「見えにくくなって」ボールを黄色に変えた44歳 それでもノリスは米ツアー参戦に意欲満々
◇国内男子◇~全英への道~ミズノオープン 最終日(31日)◇ JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山)◇7480yd(パー72)◇晴れ(観衆3139人)
強い、強すぎた。ショーン・ノリス(南アフリカ)が後続に5打差をつけ、さらにはトーナメントレコードを4打更新する通算24アンダーで圧勝。2位に並んだ米澤蓮も永野竜太郎も「ノリス選手がすごいプレーだった」と口をそろえ、白旗を上げるしかなかった。単独首位で迎えた最終日は5戦5勝の勝率100%に。勝負強さを改めて示した44歳は、真っ赤に日焼けした顔をほころばせ、「僕は3人兄弟だから、それで鍛えられたんだろうね。勝つことは難しいから、その分すごくうれしいよ」と豪快に笑った。
1打差の単独首位で迎えた最終日。ライバルたちをよそに、ノリスはぐんぐんとリードを広げた。6番(パー5)では2打目をグリーン手前ラフに運び、エッジぎりぎりのキャリーを狙ったアプローチがわずかにショート。それでも再び60度のウェッジを握ってチップインを決め、力強く右こぶしを握った。10番でもグリーン奥から再びチップインバーディを奪い、ボギーなしの7バーディでこの日のベストスコア「65」をマーク。後続に影も踏ませぬスキのなさだった。
5月15日で44歳になった。視力が落ちてきて「見えなくなってきたから」と、4月にボールの色を白から黄色に変えた。今季は欧州ツアーを主戦場に1月から中東→母国・南アフリカ→中国→日本→スペインと世界各地を飛び回り、本大会が日本ツアー3戦目。欧州2勝、アジアン2勝、日本9勝の計13勝中40歳以降で4勝を稼いだ。年齢に負けない秘訣を問われると「今は1番人生を楽しんでいるから。健康にも気を使っているし、とにかく人生を楽しむことを心掛けているからね」と穏やかに笑った。
もちろん積み重ねた努力がある。ここ1年で多くの時間を割いてきたのが、アプローチ練習だった。これまではグリーン周りから代名詞的存在の長尺パターを選択するシーンが多かったが、いまは積極的にウェッジを手に取る。「すごく練習してきた。とてもいいイメージになってきたんだよ」。クロスハンドのアプローチという独特のスタイルが試行錯誤の険しい道のりを物語っている。
今回の優勝で2年連続7度目となるメジャー「全英オープン」(7月/イングランド・ロイヤルバークデールGC)の出場権を獲得した。現在、欧州ツアーのポイントランクは8位で来季の米ツアー出場権を獲得できる10位内(有資格者を除く)の圏内につける「行ってみたいね。そうなるといいなと思っているよ」。世界最高峰のツアーにまで思いをはせる。尽きない挑戦心が進化する44歳の秘訣かもしれない。(岡山県笠岡市/中村文香)