全米プロのフォトギャラリー
2012年 全米プロゴルフ選手権
期間:08/09〜08/12 場所:キアワアイランドリゾート(サウスカロライナ州)
R.マキロイ 新時代を告げるメジャー2勝目へ好発進
ゴルフの海外メジャー大会は現在、四半世紀ぶりの群雄割拠の構図を示している。そういうと少しばかり大袈裟なのだが、事実として、2008年の「全米プロゴルフ選手権」でパドレイグ・ハリントン(アイルランド)が、同年の「全英オープン」からの連勝を果たして以降、16大会、つまり16人のメジャー王者がすべて異なっている(ハリントンを含む)。
この現象はここ25年間において初めてのこと、またそのうちメジャー初制覇を成し遂げた選手が12人と、続々と新星が誕生。もちろんこの現象はタイガー・ウッズの一時期の“低迷”が無関係ではないはず。タイガーの王朝が一度終焉を告げたことの、裏返しでもある。
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その現状を受け、昨年の「全米オープン」で圧倒的な強さを見せ、メジャータイトルホルダーの仲間入りを果たしたロリー・マキロイ(北アイルランド)はこう言う。「16人のうちの一人であることは嬉しい。選手層が分厚くなっているからだと思う」。多くのプレーヤーと同様に、グローバルになったフィールドを構成する各選手がハードに練習を積んでいることを要因に挙げている。
しかしそれに加え、マキロイは独自の分析も見せている。それが「テクノロジーは大きな要因だ」というもの、つまりクラブやボールをはじめとしたギアの進化だ。「25年前なら本当に優秀な選手でなければ、基本的には素晴らしいプレーができなかったかもしれない。でも今日では、テクノロジーがそこまでいかない選手たちのレベルも引き上げたんじゃないか」。プレーヤーの立場ではありながら、道具の発展がゴルフゲームの変化に寄与していると語った。
そのマキロイは、今季のメジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」初日、首位に1打差の2位タイと好スタートを切った。「今朝、練習場で打っているときから風が無かったから、このアドバンテージを活かしたいと思っていた。7ホールで3バーディを取れたからね。スコアがうまく組み立てられた」。ドライバーも10度握り、抜群のロングドライブを武器にして「67」をマーク。上々の滑り出しは大きな期待を抱かせる。
今季初旬に世界ランク1位に上り詰めてからというもの、調子は下降線を辿り、スランプと言われた。しかし前週の「WGCブリヂストンインビテーショナル」では復調の手応えをつかむ5位フィニッシュを決めた。待望のメジャー通算2勝目は、ひとつの時代の節目、そして始まりを告げる鐘になる。(サウスカロライナ州チャールストン/桂川洋一)
【参考:2008年以降のメジャーチャンピオン ※はメジャー初優勝】
年度:マスターズ/全米オープン/全英オープン/全米プロ
2008:T.イメルマン※/T.ウッズ/P.ハリントン/P.ハリントン
2009:A.カブレラ/L.グローバー※/S.シンク※/Y.E.ヤン※
2010:P.ミケルソン/G.マクドウェル※/L.ウーストハイゼン※/M.カイマー※
2011:C.シュワルツェル※/R.マキロイ※/D.クラーク※/K.ブラッドリー※
2012:B.ワトソン※/W.シンプソン※/E.エルス/ ?
桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw