ワリングが単独首位 ドナルドソンが「60」で猛追
2013年 ポルトガルマスターズ
期間:10/10〜10/13 場所:オセアニコ ビクトリアGC
初優勝に向け絶好の位置につけたワリング
「ポルトガルマスターズ」3日目は、スコットランドのスコット・ジェイミソンが欧州ツアー初の「59」にあと一歩というところまで迫るゴルフを見せる中、ポール・ワリングが2打差の首位で最終日を迎えることとなった。
パー71のオセアニコ・ビクトリアGCにおいて17ホールで11個のバーディを奪って猛チャージをかけたジェイミソンは、「60」の壁を打ち破るためには、最終ホールでもうひとつのバーディが必要であった。
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しかし彼のアプローチはグリーンを僅かにオーバーし、続く15フィートのチップショットはカップに嫌われ、29歳の彼はしゃがみこんでその悔しさを表した。
18番ホールをパーで締めくくったジェイミソンは、「アルフレッド・ダンヒル・リンクス選手権」のキングスバーンを12アンダーでラウンドした米国のピーター・ユーライン以来となる、欧州ツアーでは今季2回目の「60」を記録した。
カットラインを僅か一打の差で通過したジェイミソンは、12アンダーで並ぶ前日首位のワリング、デビッド・リン、そしてヘンニー・オットーが1番ホールのティへ向かう中、通算14アンダーで3日目を終了し暫定首位に立った。
そしてワリングが唯一ジェイミソンを追い抜くことに成功し、不安定なスタートから盛り返して欧州ツアー初優勝へ向けスコア「67」で2位に2打差の首位に立った。
ジェイミソンは昨年12月の南アフリカでの「ネルソン・マンデラ選手権」でプレーオフの末に優勝を果たした際、「57」という記録を出していた。しかしこの時は、大会そのものが36ホールに短縮され、またフェアウェイの状態が悪かったためコースはパー65に縮められていた。
「17番ホールをプレーしている時、キャディのリチャードに、最終ホールで記録を達成するために、どうしてもここでバーディが欲しいと話したんだ。そして最終ホールではこれ以上ないチップショットが打てた。僅かにショートしてしまったけど、とても良いチップショットだったよ」とジェイミソン。
「13番ホールでバーディを奪ったときに、もういくつかバーディが来れば歴史に名が刻めると話したんだ。僕は少しナーバスになっていたけど、大会のことを考えると、リーダーは最低でも16から18アンダーで最終日に臨むことになるだろうと思っていたから、それが僕を後押しすることになったんだ」。
初日を「66」で回り、2日目は「73」と苦戦したジェイミソンは「初日はとても良いプレーができたけれど、収穫はなかった。5アンダーだったけど、最長パットは8フィートのパットだったんだ」と加えた。
「ここのところとても良いゴルフができているよ。昨日も、ものすごく悪いゴルフというわけではなかったんだ。でもスコアメイクがうまくいかなかった。だから今日はとても良い1日だったよ」。
手首の手術を受け、メディカル・エクステンション(公傷制度)の中で大会に出場しているワリングは、パー5の5番ホールをボギーとし、9番ホールのアプローチがグリーンをオーバーした時は優勝争いから滑り落ちると思われていた。
しかし28歳のワリングは、チップショットをそのまま沈めてバーディとし、その後バックナインでは更に4つのバーディを奪って、ジェイミソン、同組のオットー、アイルランドのサイモン・ソーントン、そしてウェールズのジェイミー・ドナルドソンらに2打差をつけて首位に立った。
「終盤に向けてとても良い感じになっていったよ」と、4月の「スペインオープン」で自身にとって欧州ツアー初のトップ5フィニッシュを飾り、その後3回トップ10入りを果たしているワリングは言った。
「スタートはあまり良くなくて、良いショットが打てていなかったけど、終盤に向けていくつか良いパットが入りだしたんだ。2打差はとても良い気分さ。明日がどうなるか楽しみだね」。
初優勝へ向けて準備は整ったかと問われたワリングは、「何とも言えないさ。他の選手がどんなプレーをしてどんなスコアを出すかわからないからね。それらのことは僕にはどうにもできないことだしね」と加えた。
「僕ができるのは自分自身をコントロールすることだけだから、それを積み重ねていくだけだよ」。
多くの選手がひしめき合うリーダーボードで首位から3打差につけたクリス・ドークは、この日の18番ホールで3日目にして初めてのボギー叩いた。彼は現在レース・トゥ・ドバイで112位だが、順位を110位以内に上げて来季のシード権を維持しそうだ。