今度は欧州ツアー!谷原秀人が高額賞金シリーズ1戦目に出場
2017年 BMW PGA選手権
期間:05/25〜05/28 場所:ウェントワースC(イングランド)
BMW PGA選手権の大会アラカルト
欧州ツアーのフラッグシップ大会の「BMW PGA選手権」が開幕のときを迎える。同大会はヨーロピアンツアーに新しい時代の幕開けを告げる「ロレックスシリーズ」の初戦であり、新たに改修されたウェントワースのウェストコースで開催される初の大会だ。それでは、ウェントワースのショーケースにまつわる全ての重要なスタッツと詳細を見ていこう。
2016年大会を振り返る
1年前の「BMW PGA選手権」は、堂々たるパフォーマンスでスウェーデンのリカルド・カールベリに1打差で競り勝ったクリス・ウッドがヨーロピアンツアー3勝目を挙げた。同大会ではイングランド人として4年振り、通算22回目の勝利だった。
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3打差の首位で最終日を迎えたウッドは、1イーグル、4バーディと、金曜に同郷のダニー・ウィレットがマークしたフロントナインの歴代最小スコアに並ぶ「29」をマークする絶好のスタートを切った。
ウッドにとって最大の脅威だったカールベリは、1番こそボギーを叩くも、2番でホールインワンを達成すると、続く2ホールで連続バーディを奪うロケットスタートを切った。
ホームギャラリーの大声援が地元ウッドの背中を後押しするなか、ウッドは14番からの4ホールでボギーを3つ叩いて自らを不安定な立場に置いた。
しかし、彼は最終ホールを危なげなくパーとし、最終日を「69」の3アンダーで回って1打差の勝利と飾り、ヘイゼルティンで開催される2016年「ライダーカップ」での欧州代表デビューを確定させたのだった。
フィールド
「ロレックスシリーズ」初戦の舞台となる誉れ高いウェントワースには、ルーク・ドナルド、アーニー・エルス、マルティン・カイマー、そしてリー・ウェストウッドといったかつての世界ナンバーワン4人を含むスター選手が勢揃いする。
今大会のフィールドには、「全英オープン」王者のヘンリック・ステンソン、そして世界8位のジャスティン・ローズを始めとする数多くのかつてのメジャー王者や「ライダーカップ」のスター選手が名を連ねており、強豪揃いのラインナップとなっている。
アレックス・ノレンとティレル・ハットンはこの1年間で公式世界ゴルフランキングを大幅に上げているが、今季はこれまで未勝利とあり、鼻息は荒い。一方、昨年3位に入ったウィレットは2016年の「マスターズ」以来の勝利を狙っている。
先頃、米PGAツアーの「プレーヤーズ選手権」で2位と見事なパフォーマンスを見せ、間近での大会出場を決めたイアン・ポールターは、「BMW PGA選手権」初制覇へ向け、地元ファンの期待値を高めることになった。
今大会には、マシュー・フィッツパトリック、トーマス・ピータース、アンディ・サリバン、そしてディフェンディングチャンピオンのウッドが出場するため、昨年、ヘイゼルティンで欧州を代表してプレーした12選手のうち9選手がティアップすることになる。
コース
今大会は歴史ある「BMW PGA選手権」が、英国で最も高名なコースのひとつであるウェストコースの改修後に初めて開催される大会となる。
今回の改修は、ヨーロピアンツアーの選手たちによる意見を取りまとめたトーマス・ビヨーンとポール・マッギンリー、そしてウェントワースのコース管理の責任者であるケニー・マッケイがアドバイザーとなり、アーニー・エルス設計事務所とヨーロピアンゴルフ設計がコースデザインを手掛けた。
パッティング面の外観と純度を高めるべく、全てのグリーンは全面的に新しいベント芝に張り替えられた。
8番、11番、14番、そして16番の4ホールはグリーンが完全に再形成され、3番、4番、5番、12番、そして15番の5ホールはグリーンが部分的に再造成された。また、全てのグリーンにサブエアーシステムが導入され、より速くより硬いグリーンが実現したほか、最新の灌漑及び排水システムも導入されている。
今回の改修では、全バンカーも再設計と再造成されるなか、コース設計者のハリー・コルトが設計当初に描いていた姿にコースを近づけつつ、現代ゴルフのニーズを満たすため、29個のバンカーが完全に取り除かれた。
改修工事はイングランドのクリス・ウッドが昨年の大会を制した8日後に始まり、今から3週間前にようやく選手たちが新しいレイアウトでプレーできる運びとなった。これまでプロやメンバーからは大好評を博しており、今週の大会へ向け期待は高まる一方だ。
トリビア
・1955年以来、「BMW PGA選手権」は46人の異なるチャンピオンを生み出しており、その国籍は14カ国となっている。
・ウェントワースのウェストコースで「PGA選手権」が開催されるのは今回が37回目であり、同コースでは1984年から34回連続で開催されている。
・クリス・ウッドによる昨年の勝利は、彼にとってヨーロピアンツアー3勝目であり、キャリア最大のタイトルとなった。
・ウッドがタイトル防衛に成功すると、サー・ニック・ファルド(1980-81年)、コリン・モンゴメリー(1998、99 及び2000年)、そしてルーク・ドナルド(2011-12年)に続く、同大会を連覇した4人目の選手となる。
・2015年大会にアン・ビョンフンのマークした通算21アンダーがこれまでの最小優勝スコアとなっている。
・アンは、バーナード・ギャラハー(1969年)、そしてスコット・ドラモンド(2004年)に続く、ルーキーで大会を制覇した3人目の選手となった。
・ロリー・マキロイは最終日に7打差を逆転して2014年大会を制したが、これは2010年のサイモン・カーンと並ぶ大会記録である。
・今週は昨年の「ライダーカップ」欧州代表の12人中9人がティアップする。
・今週のフィールドには、その代表を率いたダレン・クラークに加え、前任者のポール・マッギンリー、そして後任者で2018年のキャプテンであるトーマス・ビヨーンも名を連ねている。全体では、26人の「ライダーカップ」出場経験者が今大会でプレーをする。
・今週出場する「BMW PGA選手権」の優勝経験者は、ウッド(2016年)、アン(2015年)、マッテオ・マナッセロ(2013年)、ドナルド(2011-12年)、そしてデビッド・ハウエル(2006年)の5人。
・マナッセロはカーンとマーク・ウォーレンを4ホールに及ぶプレーオフの末に下して2013年大会を制したが、これは大会史上最長のサドンデスプレーオフとなった。
・今大会には4人のかつての世界ナンバーワン(ドナルド、エルス、マルティン・カイマー、リー・ウェストウッド)が出場。4人が世界のトップに君臨した期間の合計は95週となる。
・今週は、合算すると15のメジャータイトルを獲っている9人のメジャー王者がティアップする。また、世界のトップ25から7選手が今大会に出場する。