤はグリーン上でストロークを意識し過ぎたことでタッチが合わず、パットを打ちきれない場面が続いた。4番を終えた時点で、「カップにフォーカスしよう」と距離感へと意識をチェンジ。5番(パー3)でピン左奥8mからスライスのバーディパットを流し込んだ一打が、流れを変えるきっかけとなった。この日のパット数は「28」。ショットが思うようにいかなくとも、グリーン上で粘り強くスコアをまとめる底力を示した。
初出場した2022年からここまで4年連続で出場も、ベストフィニッシュは24年の51位と5大メジャーで唯一トップ10入りがない本大会。「頑張らんといけん」と、苦手払しょくを誓って臨んだ初日だった。ティオフ前には、妹・暉璃子が臨んだプロテスト1次予選の結果をスマートフォンで何度もチェック。無事にカットライン上の35位タイで2次進出を果たしたことを確認し、「狭き門ですけど、よくやった」と、うなずいてティオフを迎えていた。
妹の奮闘に、姉として燃えるものがあったに違いない。そして自身も、メジャーの舞台で上々の滑り出しを決めた。「いままで初日はよくぶっこけるし、微妙な位置で終わったことも多い。あんまり過小評価してもだめだと思うから、とりあえず自分らしくスタートは切れたかな」と小さくうなずいた。その上で2日目へ、「上が伸びている。もうちょっとバーディを獲りたい。そうじゃないと上に行けない」と言った。さらなる上位を見据える視線が、力強かった。(フランス・エビアン/中村文香)