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【GDO EYE】“ゴルフ界のドン”杉原輝雄に学ぶファンサービスの極意

連日の杉原輝雄ネタとなってしまうが、「中日クラウンズ」2日目、杉原が11番パー4で残り150ヤードの第2打を6Iで直接沈めてイーグル奪取。1999年の「ミズノオープン」初日に6番で達成して以来となる11年ぶりのイーグルで、自らの連続出場の世界記録更新に華を添えた。

グリーンに向けて打ち上げとなる、和合最短パー4(337ヤード)の11番。「自信が無いから大き目のクラブで打った」という杉原の第2打は、グリーンにキャリーするとピンに向かって転がっていき、ギャラリーの歓声で直接入ったことが第2打地点にいる杉原に伝わってきた。

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8番から3連続ボギーを叩くなど、自身のゴルフに納得の行っていなかった杉原は笑顔を見せたものの派手なアクションは無い。傍で見ていた女性ギャラリーが両手を出して「ボールをくださいね」というジェスチャーをしたが、微笑みながら軽く頷いただけでグリーンへと上がっていった。

グリーン周りに集まっていたギャラリーからは温かい声が掛かる。「さすがドンやな~」「杉原さん、立派!」カップからボールを拾い上げた杉原は、そのままグリーン奥に座っていたギャラリーへとそのボールを投げ入れた。

そそくさと次のティへと続く通路へ来た杉原は、試合中にも関わらず気安くギャラリーへとサインを始める。4人、5人とサインをし終えた頃、先ほど第2打地点に居た女性ギャラリーが近づいてきた。すると、杉原はポケットからボールを取り出して、小声で「これがイーグルしたやつ」と、彼女にそっと手渡した。きょとんとした顔の彼女に、「すり替えた」と笑う杉原。写真を見ると分かるが、確かにカップからボールを拾い上げた杉原の手には2つのボールが握られている。

これがファンを大事にしてきた杉原のやり方だ。グリーン周りに居たギャラリーも喜ばせつつ、身近なファンも大切にする。TVインタビューで“いつ以来のイーグルですか?”と聞かれた杉原は、「そんなもん覚えてませんよ。朝食べたもんも分からないんだから」とおどけたが、ファンを喜ばせる方法だけは決して忘れることは無いのだろう。(編集部:今岡涼太)

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2010年 中日クラウンズ



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