2016/01/21GDOEYE

欧州ツアー、プレー時間短縮への動き活発に

欧州ツアーはジョーダン・スピース、ロリー・マキロイ(北アイルランド)、リッキー・ファウラーらが集結する今週の「アブダビHSBCゴルフ選手権」開幕を前に、遅延プレーに関する新たな指針を発表した。欧州ツアーCEOのキース・ペリー氏は「1ラウンドで15分短縮できると信じている」と表明した。 前組から遅れた組に対して、これまでは最初に警告が与えられていただけだったが、新指針では、競技委員が即座にプレーの監視(モニタリング)を始めることになるという。そして、1打につき40秒(最初に打つ選手はプラス10秒)の持ち時間を超えると、モニタリングペナルティが課される。そして、次のティからは罰打の対象として時間計...
2016/01/28GDOEYE

宮里美香が感じる“We”な戦い 2016年開幕戦へ

世界ランク1位に上り詰めたジョーダン・スピースは、自身のゴルフを語るとき、頻繁に“我々(We)”という言葉を口にする。個人競技のゴルフだが、キャディがいて、コーチがいて、トレーナー、マネージャーらがいて、選手がいる。自分がコース上で球を打つに至る過程で、チームのみんながベストパフォーマンスを出せるように尽力していることを、強く認識しているからだ。 昨年、米国を主戦場とする日本人の女子選手中、最も良い成績を残した宮里美香も同じだ。賞金ランキング28位で、最高位は「NW アーカンソー選手権」での2位。3年ぶりの米ツアー優勝にあとわずかに迫った。2013年後半から加藤大幸キャディとタッグを組み、昨年...
2016/06/24GDOEYE

きょうはアダム・スコットだ!20歳・池村寛世の“モノマネ”がすごい訳

「特徴があるスイングなら、だいたいモノマネできる」と得意顔を向けるのは、昨季の下部チャレンジツアーで2勝を挙げ、今季は初のレギュラーツアーを戦う20歳の池村寛世だ。スイングの個性的なところばかりを強調するお笑い向けのモノマネではなく、普段から実戦に取り入れているというから興味深い。 国内男子ツアー「ISPSハンダグローバルカップ」2日目に、6バーディ、ノーボギー「65」(パー71)をマーク。ショットの不調から56位と出遅れた順位を8位タイまで上げ、通算7アンダーで首位と3打差に迫ったが、猛チャージは「きょうはアダム・スコットをイメージした」というスイングから生まれたのだという。 朝の練習でもシ...
2016/06/24GDOEYE

ヤードとメートルどっちを使う?日本で戦う韓国選手の知られざる苦労

「先輩に圧倒されてしまった」と悔しがったのは、前週の「ニチレイレディス」最終日。優勝した申ジエ(韓国)、アマチュアの勝みなみとともに最終組で回ったペ・ヒギョン(韓国)は、「77」と崩れて15位に沈んだ。「集中できていなかった」と、ツアー初優勝のチャンスを逃したが、今週の「アース・モンダミンカップ」初日に4アンダー「68」を叩き出し、首位と2打差の4位タイと好発進を決めた。 雨が強く降ったり、弱まったり、さらに遠くで雷鳴が轟いたり…。悪コンディションとなった午前の1組目で出ると、前半だけで5バーディ(1ボギー)をもぎ取った。冴えたのは、49度から46度へとロフトを立てたウェッジだった。「残り90...
2016/06/03GDOEYE

デシャンボー、“1スイング”で帝王ニクラスを戦慄させる

米国男子ツアー「ザ・メモリアルトーナメント」では、大会ホストを務めるジャック・ニクラスとPGAツアープロたちが打撃練習場でデモンストレーションを行う開幕前日の“ゴルフクリニック”が、恒例行事となっている。 2012年には大会初出場の石川遼が6I、昨年はディフェンディングチャンピオンの松山英樹が4Iの打ち方を披露したが、今年その舞台で注目を集めたのはブライソン・デシャンボーだった。昨年覇者のデビッド・リングマース、期待の若手ジャスティン・トーマスに続いて登場したデシャンボーは、出だしから観衆のハートをつかんだ。 普通は使用するクラブ1本を握って登場するところ、デシャンボーはキャディバッグを抱えて...
2016/06/05GDOEYE

PGAツアーが新スタッツを導入 松山英樹で見てみると?

