後悔から初勝利へ 貫き通した比嘉真美子の誓い
<3人寄ればナントカ、とはよく言ったもので・・・ゴルフ界の三人衆>
日本人は三つひと組が大好きのようです。古くは、天皇陛下が正当な天皇家の後継者であることを証明する三種の神器。もう少し時代が下って、江戸時代、将軍家の後継者を輩出するための紀州、尾張、水戸といった御三家。現代になって芸能界にもいろいろな御三家ありましたね。
ゴルフ界でも三人ひと組の3点セットはいろいろありました。現在でもその名を轟かせているのは、ジャンボ3兄弟でしょう。3人のうち、2人までが通算優勝回数が25勝を越える永久シード選手になっているのは凄いと言うほかありません。長兄のジャンボが言うには、三兄弟の中で最もゴルフの才能に恵まれていたのは永久シードにはなっていない次男の尾崎健夫だそうです。
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長兄の尾崎将司と末弟の尾崎直道は通算25勝以上に与えられる永久シード権を持っているのに、ゴルフの才能が秀でているジェットこと健夫が、体の故障がなくて、十分実力が発揮できていれていれば、永久シード三兄弟になっていたかもしれません。
AONも3人ひと括りで頭文字を取って一括で新聞や雑誌の見出しに載りゴルフ界を牽引し続けた3人組です。言うまでもなく、Aは青木功、Oは尾崎将司、Nは中嶋常幸の3人です。
それに続いて登場したのが学士プロ三羽カラスで、倉本昌弘、湯原信光、羽川豊の3人です。まだ大学出のプロが珍しい時代で多くのファンを集めゴルフのテレビ場組に引っ張りダコでした。それに刺激をうけたのでしょう、日大出身の藤木三郎、牧野裕、金子忠憲、東聡、米山剛など日大の先輩、後輩のプロたちがしのぎを削った時代もありました。
倉本、羽川、湯原の後を追ったのが同じく日大出身の三羽カラスでした。片山晋呉、宮本勝昌、横尾要たちの時代です。このころ全員が日大出身ではないですが、一時代を築いた3人がいました。奇人、変人、宇宙人。これを命名したのは中嶋常幸です。
あるトーナメントのあるホールでのこと。1打目は打ち上げて行き、マウンドを越えるとダウンスロープになっているホールで、中嶋、倉本たちはグリーンが空くまでセカンドショットを打つのを待っていました。ところが、ティグラウンドからはマウンドがあるため、セカンドショットを打つのを待っている選手は見えません。片山、谷口、伊澤の3選手は、ホールが空いていると思ってティショット打ってしまったのです。彼らが打ったボールは、待っている中嶋たちの頭上を越えて飛んで行きました。つまり後続の3選手は、飛ばし屋としてツアー界に君臨していた選手よりも飛んでいたんですね。
倉本が後ろを振り返り大きな声で「まだ打つな!」と言ったものの、後ろの3人には聞こえません。先輩たちの頭の上を越えたティショットを打ち、打ち込んでいながら、その失礼に気が付かなった3人からは、ホールアウト後にも謝罪の言葉はありませんでした。
そこで中嶋が「彼らは奇人、変人、宇宙人だからね」というコメントが出たのです。それから、中嶋のコメントを聞いた記者たちは、「奇人」に該当するのは誰だろう?「変人」に該当するのは誰だろう?「宇宙人」は誰だ、ということが話題になっていました。読者の皆様はどう思いますか?記者仲間の見解は、奇人は片山、変人は谷口、宇宙人は伊澤というのが賛成多数でしたが、さてどうなんでしょうか?いずれにしても3人1組はツアーを盛り上げてくれる、要素の一つだというお話です。