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熊本地震から4カ月 笠りつ子が募らせた母への思い

「やっと勝てた。良い報告ができて嬉しいです」。熊本地震の発生からちょうど4カ月を経て、笠りつ子がついに地元へ朗報を届けた。1打差の6位から出た国内女子ツアー「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」最終日を7バーディ、1ボギーの「66」でプレー。後続に2打差をつける通算13アンダーとし、逆転で今季1勝目を手にした。

今週を前に、2回の2位を含む7回のトップ5フィニッシュと惜敗続きのシーズンだった。4月14日には地元が被災し、優勝に対してこれまでと別の価値観も加わった。熊本地震後の初戦となった「フジサンケイレディス」では、最終日に逆転を許して2位に終わって涙を流し、「そこからスタートした感じでした」。地元のことを案じながら、何より自分自身も勝利に飢えていた。

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今週は、親交のある男子プロの片山晋呉の勧めもあり、初めてラウンド中にスコアボードを見なかったという。「今のゴルフをやっていればチャンスは来る」。最終組の2組前から、無心でホールを進めていった。前半に3つ伸ばし、首位と1打差のままハーフターン。11番で5mを決めて首位に並ぶと、続く12番で「大きかった」というチップインバーディで単独首位へ。終盤の16番(パー5)、17番(パー3)と連続で伸ばすスパートをかけ、待望の優勝カップをその手に掲げた。

母・優子さんからは、昨年ごろから毎日のように“踏ん張れ”という励ましのメールが届いていたという。会見では「最近は“ハイハイ”みたいな感じで、あまり見ていなかった」とおどけてみせたが、優勝スピーチで声を詰まらせたのは、母へのメールについて触れたときだった。

笠は菊陽町にある自宅が被災して以降、「危ないから」という母の言葉もあり帰郷していない。自宅は住める状況にはあるが、優子さんは夫の清也さんが経営する同町のゴルフ練習場で今も生活を続けているという。「しばらく離れている(会っていない)ので」。まだ日常に戻れていない中で、今も欠かさずメールを送ってくれる母への恋慕を募らせた。

「熊本の人は本当に強いので。今は、前向きに過ごしてくれていると思います」。笠もまた、そんな気質を宿している1人。明るい、力強い声が会見場に響いた。(長野県軽井沢町/塚田達也)

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2016年 NEC軽井沢72ゴルフトーナメント



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