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藤田寛之 マスターズ王者と同組に「アウエー感たっぷり」

国内男子メジャーの今季第3戦「日本オープン選手権競技」は16日(木)から、千葉県野田市の千葉カントリークラブ梅郷コースで開催される。開幕2日前の14日(火)には予選ラウンドの組み合わせが発表され、現在賞金ランクトップの藤田寛之アダム・スコット(オーストラリア)、アマチュアのヤン・ガン(韓国)と同組になった。

言わずと知れた2012年「マスターズ」王者とのペアリングに、藤田は苦笑いした。「今のランキングからそうなったんでしょうが、内容的に見れば比べ物にならない」。一緒にプレーした2012年「全米オープン」の3日目を振り返り「スゴイと思った。ケタ違い。自分のボールは(スピンで)止まらないのに、彼のボールは戻ってきた」。早くもギャラリーの視線の行方を頭に描き、「日本にいながら、アウエー感たっぷり」とこぼした。

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もうひとりのヤンは、トップアマチュアの実力者。サンディエゴ州立大に通う20歳は、昨年5月に椎間板ヘルニアの手術を受けてシーズンを棒に振ったが、今年8月の「全米アマチュア選手権」を制覇。09年のアン・ビョンハン以来、2人目の韓国人王者となった。

藤田は前週の「TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Central」では上位のバーディ合戦についていけず、あえなく予選落ち。オフとなった週末はほとんどボールを打たなかった。「みんなにいい休養と言われるけれど…したくて休んだわけじゃない」。台風一過の秋晴れの下で行われたこの日のプロアマ戦後も「ボロボロです」と状態を嘆いた。「晴れ、雨、暴風雨と、(ゴルフの状態の)移り変わりが激しくって。ゲリラ豪雨もある」

日本オープンは、かねてから獲得を熱望していたタイトルだ。「そう入れ込むのをやめた。昔はフェードに絞って攻めたり、飛距離を伸ばそうとしたりと色々考えていたが、自然体でやります」。日本一の称号を争う戦いは、意外とそんな心持ちなら、勝利の女神が微笑みかけてくれるかもしれない。(千葉県野田市/桂川洋一)

<初日の主な組み合わせ> ※は10番スタート
7:25/※I.J.ジャン藤本佳則加瀬秀樹
7:34/※小田孔明池田勇太谷原秀人
8:01/※古田幸希(アマ)、岩田寛小平智
11:25/小木曽喬(アマ)、小林正則片山晋呉
11:34/ヤン・ガン(アマ)、A.スコット藤田寛之
12:01/川村昌弘宮里優作宮本勝昌

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2014年 日本オープンゴルフ選手権競技

アダム・スコット米国PGAツアーを主戦場とするアダム・スコットが、毎週の試合で着用するウエアのコーディネートは、東京・六本木の同社オフィスから発信される。商品開発、デザイナー、マーチャンダイザーに至る少数精鋭のスタッフが、数ある商品の中からポロシャツ、パンツ(ボトムス)、ベルトの組み合わせに知恵を出し合っている。試合の2週前に海を渡る段ボール箱の中には、本戦4日間のほかトーナメント前の練習日、プロアマ戦を含む全部で6日分、そしてシーズンオススメのウエアを加えたアイテムの数々がぎっしり。プライベートの時間でも愛用している薄手のインナー、エアリズム(AIRism)も絶対に欠かせない。
同社のモデルは、ゴルフ場を離れても気軽に着用できるLifeWearだ。スコットとの共同開発で世に出たドライストレッチパンツは、コースで戦う上での機能性が普段の生活の場に大いに還元されたもの。彼の要望として取り入れられた高い伸縮性、速乾性や軽量感は、カジュアル、ビジネス等のシーンを問わず重宝されている。スタイリングにおいても、ファッションデザイナーの滝沢直己氏の監修のもと、レディ-・ガガのスタイリングをも手がけたニコラ・フォルミケッティ氏がプロジェクトに参加。ビッグネームの協力も得て、両者の融合を追究している。
ちなみにスコットお気に入りのカラーリングは、シャツとパンツを同色で統一するスタイル。黒、ネイビーの単色コーディネートの日は、一層気合が入っているのかも?

