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佐藤信人の視点 勝者と敗者

マスターズへ出るべくして出る 小平智が見せた“立て直す力”

◇国内男子&アジアン◇レオパレス21ミャンマーオープン◇パンラインゴルフクラブ (ミャンマー)◇7103yd(パー71)

いまもっとも注目しておくべき選手は?と聞かれたら、真っ先にこの選手の名前を挙げると思います。それは、今週世界ランキングで自己最高35位に浮上した小平智選手です。

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彼は3週間前の「ソニーオープン」で最下位に終わり、「このショットでは戦えない」と口にしました。その翌週の「SMBCシンガポールオープン」と、先週の「ミャンマーオープン」で、連続2位に入るという“立て直し”を見せたのです。

確かに小平選手は昨季の終盤から調子を落とし、国内ツアーでは賞金王のタイトルを目前に失速。また彼が欠場した「インドネシアマスターズ」で、2017年末時点の世界ランク50位以内という「マスターズ」出場枠からふるい落とされました。

彼の持ち味である「飛んで曲がらないドライバーショット」は影を潜め、思うようなショットが打てていない印象でした。そんな彼が、失意のハワイを経て挑んだシンガポールとミャンマーでの驚異の粘りは素晴らしいものでした。

ドライバーの変更や岩田寛選手からのグリップのアドバイスがきっかけというコメントを残していますが、ここまでの短期間で結果を出すまでに復調するというのは、並大抵のことではないと思っています。

調子が悪くても試合に出続けるプロの「調子」というものは、大きな波のようなもので、一度上昇してしまえば、何度か予選落ちをしてもすぐに元に戻るものです。ですがその反面で、大きな下降の波になると、一度良くてもまた悪くなる。上位に食い込んだ翌週は予選落ち、といった流れに陥ってしまうものです。

ただ、今回の小平選手は不調の波がきた中で、2週連続で2位に入りました。4日間とも良い結果を残せない、悪い日はとことん悪い結果が出てしまう、そんな波の中でトータルで巻き返せる彼のゴルフは、世界の舞台でも臆することなく戦っていけるものと感じ取れました。

いまや“立て直す力”ということで連想できる選手は、PGAツアーの第一線で戦う松山英樹選手です。彼が世界のトップで戦うことができているのも、一試合の爆発力というよりは、不調でもコンスタントに上位を狙うことができる“立て直す力”だと思っています。4日間あれば、何とか上位に食い込み、世界ランクを維持することができる。何度もそれを証明し続けているのが、松山選手だと言えます。

小平選手がこのまま“立て直す力”を磨き続けていけば、「マスターズ」の出場はきっと目標ではなく“通過点”となり、彼の描いているPGAツアーレギュラー参戦という青写真も、おのずと現実味を帯びてくるものだと思っています。(解説・佐藤信人

佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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