4日間「ボギー0」で朴仁妃が今季初優勝 世界トップ3の直接対決を制す
2015年 HSBC女子チャンピオンズ
期間:03/05〜03/08 場所:セントーサGC(シンガポール)
4日間ノーボギーで朴仁妃の稼ぎは“How much !?”
4日間72ホールで15バーディ、ノーボギー。米国女子ツアー「HSBC女子チャンピオンズ」最終日、世界ランク2位の朴仁妃(韓国)は、同1位のリディア・コー(ニュージーランド)、同3位のステーシー・ルイスとの同組決戦になったが、この日も2バーディ、ノーボギーの完璧なゴルフで初日からの首位を守りきった。
誰の目にも圧巻の勝利だったが、朴にとって今大会は苦手意識が強かったという。2008年の第1回大会から出場しているが、最初の5年間は最高で25位。12年の第6回から会場がセントーサGC(それまではタナ・メラCC)に移ったが、その年は37位。昨年4位タイに入ったのがベストフィニッシュで、「このコースはとっても難しいから、アンダーパーで回れたらそれだけで充分」と、大会前にポロリと父にこぼしていたほどだった。
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「よし、じゃあバーディを1個獲るたびに500ドルやろう」と父。「でも、ボギーを打ったらその倍をもらうからな」。
「もし、ボギーを打ったとしても、きっとお金を獲られないと思ったから、その賭けに乗ったの(笑)」と朴。「確かにそれは、ちょっとしたモチベーションになったと思う」と満足そうに振り返った。
序盤で2連続バーディを奪ったコーに並ばれたが、「予期していたこと。この3日間、自分は後半にバーディが来ていたので、自分を信じた」と動じなかった。その一方で、コーは8番から13番までの6ホールで3ボギー、ルイスも10番のボギーで後退。11番以降は常に2打以上の差をキープして、最後までクルージングするかのような落ち着いたゴルフで逃げ切った。
「ティからグリーンまでは10点満点。自分より良いプレーをしていた人がいるとは思わない。でも、グリーン上はよっぽど他の人の方が良かった。毎日12個くらいチャンスがあったけど、それを半分も決められなかった。勝つには充分だったけど(笑)」。
世界ランク1位の座をこの2月にコーに明け渡したが、その奪回に向けて今週は大きな自信になったという。「これまであまりリディアと一緒に回ったことはなかったけど、彼女はミスをしないものだと思っていた。でも、今日は彼女がミスするのを見たし、彼女も人間なんだということが分かった。そういう意味では少し余裕ができたと思う」。
シーズンはまだ始まったばかり。「これからも、たくさんリディアと一緒にプレーすることになると思う」と朴は言う。メジャー優勝、世界ランク1位を懸けた戦いはますます熱くなっていくはずだ。「それにしても、まだお酒も飲めない人とプレーしているなんて、信じられないけど」。18番グリーンで祝福のシャンパンを浴びたウィナーが、なんとも大人に見えた瞬間だった。(シンガポール・セントーサ/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka