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元世界ランク1位も参考に 下部賞金王・大堀裕次郎のカムバックの秘密

◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 初日(10日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)

10月に閉幕した今季の下部ABEMAツアーで賞金王に輝いた大堀裕次郎が「65」をマークして5アンダー2位で滑り出した。グリーンエッジからパターで12mを沈めた13番から3連続バーディ。17番(パー3)では8mを流し込んでバーディを奪うなど、インで4つ伸ばし、後半アウトは「ラクに回ることができた」と余裕を持ってホールアウトした。

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オフのつもりだった今週は直前に主催者推薦の連絡を受け、急きょ出場が決まった。次週「ダンロップフェニックス」(宮崎・フェニックスCC)への参戦も決まっており、2週前から続くレギュラーツアー4連戦はありがたい限り。チャンスを生かして好発進に成功した。

2014年に鳴り物入りでプロデビューしながら、1Wショットのイップス、右足のけがと苦労が相次ぎ19年にシード落ち。20年に手術に踏み切り、力をじっくり蓄えて、下部ツアーで2勝を挙げて来季レギュラーツアーのシードを獲得した。

緊張してスイング中に切り返しのタイミングがバラつくのが悪い癖。飛躍した今シーズン、それを改善したのは試合期間中にも取り組むようになったウェートトレーニングだったという。元世界ランキング1位のブルックス・ケプカが「試合前にウェートをガンガンして、ある程度の筋肉痛の中でプレーする」という情報も参考に、体にハリを持たせてラウンドするように。「力も抜けるようになって、緊張した場面で距離感をしっかり合わせられるようになった」ことがカムバックにつながった。

悲願のレギュラー初勝利への欲は、まだ顔を出していない。「来年のために、今年やってきたことがどれだけレギュラーで通用するかどうかという気持ちでやっている。気負いもなく、他の選手のプレーも勉強しながら自分をしっかり持ってやるだけ」。10日後に31歳になる。リスタートへの準備を着々と整えている。(静岡県御殿場市/桂川洋一)

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