伊藤誠道 予選落ちも“成長の糧”
2014年 ハッサンII ゴルフトロフィー
期間:03/13〜03/16 場所:ゴルフ・ドゥ・パレロイヤル(モロッコ)
モロッコで引き続き輝きを見せるカニサレス
欧州ツアー初優勝から8年。アレハンドロ・カニサレスはそれ以来となる勝ちどきをあげるべく、「ハッサンII ゴルフトロフィー」を単独首位で折り返し、週末の決勝ラウンドを迎える。
カニサレスは正規メンバーとしてツアーに参戦した3戦目の2006年に開催された「ロシアオープン」で優勝を飾った。しかし、それ以降は200を越える大会に出場していながら2個目のトロフィーを獲得するには至っていない。
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2014年に入り、既に2度のトップ10入りを果たしているカニサレスは、最終日に最終組の一つ前の組で世界ナンバーワンのタイガー・ウッズとラウンドし、力強いパフォーマンスを見せた昨年の「トルコ航空オープン」で自信を取り戻したと明かした。
「僕を覚えてくれていてありがとう!」と、前回の優勝から経過した時間について話が及んだ際にカニサレスは戯けてみせた。
「気分は最高だよ。間違いなく自分のゴルフはできているから、後は全てがピタッとはまればいいだけだね。考え過ぎることなく事の成り行きに身を任せれば、週末は楽しめるようになるんじゃないかと思っている」。
「世界最高の選手と一緒にプレーした時はすごく刺激を受けたね。ああいった経験からは学習あるのみだから」。
初日は風の強まった午後のラウンドだったにもかかわらず、カニサレスはアガディールにあるゴルフ・ドゥ・パレロイヤルを11バーディ、1ボギーと瞠目の「62」でラウンドし、イングランドのセベ・ベンソンに1打差をつけて単独首位へ躍り出た。
2日目に入り、初日をノーボギーの「63」で回ったメジャー5勝のセベ・バレステロスに由来する名前を持つベンソンは午前中のラウンドで一時的に首位に立つ事もあったが、最終的にはカニサレスが再び僅かなリードを取り返した。
1番でバーディを奪いながらも2番のボギーで相殺となり前半を「36」で折り返したカニサレスは、続く7ホールで6つのバーディを奪った。ただし、その7ホールで唯一バーディを奪えなかった13番では長い距離を3パットしてしまいボギーを叩いている。
17番でフェアウェイバンカーに捕まったカニサレスはここでも再びボギーを叩いてしまったが、2日目を「68」でラウンドし大会を通算14アンダーで折り返した。同じく2日目を「68」でラウンドしたベンソンに1打差をつけ単独首位に立っている。
「確固たる自信があったので考え過ぎずに、自然と自分のゴルフに身を任せれば良かった」とカニサレス。「パターが今ひとつ冴えなかったところもあったけれど、バックナインではその冴えを取り戻した。17番はバーディが狙えるだけにボギーとしてしまったのは残念だったけれど、全体的には首位に立っているので満足しているし、週末へ向け胸は高鳴っているよ」。
チャレンジツアーで3勝を挙げている27歳のベンソンは欧州ツアー初優勝を狙っており、今大会では36ホールを終えた時点でボギーは僅か一つのみである。
ベンソンはこう述べた。「序盤のタフなホールも勢いを保ったまま切り抜けることができたので、その後は少しだけ勢いを加速することができた。今日は前半の8ホールか9ホールは風がない状態で、昨日とは全く違ったゴルフコースになっていた。後半に入ると少し風が出てきたけれど、昨日とは比べるまでもないから、今日の方が格段にやり易かったよ」。
3位には2日目を「67」でラウンドし通算9アンダーとしたスペインのラファエル・カブレラベローがつけた。前半を僅か「30」で折り返し、さらにスコアを伸ばすものと思われたが、後半に入り5番と7番でボギーを叩いてしまい、前半の勢いが削がれてしまった。
2011年にこの大会を制しているイングランドのデビッド・ホージーは2日目のベストスコアとなるノーボギーの「64」でこの日のラウンドを終え、通算8アンダーとしてスウェーデンのマグヌス・カールソンと米国のコナー・アレンデルと並び4位タイで3日目を迎えることとなった。