PGAツアーは1日、選手のパフォーマンスをより詳細に把握するための新スタッツ導入を発表した。 これは、2011年に導入された「ストローク・ゲインド・パッティング」(パットのスコア貢献率)を拡張したもので、2014年に登場した「ストローク・ゲインド・ティ・トゥ・グリーン」(ショットのスコア貢献率)を、さらに以下の3分野に分割した。 (1)ストローク・ゲインド・オフ・ザ・ティ ・パー4、及びパー5のティショット (2)ストローク・ゲインド・アプローチ・ザ・グリーン ・パー3のティショット、及びパー4、パー5での2打目 (3)ストローク・ゲインド・アラウンド・ザ・グリーン ・グリーンエッジから30y...
2016/06/05GDOEYE

中学時代に単身渡米 塚田陽亮が歩んだ異色のVロード

塚田陽亮がゴルフを始めたのは10歳のとき。亡くなった祖父の影響でクラブを握り、小学校卒業後はゴルフアカデミー(デビッド・レッドベター・アカデミー)に通うため、実家がある長野県から群馬県の中学に入学した。“単身留学”の場所は、3年生の時には米フロリダのIMGアカデミーになった。国内メジャー「日本ツアー選手権 森ビル杯」で悲願のツアー初勝利を飾ったのは、同世代では異色の道を歩んで栄冠に辿り着いた31歳だった。 米女子ツアーで活躍するポーラ・クリーマーらと一緒に腕を磨いた高校時代。ゴルフよりも苦しんだのが、当時まったく話せなかった英語だった。学業をおろそかにすると、ゴルフができない米国のジュニア環境...
2016/04/07GDOEYE

若き海外勢のグリーンジャケットへと続く道

ジャック・ニクラスは1986年の自身の快挙をこう回想した。「18番グリーンから降りて、(息子の)ジャッキーと抱き合ったことがまるで昨日のことのようだ。息子がバッグを担ぎ、あの瞬間を共有できたことは、たぶん自分のゴルフ人生において最も記念すべきことだと思う」。ニクラスが46歳で6度目のグリーンジャケットを獲得してから、今年でちょうど30年になる。 当時のニクラスの偉業が“陽”ならば、“陰”となった存在の1人がセベ・バレステロス(スペイン)だ。あの日、15番を迎えた時点で単独首位に立っていたバレステロスは、2組前で回るニクラスが15番でイーグルを奪い、16番で立て続けにバーディを仕留めた地鳴りのよ...
2016/04/05GDOEYE

ANAが海外女子メジャーを主催する理由

3日に閉幕した女子ゴルフの今季海外メジャー初戦「ANAインスピレーション」。最終的には世界ランキング1位のリディア・コー(ニュージーランド)が勝利をさらったが、宮里藍の優勝争いも盛り上がりを見せた。かつて「クラフトナビスコ選手権」として行われてきた大会は、昨年から日本の航空大手である全日本空輸(ANA)がメーンスポンサーを務める。 昨年の大会時、全日空の平子裕志米州室長(現ANAホールディングス執行役員)は、スポンサーとなった理由を「日本やアジアで存在感を高め、新たなマーケットへ挑戦したいというLPGA(米国女子プロゴルフ協会)の考えと、ANAを北米市場でより多くのお客さまに知ってほしいという...
2015/11/21GDOEYE

不満と証明のルーキーイヤー 今平周吾に続々と愛の手?

「レッスン代、払え」。谷口徹はラウンド中、例によってイタズラっぽく年下のプロに突っ込んでいた。「ダンロップフェニックストーナメント」3日目。「66」をマークして通算8アンダーの4位に浮上した今平周吾は、つい最近、この口まめなベテランに大きな“借り”を作っていた。 パッティングに悩んでいた今平のもとに谷口が歩み寄ったのは前週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」の練習日のこと。ヘッドがアッパーブローに入り、肝心な場面で引っかける悪癖を持っていた23歳は、パッティンググリーンで、およそ二回り年上の先輩から、とっておきの練習法を伝授された。 ボールのすぐ手前にティペグを深く挿し込み、ストロークを繰り...
2015/11/19GDOEYE

比嘉真美子“どん底”で胸に刻んだファンの言葉

今季国内女子ツアーのフルフィールド最終戦「大王製紙エリエールレディス」初日を1オーバー、35位タイで終えた比嘉真美子は、爽やかな表情で振り返った。「スコアは微妙だけど、フワフワした感じじゃなく、しっかり上向きのプレーがちょっとずつできてきた。手応えはありますね」。 賞金ランキング45位で出場権を獲得した今季は、前週まで31試合に出場して決勝進出はわずか7回。10月下旬の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」までは、17戦連続落ちを喫した。ツアーフル参戦初年度の2013年にいきなり2勝を挙げた潜在力から考えれば“どん底”のようなシーズンを送っている。 比嘉は打ち明けた。「去年のシ...
2015/11/19GDOEYE

