ファウラーが欧州ツアー初優勝で「全英」に弾み
2015年 アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン
期間:07/09〜07/12 場所:ガレインGC(スコットランド)
手に汗握る接戦を制したファウラー
最終ホールでバーディを奪った米国のリッキー・ファウラーが同胞のマット・クーチャーを退け、手に汗握る展開となった「アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン」を制した。
最終日の14番ホールでボギーを叩いた時点で首位から2打ビハインドだった世界9位のファウラーは、ガレインで今季2度目となる終盤の素晴らしいチャージを披露した。
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15、16、そして18番でバーディを奪って通算12アンダーとしたファウラーは、「ライダーカップ」でチームメイトだったマット・クーチャーから勝利を奪い取ることに成功した。
これは26歳のファウラーが5月にソーグラスで開催された「ザ・プレーヤーズ選手権」で見せた、上がり6ホールを6アンダーで回り、終盤4ホールを大会記録となるバーディ、イーグル、バーディ、バーディの、わずか11打で上がったパフォーマンスを彷彿とさせる光景となった。
最終日を「68」でラウンドし、通算11アンダーとしたマット・クーチャーがクラブハウスリーダーに立つと、その4時間前に最終日を「64」でラウンドして、通算10アンダーで暫定首位に立っていたスコットランドのマーク・ウォーレンの望みは断たれることとなった。
ファウラーはティショットがフェアウェイバンカーに捕まった14番でこの日2つ目のボギーを叩くも、続く15番で3メートルのバーディパットを沈め、パー5の16番では2パットのバーディを奪うと、最終ホールでは2打目をピン側60センチにつける美技を見せ、逆転に成功した。
これにより最終組でラウンドしたフランスのラファエル・ジャクランは、勝負をプレーオフへ持ち込むには、18番の2打目をホールインさせることが必須となり、そのジャクランの放った2打目は、バックスピンでホールに向かいながらもボールはあと数十センチというところで止まり、ファウラーを捕らえることはできなかった。
今大会では、まだ「全英オープン」の出場権を手にしていない上位3名の選手に出場枠が用意されており、ジャクラン、最終日を首位で迎えたダニエル・ブルックス、そしてスウェーデンのリカルド・カールバーグに「全英」出場権が与えられることとなった。
ファウラーはこの優勝により、来週セントアンドリュースで開催される今季3戦目のメジャーにおいて、「スコットランドオープン」と「全英オープン」で2週連続優勝を果たした同胞のフィル・ミケルソンの偉業の再現を狙うことになる。
「フィル(ミケルソン)がここで勝てば、来週も大いにチャンスがあると言っていたから、あとはその任務を遂行するだけだね」とファウラー。
「なぜリンクスゴルフが自分に合っているのか分からないけれど、リンクスは僕の一番のお気に入りなんだ。日によってプレーの仕方が全く変わるし、常に新しい挑戦があるからね。今週のガレインは良い試練となったよ」
「これは特別な勝利。終盤にかけて素晴らしいプレーができたし、最高の1週間になった」
「今晩はこの優勝の余韻を噛み締め、その上で来週へ向けて仕切り直しだね」
「この優勝は大きい。『ザ・プレーヤーズ』で勝った後、残念ながら何度か予選落ちがあったから、また調子が戻って来たのを感じられるのは良い心持ちだ」
「死力を尽くさなければならなかったね。14番でのボギーはちょっとしたつまずきだったけれど、終盤に向けてバーディを奪えるホールがあるのは分かっていたからね。今週はラスト4ホールを良い感じでプレーできていたし、幸いにも14番は代償とならずに済んだね」
昨季、メジャー4大会全てでトップ5入りを果たしたファウラーは、「来週へ向け、いくつか研ぎ澄ませる部分はあるけれど、ゴルフ発祥の地であるセントアンドリュース再訪を楽しみしているし、あそこで優勝争いに加わることを楽しみにしている」と述べた。
ジャクランはセントアンドリュース行きを決めたこと、そして自身の復調ぶりに胸を躍らせた。
「素晴らしいプレーができたし、自分のゴルフには満足している」とジャクラン。彼は先週の「フランスオープン」で予選通過を果たすまで、5戦連続で予選落ちを喫していた。
「ここ3ヶ月間は良いプレーができていなかったので、トロフィーを獲りたいとは思っていたけれど、2位には満足しているよ」
「ベストを尽くしたし、最後は良くやったね。最後のショットはホールインを狙って打ったんだ。入りそうになったね。全力を出し切ったよ」
ジャクランに輪をかけて良くないシーズンを過ごしてきたブルックスは、先週パリで20位に入るまで、13戦連続で予選落ちしていた。
「全体として良い1週間だったし、素晴らしいゴルフができたね」と、世界528位のブルックス。「週末はそこまで伸ばせなかったけれど、ここ2日間は信じられないほどのパーセーブがあったんだ。『全英』行き最後の一枠を手にすることができ、天にも昇る心地だよ」
「ここ数ヶ月は調子が悪く、タフな期間だった。でも、ここ数週間は上手くいっている」
2012年と昨年の2014年、この大会で3位に入っているウォーレンは、三度目の正直に向け期待を膨らませたが、最終的に彼のトータルスコアはかわされることとなった。
「良いラウンドになりそうな予感はあったし、バックナインで波に乗り、それが現実となったね」とバックナインを「30」でラウンドしたウォーレンは語った。