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2016年 ドイツバンク選手権
期間:09/02〜09/05 場所:TPCボストン(マサチューセッツ州)

開始3ホールで+4 マキロイはパット復調で大逆転V

◇米国男子プレーオフ第2戦◇ドイツバンク選手権 最終日◇TPCボストン(マサチューセッツ州)◇7214yd(パー71)

ロリー・マキロイ(北アイルランド)がトップとの差6ストロークをひっくり返し、米ツアー今季初勝利をプレーオフシリーズで飾った。3日目を終えて単独首位のポール・ケーシー(イングランド)を追い、通算9アンダー7位から出ると7バーディ、1ボギーのベストスコア「65」を叩き出し、通算15アンダーとして逆転でツアー通算12勝目を挙げた。

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悲劇的なスタートからのカムバックだった。マキロイは初日、前半11番でボギー、続く12番ではネイティブエリアに2度打ち込みトリプルボギー。3ホールを終えた段階で4オーバーと後退したところから、懸命に巻き返した。その後4バーディを奪ってイーブンパー「71」でまとめると、2日目「67」、3日目「66」をマークして急浮上。第1ラウンド序盤のつまずきは、終わってみれば派手な逆転劇のスパイスになった。

「信じられないような試合だった。物事がこんなに瞬時に変わるなんて」

米ツアーで未勝利だったマキロイの今シーズンの悩みはグリーンにあった。予選落ちした7月末の「全米プロゴルフ選手権」では10フィート(約3m)以内のパットを2ラウンドで23回も外した。マキロイはその後、ヘンリック・ステンソン(スウェーデン)やルイ・ウーストハイゼン(南アフリカ)が師事するパッティングコーチ、フィル・ケニヨン氏に教えを受け、前週「ザ・バークレイズ」からは、愛用してきたピンタイプのパターをマレットタイプにスイッチ。今大会はそのパッティング改善の過程にあった。

3ホールで4オーバーとした後の初日の「(残り)15ホールがターニングポイントだった」という。試行錯誤に頭をめぐらせ、翌2日目の朝、パターの握りを変えた。「(つまずいても)落ち込むんじゃなくて、我慢することが大切なんだと今週は本当に勉強になった。金曜日(初日)の3ホールを終えた段階で、試合の終わりにトロフィを前にして座っているなんて思わなかった。このコースで(残りの)69ホールで19アンダーを出せたことが誇らしい」と胸を張った。

思えばその2日目の朝、パッティンググリーンで簡単なあいさつを交わしたマキロイの横で、ボールを転がしていたのは松山英樹だった。ふたりは同じような練習器具を使い、ただひたすらに2mあまりのパットを繰り返していた。爆発的なスコアを直後に並べたマキロイがひらめいたのは、そんなときだっただろうか。

長らくパットに悩んできた松山は今週ようやく、わずかでも復調の兆しが見えたことを口にした。「気持ちの部分は大きいですけど、練習でうまくいっていることが、試合でもうまく出せている」。慎ましやかな日々の鍛練は、ひらめきを生み、きっかけをつかむために最低限必要なもののはずだ。(マサチューセッツ州ノートン/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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