古江彩佳が来季米ツアー出場権をかけた予選会にエントリー
2021年 富士通レディース 2021
期間:10/15〜10/17 場所:東急セブンハンドレッドC(千葉)
史上5度目の異例プレーオフ 過去には“優勝者2人”の記録も
◇国内女子◇富士通レディース 最終日(17日)◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6679yd(パー72)
降雨によるコースコンディション不良で最終日の競技が中止となった「富士通レディース」。午後の回復を見込んで雨の中、優勝者を決定するために予選ラウンドを終えてトップに立つ勝みなみと古江彩佳の2人によるプレーオフが行われた。記録が残る1988年以降の女子ツアーでは史上5度目となった。
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「プレーオフ」と聞けば、1ホールごとのサドンデスを思い浮かべる人も少なくはないはず。勝を下して今大会を制した古江はプレーオフ自体を予想していたものの、16番から18番まで3ホールのストロークプレーでの実施を知って「驚きました」と目を丸くした。
過去、直近の事例は8年前の2013年9月「日本女子プロ選手権大会コニカミノルタ杯」(北海道・恵庭カントリー倶楽部)。荒天により最終日の競技が中止となり、首位に並ぶイ・ボミ(韓国)と比嘉真美子が直接対決。16番(パー3)、15番(パー4)、16番と3ホールのストロークプレーで決着がつかず、サドンデスに突入した。
稀有な経験をした古江は「1ホールだけじゃなくて3ホールという緊張感がある」と独特な空気感だったという。「落とせないし、でも獲らないといけない。また違ったプレーオフだったと思うので緊張はすごくあったかな」と振り返った。
では、複数選手がトップで並んで迎えた最終日が中止となり、天候の回復が見込まれない場合はどうなるのか? 過去の記録を日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)公式サイトで紐解くと、1990年「東海クラシック雪印レディース」のリーダーボードには鈴木志保美と柴田規久子の横に「優勝」の文字がある。ツアー関係者によると、最終日は台風が接近したことでプレーオフも行えず、「2人優勝」で閉幕したという。
頂点を決める試合で優勝者1人は、あるべき姿なのかもしれないが、世界的な気候変動が起きているなか、今後は天候次第で優勝者2人という“平和的解決”の可能性も考えられるのではないか、と思ったのは私だけだろうか。ただ、そうなったら折半できない副賞などの行方が気になってくるけれども。(千葉市緑区/石井操)
【最終日が中止でプレーオフ実施トーナメント】※1988年~ツアー制度施行後
1991/フジサンケイレディス/ファイブハンドレッドクラブ(静岡)/雨/2人でPO
1995/フジサンケイレディス/ファイブハンドレッドクラブ(静岡)/濃霧/2人でPO
2007/スタンレーレディス/東名カントリークラブ(静岡)/台風/3人でPO
2013/日本女子プロ選手権大会コニカミノルタ杯/恵庭CC/荒天/2人でプレーオフ
2021/富士通レディース/東急セブンハンドレッドクラブ/悪天候/2人でプレーオフ
石井操(いしいみさお) プロフィール
1994年東京都生まれで、三姉妹の末っ子。2018年に大学を卒業し、GDOに入社した。大学でゴルフを本格的に始め、人さまに迷惑をかけないレベル。ただ、ボールではなくティを打つなどセンスは皆無。お酒は好きだが、飲み始めると食が進まないという不器用さがある。