2013/04/11マスターズ

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦のマスターズレポート2013<6>】

昨日はアウトを回ったので、開幕前日の今日はインコースで練習ラウンドをしました。前回のレポートにも書きましたが、やはりインコースの方がコース攻略の全体的なイメージが出しやすいですね。 藤田さんの調子次第では、丁寧に行けば確実にインコースで3ホールはバーディチャンスに付けられるはず。アウトを1オーバー、2オーバーぐらいで回って来られたら、後半は面白いかもしれません。 石川遼くんのキャディを務めるのは、日本ツアーでもおなじみのプロキャディのサイモン・クラーク。サイモンは1995年から日本ツアーで「ヤーデージブック(コースガイド)」を作っているんです。絵も上手だし、パッと見ただけでホール全体のイメージ...
2013/04/10マスターズ

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦のマスターズレポート2013<5>】

今日はアウトコースだけを回りました。オーガスタはインに比べ、やはりアウトコースの方が、好スコアが出にくいですね。 インコースは、パワーのある選手や調子の良い選手ならバーディチャンスに付くケースも多いけど、アウトコースは調子が良くてもなかなかスコアを伸ばす事は出来ません。全体的な距離は、アウトが3725ヤードでインが3710ヤードだからそう変わらないんだけど、ショートホールとロングホールの距離がインの方が断然短いので、その差かもしれません。 アウトをいかに静かに回って、インの数少ないバーディチャンスを決めきれるかが勝負でしょう。 「マスターズはドローヒッターが断然有利」って聞いた事があるでしょ。...
2013/04/09マスターズ

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦のマスターズレポート2013<4>】

昨日までは毎日肌寒い感じだったのに、今日8日は一転、暑い一日となりました。 マスターズのキャディが着る真っ白なツナギは凄く格好いいんだけど、生地が意外と厚いので天気の良い日は蒸し暑さとの闘いなんです。この辺の天気は、この時期は一体どれが正解なんだろ・・・。 今日は石川遼選手と18ホールを一緒に回りましたよ。オーガスタをよく知る選手と練習ラウンドをすると、各ホールを違う角度から見る事が出来るので視野がひろがります。遼くんはティショットで3番ウッドを多用していましたね。大きなトラブルを避け、確実にフェアウェイをキープしながら毎ホールチャンスを作っていく狙いなのかな。でも、3番ウッドっていったって、...
2013/04/08マスターズ

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦のマスターズレポート2013<3>】

今日7日はオフだったので、みんなで買い物に行ったりして一日ゆっくり過ごせました。練習がお休みだったこういう日は、せっかくなのでオーガスタの中から、1ホールを取り上げて、皆さんにご紹介したいと思います。 僕が紹介したいのは、11番~13番の“アーメンコーナー”や、16番、18番みたいな超有名なホールではないんです。大草原を意味する“パンパス”と名付けられた7番のミドルホール。 このホールは真っ直ぐなんです。本当にどこまでも真っ直ぐ。でもね。僕の中では「世界一難しいストレートホール」だと思っています。 ここの難しさは、ティショットからグリーン上までの全て。まずティグラウンドに立った時に、左右からせ...
2013/04/07マスターズ

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦のマスターズレポート2013<2>】

藤田さんに聞いてみたんです。 「このコースの難しさっていうのは一体、何でしょうか?」 藤田さんは、まずは距離だと。それから、グリーンの傾斜とスピード。最後に“ピンに打てない辛さ”だそうです。 最後の、ピン方向に打って行けないっていうのは、前の2つが多いに関係しているんでしょうね。藤田さんの飛距離だと、ミドルホールのセカンドショットで5番ウッドやロングアイアンを持たなきゃいけない場面が多々あるんです。 実際に今日の練習ラウンドなんかは、最終18番ホールのセカンドショットは3番ウッドでした。ティショットが木に触れたからってのもあるけど、それは想定の範囲内だった。ロングアイアンで、僅かなスペースを狙...
2013/03/28国内女子

トップ快走の森田理香子、キャディも太鼓判

から森田のキャディを務める梅原氏のコメントを紹介しよう。「このコースは4試合の中で一番理香子ちゃんに合っていると思いますよ。特にインコースは距離があるから、有利なんじゃないかな」。次週からはマスターズ
2012/10/14日本オープンゴルフ選手権競技

