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待たれる奪還、復活/2012年国内男子ツアープレビュー

2012年の日本男子ツアーは4月12日(木)に初日を迎える「東建ホームメイトカップ」で幕を開ける。試合数は前年度から増減無く25試合。12月の最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」まで約7か月間にわたる戦いが行われる。

昨年度の賞金王ベ・サンムン(韓国)は昨年末の米国ツアーの予選会を通過し、今シーズンは序盤から新しい舞台で活躍を見せている。日本でのトーナメント出場は夏以降を予定しており、昨年圧倒的な強さを誇った“本命馬”が不在の状態でシーズンはスタートする。

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まず中心となるのは今年も石川遼を置いてほかならない。2009年に史上最年少で賞金王を戴冠したが、昨年はまさかの未勝利に終わり、通算10勝の瞬間はいまだ訪れていない。賞金ランクこそ3位だったが、勝負強さに欠けるシーンが目立った昨シーズン。12年は「マスターズ」で予選落ちも、序盤の米ツアーでの好成績を収めた。底上げされた実力を発揮できるだろうか。

節目の10勝目。それが待たれるもうひとりのタレントが池田勇太だ。09年から2年連続で年間最多の4勝をマークしながらも昨季は年間を通して苦しみ、1勝にとどまった。昨年、アジアンツアーで賞金ランク2位となった平塚哲二からも大きな刺激を受け、タフなプレーを披露したい。

その平塚をはじめ“アラフォー戦士”たちの輝きは、近年いっそう増すばかり。谷口徹藤田寛之の実力者が牽引し、久保谷健一も上位でのプレーを続け、河井博大は悲願の初優勝を飾った。彼らが共通して持っているのは、単なる経験だけではない。要所での集中力を裏付けるのは、ゴルフに真摯に取り組む姿勢、そして練習量があってこそ。

近藤共弘、矢野東星野英正谷原秀人ら30代前半の選手たちが脅威となる存在とならなければ、ベテランと若手の活躍ばかりが話題となる構図は変わらない。昨年、ベ・サンムン以外に唯一年間複数勝利をマークした高山忠洋や、ここ4年、毎年勝利を挙げている小田孔明にも世代を牽引する選手として期待がかかる。

そしてもちろん、忘れてはならないのが韓国勢のインパクト。キム・キョンテを筆頭としてハン・ジュンゴンチョ・ミンギュJ.B.パクら若手が、持ち前のハングリー精神を武器にして戦う。第2のベ・サンムン誕生の時も、決して遠い未来の話ではない。

欧州、米国が海外ツアーと連携を深めている昨今。世界の注目がアジア諸国に集まっていく時代の流れは、マーケットとしての魅力だけでなく、女子における韓国勢の台頭や、マスターズでの松山英樹の活躍も無関係ではない。世界に取り残されないため、日本ツアーには将来像を明確にした変革が待たれる。倉本昌弘が選手会長に復帰した新シーズン。師走に笑うことはできるだろうか。

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