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“アマチュアゴルファー世界一” 中島啓太の自覚と焦燥

2021年8月18日付けの世界アマチュアランキングで1位となった中島啓太は、前年の金谷拓実に続き日本人として2年連続で、アマチュアゴルファー世界一の称号“マーク・マコーマックメダル”を授与された。それにより22年「全米」、「全英」両オープンの出場権を獲得したが、その小さなメダルがもたらしたものは、そんな名誉や喜びだけではない―。

日体大3年生として迎えた今シーズン、中島は4月の国内ツアー「東建ホームメイトカップ」で、金谷拓実との優勝争いの末に2位となった。6月の大利根CCでは、悪天候のため54ホール競技に短縮された「日本アマチュア選手権」を初制覇。同大会で過去3度(不成立となった2018年大会も含めると4度)の2位がある中島にとっては、どうしても手に入れたかった“日本一”のタイトルだった。

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8月、中島は満を持して米国ペンシルベニア州オークモントCCで行われた「全米アマ」に乗り込んだ。大会は2日間のストロークプレーによる予選のあと、64人がマッチプレーに進出する。初日に「80」をたたいた中島は、2日目は「71」と粘ったものの、通算11オーバー214位タイと低迷して、予選であえなく姿を消した。

練習ラウンドが雷で中断となり9ホールしかできなかったことや、同組で回った世界ランク2位と3位の選手も予選落ちに終わるなど、条件に恵まれなかった不運もある。だが、結果がものをいう世界。「準備不足でした。自信も自覚も足りなかった」と言い訳はしなかった。“マーク・マコーマックメダル”獲得が決まったのは、その翌週のことだった。

うれしさがある半面、複雑な思いもあった。「自分は海外での実績がない。松山さんや金谷さんのように世界で結果を残したい」という願望が、焦りとともに膨らんだ。

2022年8月には世界ランキングの見直しが実施される。まだ、世界アマチュアランキングに改変の動きはないが、たとえば今年の「全米アマ」優勝は24.9405ポイントで、「東建」2位はそれを上回る27.6302ポイントだった。国内のプロツアーでポイントを重ねてきた中島と、米国内のアマチュア大会でしのぎを削ってきたライバルたち。その力は、正確にランキングに反映されているのだろうか?

今週から、国内ツアー「パナソニックオープン」、「バンテリン東海クラシック」に出場する中島だが、「その試合のためのコースマネジメントはしないです」と宣言する。目先の攻略を考えれば、1Wで低いコントロールショットを打ったり、3Wで刻んだりした方がスコアはまとまる。だが、それでは世界に出たときに通用しないという考えがある。見据えるのは、もっと先にある栄光だ。

「松山さんや金谷さん、それに畑岡さん、笹生さん、渋野さんや川村さん。海外で結果を残している人は、本当にすごいです」と憧れる。中島も2018年に「オーストラリアンアマチュア選手権」を制しているが、まだ足りない。

直近のターゲットは、「絶対に勝ちたい」という11月の「アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権(UAE・ドバイ)」。もし、その試合に勝つことができれば、2022年は「マスターズ」、「全米オープン」、「全英オープン」に参戦するビッグイヤーとなる。

越えるべきライバル不在の国内で、いかに自分を高めていくか。たった一人で、世界に通用する「自信と自覚」を固めることは容易ではない。あの小さなメダルすら、手元にはまだ届いていないのだ。頼れるものは、胸に刻んだ悔しさと、夢想する未来の姿。再び世界の舞台に立ったとき、同じ反省をするつもりはない。(編集部・今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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