1977年「全米女子プロ」での樋口久子(John Kenney /Sports Illustrated/Getty Images)

42年ぶりに日本人メジャー優勝を果たした渋野日向子。樋口久子が「全米女子プロ選手権」を制した1977年以来の快挙達成となった。樋口が制したメジャー大会と合わせ、同年の世相を振り返る。

＜チャコ・ヒグチ優勝＞
6月9~12日、サウスカロライナ州ノースマートルビーチで行われた「全米女子プロゴルフ選手権」（ベイトリー・ゴルフ・プランテーション）で、31歳の樋口久子はパット・ブラッドレー、ジュディー・ランキンと通算6アンダーに並んで首位で最終日をスタートした。

前半、4バーディ、1ボギーとしたブラッドレーに対し、樋口は2バーディで、1打差とされてハーフターン。後半はブラッドレーが10番から3連続ボギーをたたいたのに対し、樋口も10、12番でボギーとしたが、13番から3連続バーディを奪って3打差をつけて突き放す。

最終18番はティショットからラフを渡り歩いたがパーでしのぎ、「69」でプレー。最終的に2位に3打差の通算9アンダーで優勝し、日本女子プロがメジャー制覇の快挙を達成した。

＜1977年の主な出来事＞
・アメリカで民主党のジミー・カーター氏が大統領就任（1月）
・全日本柔道選手権大会で19歳の山下泰裕が史上最年少で初優勝（4月）
・日本専売公社（現JT）が「マイルドセブン」発売（6月）
・夏の甲子園で東洋大姫路高が大会史上初の決勝戦サヨナラ本塁打で優勝（8月）
・巨人・王貞治が本塁打世界新記録の756号を達成。初の国民栄誉賞を受賞（9月）
・プロ野球ドラフト会議でクラウンライターから指名された法政大・江川卓が指名拒否（11月）
・新田次郎の「八甲田山死の彷徨」がベストセラー、池田満寿夫「エーゲ海に捧ぐ」が芥川賞受賞
・ピンク・レディーの「S・O・S」などが記録的ヒット、キャンディーズ旋風、沢田研二の「勝手にしやがれ」が日本レコード大賞受賞
・「ファイト!一発!リポビタンD」のCMが流行