平石武則執念のV。プロ生活19年、悲願の初優勝達成!
ツアープレーヤーたちのもうひとつの栄冠<平石武則>
賞金王争い、シード権争いと、いよいよ佳境を迎えたジャパンゴルフツアーはこのほかにも、水面下の争いが、ヒートアップしている。平均ストロークや平均パット数などのほか、総合的に優れたプレーヤーを選出するユニシスポイントランキングを含む、10部門に分かれた部門別ランキングの争いだ。
各部門別のトップに立てば、12月6日に都内の全日空ホテルで行われる、ジャパンゴルフツアー表彰式で表彰されることもあり、上位争いを繰り広げている選手たちは、毎週、発表される部門別ランキングに釘付けなのだ。
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中でも、「絶対に今年は1番を取り返すでぇ」と意気込むのは、関西出身の平石武則。現在(11月22日時点)、フェアウェイキープ率とサンドセーブ率でランク1位。特にフェアウェイキープ率は、2001年に受賞しているが、以後2年間は同じ関西出身の井戸木鴻樹にお株を奪われていた。
「でも今年は、ショットがめちゃめちゃ調子ええし、ドライバーショットは、曲がる気がせえへん。今年は、絶対に渡さへんで~!!」と、ひとしきり意気込んでいた平石は、ふいにしみじみと言った。
「…それにしても、俺(2001年)、鴻樹(2002年)、鴻樹(2003年)、そして今年はまた俺、とええ感じやね。ファウェーキープは、関西出身者に強いなあ」。
この現象について本人は、「僕らが育ってきた、コースに関係があるのでは」と、分析した。
77年、夏の甲子園で頂点に立った東洋大姫路高校で5番を打った、元・高校球児。野球で鍛え上げられた身長180センチの恵まれた体格ながら、その後ゴルフに転向した平石の持ち味は、飛距離よりもむしろ正確なティショットと、小技にある。
それは、研修生時代から修行を積んできた所属コースの兵庫県・芦屋カンツリー倶楽部が、「トリッキーな丘陵コースだったおかげ」と、平石は言うのだ。そこで毎日、師匠の石井迪夫プロに口をすっぱくして「「ゴルフは球を飛ばす競技ではない。飛ばさなくても良いスコアをつくれるゴルファーを心がけろ」と、教えられてきたのだ。
「だから今でも僕は、飛ばないプロの代表なんです(笑)」と言って、ガハハと笑い飛ばした平石。
「…昔は、飛ばないことで屈辱を感じることもあったけど、今は、それがウリやと思っているしね。そのかわりに、フェアウェイキープ率トップという栄誉も与えられるし、悪いことばっかりでもないんですよ」。
“特技”を生かして、4年連続のシード入りもほぼ当確ライン。いよいよ、自身にとって事実上の最終戦である今週のカシオワールドオープンで、もう「ひとつの栄冠」もがっちりと手にしたいところだ。
トーナメントで起こったルール裁定の実例
<三井住友VISA太平洋マスターズ>
4日目、2番ホール(パー4)のグリーン右側で競技委員要請があった。
事の内容は、球が道路とOB柵の間にある60センチ程の芝の上にあり、旗の方向にストロークする事ができず、一旦別の方向にストロークしなければならない状況であった為、プレーヤーは旗に背を向けて横に出すことにした。そのようにするとスタンスが道路に掛かるが、この救済のニヤレストポイントは何処になるかとの事でした。
立ち会った競技委員は、横向きのストロークが唯一合理的な方法と認めた上で、そのアドレスポジションでホールに近づかずその障害物から避けられる最も近い地点(ニヤレストポイント)を決定させ、ホールに近づかず1クラブレングス以内にドロップさせた。
プレーヤーはドロップしインプレーとなった球を通常のホールに向けてのストロークができ結果的にはだいぶ助かった事になりました。
読者の皆さん、今回のケースや左打ちが認められた後の救済でかなり有利になるケースはありますが、必ずしもプレーヤーの主張がとおるとは限りませんのでご留意を!