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート2012<6>】

前半の早い段階で賜杯に手がかかったんだけど…。藤田さんはスタート直後の1番と3番でバーディを奪い、この最終日の早々にトータルスコアを8オーバーとしました。 藤田さんの中ではどう思っていたか分からないけれど、僕の中では「残りホールをパープレーで回れば必ず藤田さんが勝てる!」という強い気持ちになりました。 でも、その勢いは無残にも前半唯一のチャンスホールである6番のロングホールで消されました。バンカー内にある木の裏から5番ウッドで放ったセカンドショットは会心の一打でグリーン右手前のガードバンカーへ。難しいピン位置だったけど藤田さんはバンカーから絶妙のタッチを出し、ピン横1.2メートルに。 あのバー...
2012/10/13日本オープンゴルフ選手権競技

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート2012<5>】

辛くて、辛くて。辛い、辛い、辛い、辛い3日目が終わりました…。前半、パットのミスからスコアを落とし、流れを引き寄せられないまま藤田さんは後半に入りました。11番でダブルボギー、続く12番をボギーとした時にはトータル10オーバー。正直、藤田さんの日本オープンはここで終わったかな、と思いました。 でも、終わってなかった。そこからの地獄の残り6ホールを藤田さんはパープレーで回ってきたんです。それもほとんどミス無しで。あの状況から残りホールをミスショット無しで回ってこれる選手はほとんどいないでしょう。しかも最終ホールは上からの15メートルをねじ込んでのバーディフィニッシュでした。 上がってから藤田さん...
2012/10/12日本オープンゴルフ選手権競技

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート2012<4>】

長い長い予選ラウンドの2日間が終わりました。結果的にはトップに4打差の3位タイと、これ以上ないくらい良い位置で折り返す事が出来ました。でも、今日の2日目は、勝負どころのパット次第ではどちらに転んでもおかしくありませんでした。 明暗を分けそうだったのは、2つのパーパット。1つ目はスタートホールの3メートルのパーパットです。右ラフからのセカンドショットを狙い通りの場所に外したんですが、絶好の位置からのアプローチが寄りませんでした。あれを外していたら、今日1日の展開はガラっと変わっていたでしょう。そのパットをど真ん中から決めたことで、昨日の良い流れを今日のラウンドに繋ぐことが出来ました。 2つ目は後...
2012/10/11日本オープンゴルフ選手権競技

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート2012<3>】

予想通りの“壮絶なる闘い”が幕を開けました。 始まるまでは自分なりに、予選のカットラインや優勝スコアなんかを考えていたけど、もはや、そんな事はどうでもいいですね。目の前のホールをどうやって切り抜けるか。今はもう、それだけに尽きます。 初日の今日は、藤田さんは3オーバーの9位タイでフィニッシュしました。前半はパープレーで折り返したんですが、後半に入り横風の強いホールでスコアを落としてしまいました。縦幅がそんなに広くないグリーンが多いので、強い横風の中でのボールコントロールが難し過ぎますね。 明確な目標スコアなんかは全く無かったけど、今日の条件や、藤田さんの内容などを考えると、素晴らしいスコアじゃ...
2012/10/10日本オープンゴルフ選手権競技

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート2012<2>】

昨日のレポートに書いた“南国の芝”もそうですが、沖縄にはもう一つやっかいなものがあるんです。それが“琉球の風”。 今週は月曜日からこの那覇ゴルフ倶楽部で練習しているんですが、コースには毎日のように北東からの強い風が吹き付けています。それも一日中。風が吹く方向は一定だけど、強さはまちまちで強くなったり、少しだけ弱くなったり。弱くったって、強いんですよ!重たさが少し違うけど、「全英オープン」に匹敵するくらいの風の強さかな。 そういったいろいろな状況をトータルして考えたら、今週は難易度が格段にアップした「ソニーオープン・イン・ハワイ」って感じでしょうか。この開幕前の3日間に吹いた風が、このまま最終日...
2012/10/09日本オープンゴルフ選手権競技

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート2012<1>】

藤田寛之プロのキャディの梅原です。今週1週間、こちらで「日本オープンレポート」を書かせて頂ける事になりました。今シーズンは、賞金ランキング1位と言う最高のポジションでこの日本オープンに挑戦する事が
2012/09/16GDOEYE

10年分の成長を込めた一打 藤田寛之が輪厚で初勝利!

