キレそうでキレない岩田寛「ぼくは幸せ者です」
マクドウェルが首位堅持、岩田が1打差に迫る
上海で開催されている「WGC HSBCチャンピオンズ」は、引き続きマクドウェルが首位に立つが、後続との差が縮まった状況で最終日を迎える展開となった。
北アイルランドのマクドウェルは初日と2日目をともに「67」でラウンドし、3打差の首位に立っていたが、3日目は「71」。世界ゴルフ選手権デビューを果たした岩田寛が「68」でラウンドし、かつての「全米オープン」王者のリードは1ストロークに縮まった。
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通算11アンダーのマクドウェルは、18番で6メートルのバーディパットを決めた岩田に1打差をつけて首位に立つ。現「全米オープン」王者のマーティン・カイマーと現「マスターズ」王者のバッバ・ワトソンが、通算9アンダーの3位につけている。
「今日はそれなりに堅調なプレーだった」とマクドウェル。「コンディションは若干難しくなったと思った。寒かったし、昨晩の雨でコースの実質的な距離が長くなっていたからね」
「ショットについては大体満足している。昨日までの2日間ほど良いスコアではなかったけれど、ショットという観点からは、明日もきっちりやるべきことはできるという自信を得たよ」
「正直に言うと、3打差のリードが1打差に縮まったわけだけれど、どの大会であれ、この位置をオファーされたのであれば受けるよ。自分の楽しめるゴルフコースで、1打差の首位で最終日に臨めるのだからね。明日の優勝を狙える機会を楽しみにしているよ」
「終盤はほんの少しネガティブな気持ちになっていたかもしれないけれど、今日のラウンドを振り返ってみると、難しいものだったといえるね」
ワトソンは2番と3番でバーディを奪取。608ヤードの8番で2打目がカップをかすめて惜しくもアルバトロスを逃し、返しの1.5メートルのイーグルパットを外してバーディとした時点では、マクドウェルに一番近い位置につけていた。
しかし、飛ばし屋のレフティは10番で大きな代償を払わされるミスを犯した。グリーンを狙った簡単なショットをミスしてバンカーに捕まると、そこからのショットはピンから12メートルまでしか寄らず、3パットしてダブルボギーを叩いた。
12番でボギーを喫した後、3パットのボギーとした17番を除く上がり5ホールで4つのバーディを奪った。
マクドウェルは2位につける岩田のことを今週まで知らなかったと認めたが、世界ランキング127位の岩田は、母国の日本ではよく知られた存在だと明かした。
「自分は短気なところがあるので、自分自身に怒りを感じ過ぎないようにすることに常に集中しています」と岩田。「今はそれがとてもうまくいっていると思うので、このまま持続させたいですね」。
普段は怒りっぽいのかと問われた岩田は「僕は日本ではそれで有名なんですよ」と答えた。
このコースでの過去の記録を考えると、全米オープン王者のカイマーがマクドウェルにとって最大の脅威と言えるだろう。ドイツ出身のカイマーは3年前に最終日を「63」でラウンドして大会を制し、「62」のコースレコードも保持しているのだ。
「ようやく今日はパットが決まり始めて良かった」と29歳のカイマー。「66」はこの日のベストスコア。「初めの2日間も良いプレーをしていたけど、パットが若干冴えていなかった」。
「今日はいくつか中距離のパットが決まったし、ボギーも一つだけだったから、良い位置につけられたと思うよ」
「勝つにはグレームの協力が必要になるわけだけれど、僕はすごく良いプレーができているし、僕にできるのはそれだけだからね」
世界ランク10位のリッキー・ファウラーと南アフリカのティム・クラークが首位から3打差の通算8アンダー。昨年この大会2位のイアン・ポールターとデンマークのトービヨン・オルセンがさらに1打差でつけている。ポールターは折り返し時点では2位につけていたが、その後はスコアを伸ばせず、3日目を「72」で終えた。