初シード確保も「やっぱり悔しい」 勝亦悠斗は劇的幕切れで涙の惜敗
◇国内男子◇ドラッグストア・コスモスカップ 最終日(4日)◇グランフィールズCC(静岡)◇7156yd(パー70)◇曇り(観衆3086人)
決めなければ負けが確実となる状況で、勝亦悠斗は最高のパッティングをした。最終18番のバーディパットはスライスしながら上り、最後はまっすぐ下っていく6mほどの難しいライン。強気に打ち切って沈めた後のガッツポーズは、自分以上に興奮していたキャディとのハイタッチでボールを落としてしまうほど力強かった。直後に3mを入れ返した岩田寛に1打及ばず敗れたが、72ホール目までもつれ込む激闘を演出した。
5打差2位スタートから、ビハインドは一時6ストロークまで広がった。「なにか“事件”がないとチャンスはないかな…」と考えていたのも事実。ポイントランキング73位から初シード獲得を目指す立場を考えれば、単独2位を守りたい誘惑に駆られてもおかしくなかった。「でも“2位狙い”にいったら、たぶんボギーを打っちゃうと思ったので。ずっとバーディ狙いで、ピンしか見ていなかったです」。パー3を除くティイングエリアではひたすら1Wを握り続け、自慢の精度で食らいついた。
サンデーバックナインに入ってトーナメントリーダーがスコアを落とし始めたタイミングで、チャンスを決めきれなかったことが悔やまれる。岩田がティショットを曲げてトラブルになり、ダブルボギーを喫した15番でも右ピンを攻め込んで絶好機を作っていた。「あそこで入っていたら、また何か違ったのかな。ターニングポイントを逃してしまったことが僕の敗因だと思います」。勝つための分岐点は、最終ホールより早いタイミングにあったと受け止める。
ポイントランキングは31位まで上がり、来季シードを手中に収めた。それでも、連日応援に駆けつけてくれた妻・里沙さん、長女・陽菜ちゃんを見つけると思わず涙があふれた。「正直途中まで、このまま2位で終われば満足じゃないですけど、シードも決まるし、みんなの前でいいプレーを見せられたし…って思っていたんですけど、やっぱり悔しいですね」
グリーンサイドでは、岩田の優勝をたたえた選手たちが今度は次々と勝亦に駆け寄るシーンがあった。「最後のパット、良かったな」「ナイスファイト!」――。初優勝を目指した32歳の奮闘は、ギャラリーとともにツアー仲間の胸を打った。(静岡県三島市/亀山泰宏)