D.リンが9シーズンぶりツアー通算2勝目
2013年 ポルトガルマスターズ
期間:10/10〜10/13 場所:オセアニコ ビクトリアGC
最終日ベストスコアをマークしたリンが優勝
イングランドのデビッド・リンは、オセアニコ・ビクトリアGCでの「ポルトガルマスターズ」の最終日を「63」でラウンドし、6打差を逆転して優勝を果たした。
流感の症状に苦しみ、最終日のミゲル・アンヘル・ヒメネスとの対戦に6&4で敗れ大陸ヨーロッパ選抜の優勝を許してしまった「セベトロフィ」から一週間。リンは通算18アンダーとして、2位のジャスティン・ウォルターズに一打差をつけ、アルガルベの地で対照的な感情に浸った。
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40歳の誕生日を迎える一週間前に、自身2度目となる欧州ツアー制覇を果たしたリンは、これで世界ランキングでもトップ50に返り咲いた。
過去に「全米プロゴルフ選手権」で2位に入り、これまで出場した400ほどの大会の中で2004年の「KLMオープン」で唯一の優勝を果たしているリンは、5バーディの猛チャージでフロント9を「30」でラウンドして優勝争いに加わると、10番でボギーを叩くも、11番、14番、15番、17番で再びバーディを奪い、首位でラウンドを終え、その後、彼に並ぶ者は現れなかった。
2週間前に母を亡くし悲しみにくれたウォルターズは、今大会を迎えるにあたって「レース・トゥ・ドバイ」のランキングは126位だったが、18番で40フィートのパーパットを沈め、通算17アンダーの単独2位でフィニッシュし、来シーズンのシード権を確実なものにした。
3日目は「73」と苦しんだリンは「昨日コースを去る時は本当に失望していました。パットが全く入りませんでしたし、17番では7打も叩いてしまい、多分これは駄目だなと思っていましたね」と語った。
「今日はとにかくできる限りバーディを奪うしかないという日でしたね。確かに(3日目の)スコット・ジェイミソンの『60』は意識しました。あんなラウンドができれば、まだ勝負は分からないぞ、と。今日は風が少し強かったので8アンダーは上出来です」。
「フロント9は本当に調子が良かったです。全て思い通りに行きましたし、1番でピンそば1フィートにつけるショットが打てた事で本当に良いスタートが切れました。その後、幾つかの素晴らしいパーパットを沈められたことで弾みがつき、バーディパットが決まり始めました」。
今大会を世界ランキング52位で迎えたリンは、2打差の首位で迎えた最終ホールで、アプローチがショートし、グリーン手前の池に落ちるかに見えた際は肝を冷やしたことを認めた。しかし、ボールはギリギリのところでハザードを越え、そこから2パットでホールアウトして勝利のラウンドを締めくくった。
オーストリアのベルンド・ウィスバーガーは残り2ホールの段階で首位から僅か1打差につけていたが、17番の2打目を池に打ち込んでしまった。一方、同組でラウンドしていたウォルターズは、同ホールで4連続バーディを達成し通算17アンダーまでスコアを伸ばした。
ウォルターズは18番のティショットをフェアウェイバンカーに入れてしまった事でボギーは不可避かと思われたが、とてつもないパーパットを沈めると、拳を突き出して喜びを表現し、そして涙に暮れた。
「今はちゃんと話をする事ができないかもしれません」と、ヨハネスブルグ出身で32歳のウォルターズ。「今週を迎えるにあたり、何も目標や大望があったわけではなく、とにかく母を讃え、彼女を誇らしい気持ちにさせたい一心でプレーしました」。
「パットは決め続けられましたし、きっちりショットを打ち続けることもでき、そしてあの幕切れです。母の力に決まっています。あれは恐らく私のキャリアの中でも最良の瞬間でした。ラインに乗せられたので良かったですね」。
「今日は一日中リーダーボードを見ずにプレーしたので、シード権確保に向けてどの位置につけているのかわかりませんでしたが、最後にあのパットが入ったときは、感情が溢れ出してきました」。
「あのときの気持ちを正しく表現できる言葉は見つかりません。もしかしたら、ここにいてくれた父と一杯飲んだ後であれば、色々と腑に落ちるのかもしれませんが、まだ自分がどうやってあれを決めたのかわかりません。ただ、母を讃えることができたので凄く誇らしく思いますし、本当に嬉しいです。今の私の気持ちを伝える上でこれ以上の言葉はありません」。
イングランドのポール・ワリングは2打差の首位で最終日を迎えたが、16番でダブルボギーを叩いたことにより優勝の望みは断たれた。しかし最後の2ホールでバーディを奪い、「66」でラウンドしたスティーブン・ギャラハー、そして「67」でラウンドしたウィスバーガーらと並び3位タイに入った。
3日目に欧州ツアー初の「59」にこれ以上ないところまで肉薄したスコット・ジェイミソンは、2番と5番でバーディを奪い一時は1打差の首位に立っていたが、14番からの4ホールで3つのボギーを叩き「72」として13位タイに終わった。