変わっていなかった。ティグラウンドを降りても、梅原キャディに「オレは絶対打たないから」と告げていた。けれどフェアウェイを歩くにつれ気持ちは変わっていった。エッジまで残り246ヤード、ピンまでは273…
2012/09/01GDOEYE

3打差逆転は? 藤田寛之のパット練習ドリル

メートルほどまで。これを数十球繰り返す。 仕上げは1つのカップの周りに、梅原キャディが円を描くようにボールを置いていき、これを沈めていく練習。距離は1メートル強と変わらないが、ティは外し、フック…
2012/06/18全米オープン

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全米OPレポート〈6〉】

藤田さんの全米オープンが終わりました。最終日の今日は4オーバー。ショットの調子も良く、大きなミスショットもほとんど無かったですね。 スコアを落としたのは僅か3ホール。1番ホールのボギーと13番ホールのダブルボギーは完全に僕のクラブの選択ミスです。打ったのは選手だからって言う人もいるけど、藤田さんはあきらかに自分が思っていたクラブじゃなく、僕が選んだクラブを手にしてくれたから…。 この大舞台でのミスジャッジは痛過ぎるけど、僕もその場では100%の自信があってそのクラブを推したわけだから悔いはありません。 ただ、甘いですよね。 今思えば、その時の風向きとグリーンの硬さを考えたら僕の選んだクラブは大...
2012/06/17全米オープン

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全米OPレポート〈5〉】

全米オープン、決勝ラウンド。今日はアダム・スコットとの2サムでのラウンドでした。世界の超一流選手と全米オープンの決勝ラウンドで回れるなんて、本当に夢のようでした。 今日の藤田さんは昨日ほどのキレが無かったですね。凌いで、凌いで気持ちを持ちこたえ、必死にスコアを維持しようとしたんですが、結局今日は3オーバー。ここでの3オーバーは決して悪いスコアじゃないんだけど、トーナメントの3日目っていうのは優勝争いの選手以外は、みんなスコアを伸ばしにかかります。だから状態の良い人と、悪い人との差が大きくなり、結果全体的に順位が“バラけてくる”んです。 藤田さんの3オーバーはここではパープレーのような感じかな。...
2012/06/16全米オープン

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全米OPレポート〈4〉】

やりました。予選を突破しましたよ。 僕らには計り知れないプレッシャーが藤田さん本人にはあっただろうけど、そんな事を微塵も感じさせない会心のゴルフ。本当に完璧だった。あのゴルフをこの大舞台で持ってくるなんて、あの人はやっぱり凄いですよ。 日本から応援して下さっている皆様には、今日の藤田さんのゴルフの凄さがイマイチ伝わっていないかもしれません。もちろん全米オープンで予選を通過したわけだから、その結果自体の凄さはわかって頂けると思いますが、なにせ今日の藤田さんは、ミスショットが2発だけだったんです。 わずか2発ですよ!バーディパットをいくつか外しているのでアンダーパーには出来なかったけど、内容的には...
2012/06/15全米オープン

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全米OPレポート〈3〉】

全米オープン、初日が終了しました。藤田さんは5オーバー、74位タイ。苦しみながらまずは18ホールと闘ってきました。 今日の藤田さんは全体的にティショットが良くなかったですね。ここはラフに入れるとどうしようもないので。 ショートホールを除く14ホール中、フェアウェイに行ったのは確か5回だったと思います。 それで5オーバーで回ってきたわけだから、どれだけ藤田さんが“拾い続けたか”っていうのを分かって頂けるのではないでしょうか。それが藤田さんの持ち味だから当然でしょと思われる方もいるでしょうけど、このコースでラフからパーセーブするのには相当な技術と精神力がないと無理なんです。 3オーバーまでで初日を...