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和合攻略の十人十色 孔明、勇太、藤田の場合

国内男子ツアー史上、パー4でホールインワン(アルバトロス)が達成されたのは、名古屋ゴルフ倶楽部和合コースの1番ホール(370yd)での1回だけ。1998年の「中日クラウンズ」2日目に中嶋常幸が記録した事実でも分かるように、飛距離のある選手ならば、ティショットで左にドッグレッグしながら打ち下ろしていくグリーン付近まで運ぶことができるホールだ。

今年、小田孔明はこのホールのティショットに3Wを選択した。「1番で1Wを握らなかったのは何年ぶりかなっていうくらい。今週は悪くても良くても、コースマネジメントをして回ろうと決めていた」と小田は言う。「ここは悪くなって1Wを持つと、はまっていくコースだからね」。

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実際、パー3を除く14ホール中、小田がティショットに1Wを使うのは5~6回。刻む際は「3Wで中途半端にするのではなく、5Wや3Iでしっかり刻む」と徹底している。「なぜなら、勝ちたいから。ここはコースマネジメントが本当に良い人が勝つだろうから」。昨年未勝利に終わった小田は、勝利への飢えを隠さない。「早めに勝ちたい。勝てばいろんなゴルフができる。自信をつかむには早く勝つこと」。だからこそ、はやる気持ちにブレーキも掛けられる。

一方、2週連続優勝を目指す池田勇太は、少し考えが違っている。「俺は先週の方がフェアウェイにあった方がいいと思った。ここは刻んでフェアウェイから打つのもいいけど、近くまで行っちゃって、短いクラブでラフから打つのもいいんじゃないかと思う」と、2010年に世界最少「58」ストロークを記録した1W+SWで攻略していく石川遼スタイルも、含みとして考えている。

「調子は悪くないし、雨のおかげでグリーンも軟らかくなっているから」という池田を取り巻く状況も、攻略バリエーションを広げている要素だろう。

その2010年に2位に入った藤田寛之は、和合攻略にはやはり慎重な姿勢を崩さない。「あんな(石川のような)スペシャルなことをできる人間はいない。1Wの正確性とウェッジコントロールが最終ラウンドにはまったということ」と、コツコツをフェアウェイに置いていくスタイルを貫いている。「でも自分の場合(10年以降)アメリカに行くようになって高い球とか飛距離を追求して、低いフェードをあまり打たなくなったことで難しくなってきたけど…」。

さて、今年の優勝者はどんな作戦で和合を攻略するのだろう?(愛知県東郷町/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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2016年 中日クラウンズ

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