馬場咲希「ここまで悩んだことはなかった」苦悩の2年目も変わらないもの
◇国内女子◇樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 事前(29日)◇武蔵丘GC(埼玉)◇6690yd(パー72)
苦しい時ほど、視線を下げない。馬場咲希にとって、米ツアー本格参戦2年目は、そんなシーズンだったのかもしれない。いま出場が確定している大会は、国内ツアースポット参戦の本大会と、11月12日開幕の「アニカ driven by ゲインブリッジ」(フロリダ州ペリカンGC)の残り2試合。シーズン終盤を迎えたいま、率直な思いがある。
「今年のはじめから、ショットがあまり良くなくて悩んでいた。なんかここまで悩んだことって、今までなかったんです」。天真爛漫という言葉が似合う21歳が、飾らない言葉で心の内を明かした。
参戦1年目の昨季に4度果たしたトップ10入りは、今季ここまで一度もない。5戦連続の予選落ちを喫した時期もあった。成績だけを見れば、厳しいシーズンだった。今月には、来季の米ツアー出場権を争う11月の最終予選会(Qシリーズ)へのエントリーを見送ったことを明かした。「アニカ――」の1試合で、年間ポイントランク125位から、限定的な出場権が得られるトップ100以内を目指す。文字通り、生き残りをかけたラストチャンスとなる。
それでも、決して歩みを止めたわけではない。日本で試合に出場しなかったこの1週間も、1日たりともクラブを握らない日はなかった。早朝午前5時に練習を始め、深夜の午後11時まで自分のスイングと向きあった日もある。
2022年「全米女子アマチュア選手権」を制して一躍脚光を浴びた。その華々しい経歴から、世界最高峰の舞台まで、とんとん拍子に駆け上がってきたように見られることもある。けれど、実像は異なる。
2024年に過酷な米下部ツアーを1年間戦い抜き、最終予選会を突破してLPGAツアーカードをつかんだ。下部ツアー時代、1年の米国転戦でのオフは登山に出かけた1度だけ。観光を楽しむこともなく、移動日以外は練習場へ向かう日々を送ってきた。もともと、“練習の虫”なのだ。
「ゴルフがすごく難しく感じる…。でも、そうやって練習していれば良くなると思っているから。うん。それを、信じて練習を続けていこうと思っている」
だから、思うように結果が出ない今季も、やることは変わらない。この日も、プロアマ戦で18ホールを終えると、その足で練習場へと向かった。打席に立ち、黙々とボールを打ち続けた。
本大会は2024年以来、2年ぶり2度目の出場。前回は39位フィニッシュだったものの、初日に「66」をマークして2位発進した記憶が残る。「コースもすごく覚えているし、初日に良いスタートができていいイメージもある。すごく楽しみ」
苦しみながらも、クラブを握り続けた。その先に、結果につながると日が来ると信じている。国内ツアーでのスポット参戦を終えれば、米ツアーでは残り1試合。21歳にとって、今大会は来季につなげるための大事な3日間にもなる。(埼玉県飯能市/中村文香)