アダム・スコット「ジェントルマン」はアダム・スコットを表現する言葉として、最も的を射ているフレーズだ。直接折衝を担当するユニクロ・グローバルコミュニケーション部の蓑輪光浩氏は、かつて某スポーツメーカーで多くのプレーヤーと仕事をしてきた経験があるが「サインを求めて『My pleasure(こちらこそありがとう!)』と答えてくれた選手は初めてでした」と言う。プロ車いすテニスプレーヤー・国枝慎吾をはじめ、錦織圭、ノバク・ジョコビッチといったトップテニス選手のウエア開発にも携わってきた商品本部の田中敏氏が驚いたのは「ジョコビッチ選手と同じく勝ちにはこだわりつつも、テニス以上に自然が結果を左右することがあるゴルフと言うスポーツの特性も受け入れる懐の深さを感じる」という、その穏やかな人間性だった。
雄大な南太平洋を望むゴールドコーストで育ったスコットは、ゴルフ、そして海とともに自身の成長を育んできた。大のサーフィン好きが選んだバハマの自宅は、目と鼻の先にビーチがあり、素潜りでモリを持って獲物を捕らえるスピアフィッシングにも興じる。ところで、スコットは学生時代に日本語の授業を選択していた時期があり、ひらがななら多少理解できる。米国で戦う日本の松山英樹や石川遼のよき兄貴分としての振る舞いも、自然と納得がいくものだ。

アダム・スコット今年9月初旬。ユニクロのスタッフのもとに米国で転戦中のアダム・スコットからメールが届いた。「Big Day for UNIQLO!」―― 日本のスポーツ界が震撼したテニス全米オープン。錦織圭が快進撃を続け、ともにユニクロと契約するノバク・ジョコビッチと準決勝を戦う直前のことだった。マスターズチャンピオンも日本のファンと同じように、ニューヨークに熱く視線を注いでいたのである。
それもそのはず、スコットとテニスとの間には切っても切れない縁があった。同じオーストラリア出身で、4大大会通算2勝のレイトン・ヒューイットとは1歳違いで大の仲良しで、どちらもバハマに家があり、オフにはトレーニングを一緒にすることもある。さらにスコットの現在のマネージャーは、かつてヒューイットのサポートをしていたという間柄。もちろん自らもラケットを手に取り、汗を流す。
ジョコビッチとは昨年、ニューヨークで対面し、ドライバーをプレゼントしたスコット。錦織選手も10代の頃からフロリダIMGアカデミーで育ち、女子プロゴルファーの宮里美香と親交があり、ゴルフは趣味のひとつだとか。日本のファンとしては今後、トップアスリート同士の異色のコラボも期待してしまう。

アダム・スコット2013年「マスターズ」。アダム・スコットは、オーガスタの雨が染み込んだユニクロのポロシャツの上にグリーンジャケットを羽織った。開幕直前に契約が発表され、これ以上ない形の“デビュー戦”を喜んだ同社スタッフは「ゴルフ界に大きな声で“Say Hello”が言えたことが大きかった。スポーツメーカーでない我が社の内部においても、すぐに協力体制ができた」と話す。ポロシャツは優勝前の実績を大幅に上回る数が売れ、ベルトは全国で品切れになった。
ゴルフ部門への進出はユニクロの哲学「MADE FOR ALL」に立ち返るものだった。世代や性別を超えた“国民服”をプロデュースする同社が、老若男女がプレーできるゴルフ産業に足を踏み入れたのは自然な流れ。ともすればビジネスの場にも似つかわしいLifeWearが好まれるゴルフは、コート内における高い機能性に特化したテニスとはアプローチの方法が異なったが、それこそがスコットが求めたものだった。
あらゆるスポーツにおいて、契約メーカーに自身の特別ブランドや、一般市場には出回らないモデル提供を求めるプレーヤーは多い。だが彼は違う。誰もがリーズナブルに手にできるウエアを軽快に着こなし、世界最高のツアーで戦っている事実がある。そして、スコットは大きなビジョンを持って言う。「2万円もする高い服を着てプレーするゴルファーは本当に幸せだろうか?そんな世界を、ユニクロとなら一緒に変えられる」と。スコットとユニクロの二人三脚での歩みは、まだ始まったばかりだ。



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