コカ・コーラ東海クラシック最終日は台風接近のため“無観客試合”に
今井克宗「三好に来ると、やるべきことが見えてくる」/コカ・コーラ東海クラシック
今年も生まれた「三好伝説」!ラ・ボンバ今井が勝利のダイブ
再び18番に戻ってのぞんだプレーオフ。その1ホール目に、先にパーで上がって待つ細川のパーパットは、とても見ていられなかった。
「どんな気持ちでいたかって?・・・そんなの、言わせないでください」。細川がボギーに終わったとき、思わずホッと、胸を撫で下ろしていた。
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細川を気遣って少し控えめに、キャディの小田さんと小さなハイタッチ。自分より格上の相手と堂々と渡りあい、ツアー2勝目をもぎ取った。
今季から踏み切ったスイング改造の影響で、序盤から不振が続いていた。中盤戦でゴルフ自体の調子は取り戻せたものの、結果に結びつかない。
それでも腐らず日々、黙々とトレーニングに励んだ。周囲には、積極的にさまざまな意見を聞いてまわった。そんな中、9月の大会で深堀圭一郎に戦うときの心構えについて受けたアドバイスが、上昇のきっかけになった。
オフは親交の厚い元大関霧島の陸奥(みちのく)親方の相撲部屋を訪れ、力士たちの猛烈な食欲に度肝を抜いた。もともと今井は食が細く、太れない体質だったが、「プロ選手は、それじゃいけない」。ちかごろは大好きな酒もほとんど断って、体調管理に専念。相性の良い三好カントリー倶楽部での優勝は、それら努力を続けたご褒美だった。
デビュー元年の2000年にはこの大会で3位タイに入って初シード入り。翌年2001年大会は、16番ホールでホールインワンを達成して賞金500万円を獲得。昨年2003年は、4位タイでフィニッシュ。
そしていよいよ今年の大会初優勝。
「なぜかここに来ると、毎年良いプレーができる気がする。どのホールでも、やるべきことが、はっきりと見えてくるんですよ」
やはりコースとの相性の良さに、「東海の男」と呼ばれたディフェンディングチャンピオン川原希ら、たくさんの友人たちの手で、今年は「ラ・ボンバ今井」が勝利のダイブ!
18番グリーン横の池に投げ込まれて、「さいっこ~です!」
ニューヒーローの誕生にまたひとつ、新たな三好伝説が刻まれた。