金メダルとメジャートロフィー 勝者ローズ「比較されるべきじゃない」
2016年 リオデジャネイロ五輪
期間:08/11〜08/14 場所:オリンピックゴルフコース(ブラジル・リオデジャネイロ)
ローズが金メダルに輝く 「ステンソンに打ち勝つと、自分に言い聞かせた」
リオデジャネイロ五輪の男子ゴルフ競技は、ヘンリック・ステンソンとの激闘を制した英国のジャスティン・ローズが金メダルに輝いた。
オリンピックでのゴルフ競技は112年振りの復活。ブラジルでの最終日の熱戦は、長い期間を経て復帰したゴルフの真価を見せつけただろう。
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ローズは1打差の単独首位で最終日を迎えたが、一進一退の攻防を経て、最終組で同組の2人が18番のティに立ったときは通算15アンダーで並んでいた。
パー5の最終ホールでは、2人とも2打目をグリーンの手前まで運んだ。ステンソンは3打目をピンから7メートルと寄せ切れず、そこから3パットのボギーとした。ローズは3打目をピン側60センチに寄せてバーディを奪い、最終日を「67」として2打差でステンソンを振り切った。
銅メダルは、最終日を「63」で回った米国のマット・クーチャーが獲得した。
ステンソンにとっては、最終日に優勝を懸けた一騎打ちに臨むのは、「全英オープン」以来。最終日に「63」をマークしてフィル・ミケルソンを打ち破り、メジャー初制覇を遂げていた。
ステンソンはリオでの4日間を「66」、「68」、「68」、「68」でラウンドした。だが、クラレットジャグに続き金メダルを獲得することは叶わなかった。
ローズは2013年のメリオンで「全米オープン」を制したメジャー王者だった。ヨーロピアンツアーを代表する2人の名勝負で、ハリー・バードントロフィーに加え金メダルを獲得した。
これで2人はヘイゼルタインでの「ライダーカップ」防衛に向かうことになる。グレンイーグルスで開催された前回大会では、2人はペアを組んで3戦3勝と絶妙なコンビプレーを見せている。
「今日はとにかくステンソンに打ち勝たなければと自分に言い聞かせたんだ」とローズ。「彼が自ら後退することはないと分かっていたからね。あの最終ホールのボギーだって、パットを入れに行かなければならなかった結果だからね」。
「でも、彼は信じられないくらいすばらしい選手。手強く、偉大な選手だし、『ライダーカップ』で同じチームになるのが待ち切れない。彼は最高の選手であり、最高の友人でもあるから、18番のグリーンでは彼をハグしたんだ。彼はこれまでにないほど潔くて優しかったよ」。
「とてつもなくすばらしい心持ちだね。今週はずっと集中していたんだ。完全に没頭していたね。かなり意気込んでいたんだ」。
「英国チームを代表してベストを尽くすことに断固たる決意を持っていた。これまでで最もすばらしい1週間だった」。
最終組の2人はパー5の1番を共にバーディとすると、2日目に32メートルのパットを決めたステンソンが2番で12メートルのパットをねじ込んで首位に並んだ。
しかし、ローズも続く3番で2打目をピン側2メートルにつけてこの日2つ目のバーディを奪い、応戦した。
パー5の5番をお互いにバーディとして迎えた7番で、ローズがグリーンをオーバーしてパーセーブに失敗。再び2人が首位で並ぶ展開になった。
8番では、36歳のローズが応戦。ティショットをピン側2メートルにつけ、バーディを奪って再び通算15アンダーまで伸ばした。
その後も一進一退の攻防を繰り広げる中、ステンソンはパー5の10番でバーディを奪ってローズに並ぶと、13番ではローズがガードバンカーからのパーセーブに失敗した。ステンソンは残り5ホールで単独首位に立っていた。
クーチャーは5番、6番、8番、そして9番とバーディを奪って銅メダル争いに名乗りを上げると、2打目をピン側4メートルにつけたパー5の10番でイーグルを奪い、3位の大本命となった。クーチャーは15番でもバーディを奪うと、ティショットをピン側1メートルにつけた17番でもバーディを奪い、通算13アンダーとして最終ホールを迎えた。
ステンソンはグリーンを外したパー3の14番でこの日最初のボギーを叩くと、同ホールでローズがバンカーからのパーセーブに成功し、再び最終組の2人が首位を分け合う展開となった。クーチャーはこの時点で首位からわずか1打差まで迫った。
38歳のクーチャーは最終ホールをパーとしてクラブハウスターゲットを定めたが、ローズは15番で2メートル弱のバーディパットを沈めて再び一歩リードすると、続く16番ではステンソンがバーディを奪い、両者が並んで最終ホールを迎えることとなった。
4位には最終日「65」をマークしたベルギーのトーマス・ピータースが入り、その1打後方にはスペインのラファ・カブレラベロー、豪州のマーカス・フレイザー、そしてタイのキラデク・アフィバーンラトが続いた。
その他、トップ10には通算7アンダーで4日間を終えたスペインのセルヒオ・ガルシア、アルゼンチンのエミリアーノ・グリージョ、そして米国のバッバ・ワトソンが入った。