ツアールーキーのキム・セヨンが、ベテランを押しのけ単独首位に浮上した(David Cannon/Getty Images)

“逆転の女王”が首位に浮上した――。カリフォルニア州のミッションヒルズGCで開催されている、米国女子メジャー「ANAインスピレーション」の2日目、イーブンパーの26位から出た新人の22歳キム・セヨン（韓国）が1イーグル、6バーディ、1ボギーの「65」の猛チャージで、単独首位に飛び出した。

メジャーの難セッティングに上位勢が苦しむ中、午前8時16分にティオフしたキムは前半に4つのバーディを奪ってスコアボードをじわり浮上。15番までに6つのバーディを奪って首位に立つと、16番でこの日はじめてのボギーを叩いた。

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圧巻のプレーは最終18番。完璧なティショットでフェアウェイを捕らえると、ハイブリッド（ユーティリティ）で放った残り205ydの第2打を、グリーンオンに成功。上りの約2mをねじ込んでイーグルを奪い、2位のモーガン・プレッセルに2打差をつけ、第2ラウンド早々に、首位に名を連ねた。

22歳のルーキーは、参戦2戦目となる今年2月の「ピュアシルク バハマLPGA」で、三つどもえのプレーオフを制してスピード初優勝を飾った大型新人。今季開幕から6戦に出場し、トップ10フィニッシュが3度という破竹の勢いでの登場は、現在世界ランク首位のリディア・コー（ニュージーランド）を彷彿させる。

平均飛距離は270yd（第2ラウンドは257.00）で、韓国ツアー屈指の飛ばし屋というキムだが、今大会で大きな武器となりそうなのが、この飛距離だ。と言うのも、2014年のレクシー・トンプソン、10年のヤニ・ツェン、09年のブリタニー・リンシコムら過去の勝者を見ても、飛距離を持つ選手が多いからだ。

韓国の大手紙・中央日報によると、キムは国内ツアー5勝をすべて逆転勝ちで収め、“逆転の女王”というニックネームがついたとか･･･。ジンクス通りなら、メジャータイトル獲得には、ビッグドライブに加え、もうひとつのマネジメント（順位の調整）が重要かも！？（カリフォルニア州ランチョミラージュ／糸井順子）