後輩たちへの愛情 丸山茂樹HCの五輪メダルボーナス案

112年の空白期間を経てゴルフが正式競技に復活するリオデジャネイロ五輪まで9カ月を切った。トッププレーヤーによる五輪メダルへの価値について懐疑的なコメントが聞かれる中、日本代表チームのヘッドコーチ(HC)に就任した丸山茂樹の頭には、前代未聞の“ニンジン作戦”があった。 宮崎県で行われている「ダンロップフェニックストーナメント」に出場中の丸山は18日(水)、オリンピックゴルフ競技対策本部からのHCの就任要請を正式に受諾。関係者による12月の現地視察を含め、今後のスケジュールなどを確認した。年明けには米国に滞在中の丸山自身がブラジルへ向かう可能性もありそうだ。 対策本部の統括コーディネーター山中博...
2015/11/28GDOEYE

大きく飛び立ったダンボ、チョン・インジが来年目指すもの

スポット参戦した今季の国内女子ツアーで「ワールドレディスサロンパスカップ」「日本女子オープン」のメジャー2勝を挙げたのは、韓国のチョン・インジ(21)。今週の最終戦「LPGAツアー選手権リコーカップ」にも臨んでいて、6位から出た3日目は2バーディ、2ボギーの「70」でプレーした。通算1オーバーの7位、首位から5打差で最終日を迎える。 今年は海外メジャー「全米女子オープン」でも、初出場初優勝の快挙を成し遂げた。世界中を見渡しても、いま最も勢いのある選手の1人と言っていい。主戦場としてきた韓国ツアー(KLPGA)でも今季5勝を挙げ、賞金女王を戴冠した。KLPGA大賞(総合成績)に加え、年間最多勝利...
2015/12/01GDOEYE

6冠女王イ・ボミを、強かった宮里藍&不動裕理と比較してみた

2015年の国内女子ツアーが、前週のメジャー「LPGAツアー選手権リコーカップ」で幕を閉じた。3月初めから9カ月間ほぼ毎週37試合が開催され、うち半数以上の22勝が海外勢によるもの。韓国人選手が6人で17勝(イ・ボミ=7、申ジエ=3、アン・ソンジュ=2、李知姫=2、チョン・インジ=2、キム・ハヌル=1)、台湾人選手テレサ・ルーの5勝がその内訳で、1988年のツアー制施行後では初めて、賞金ランクトップ5を海外勢が占める結果となった。 とりわけ年間7勝を挙げ、獲得賞金を前人未到の2億3049万7057円(国内男女ツアー史上最高額)とした今季のイ・ボミの強さは、総合表彰のメルセデスランキングをぶっち...
2015/11/23GDOEYE

上田桃子、イ・ボミの“ひとり勝ち”に警鐘 「もしボミがいなかったら…」

眼下の18番グリーンでは、優勝したイ・ボミ(韓国)を祝福するセレモニーが始まっていた。クラブハウス2階のテラスからその華やかな式典を眺める人々。その背後で、上田桃子はじっと唇を噛んでいた。 「大王製紙エリエールレディスオープン」最終日。イと4打差の3位で同じ最終組から出た上田だったが、ショットもパットも万全でないことは誰よりも自分自身が分かっていた。前半は2つのボギーを叩いて2オーバー。スコアを落としても、福島のギャラリーからは“まだ大丈夫!”“頑張れ桃子!”と温かい声が飛ぶ。「声援をもらうたびに、悔しい気持ちでプレーしていた」という上田。後半は3アンダーと盛り返したが、終わってみればイとの差...
2016/07/08GDOEYE

「もう一つの被災地がある」 笑顔の戻った“若女将”ゴルファーが願うこと

熊本県を中心に九州地方を襲った最大震度7の「熊本地震」から3カ月近くが経った。「前震」となった揺れが起きたのは、国内女子ツアー「KKT杯バンテリンレディス」の開幕前日。「被災地・熊本」の様子は全国に流れた。だが、被害を受けたのは熊本だけではない。 昨年プロテストに合格し、ルーキーイヤーを送る篠原まりあの実家は、大分県九重町の温泉旅館「渓谷の宿 二匹の鬼」。週末は予約困難なほどの人気ぶりだった。だが、震災で一変した。「あんまり、お客さんが来なくなった」と言う。土砂が崩れ、旅館への道は通行止めになった。客足は例年の2、3割程度に沈む。豪雨による土砂崩れも起きた。従業員の叔父は「九州の方(かた)はな...
2016/07/16GDOEYE

後半戦に強い?香妻琴乃がホステス大会で調子の上向くワケ

国内女子ツアー「サマンサタバサレディース」で、大会ホステスプロの香妻琴乃が初日「74」、2日目「68」でプレーし、通算2アンダー19位として、6月の「ヨネックスレディス」以来5試合ぶりとなる予選通過を決めた。 60台をマークしたのは4月の「スタジオアリス女子オープン」2日目に続き、今季2度目。「ショットも少しずつだが良くなってきている」。やや歯切れの悪さを残した開幕前の感触は、日に日に良くなっていった。この日は2番で残り189ydの第2打を、ピンそば4mにつけてバーディ。「いつもならバーディを獲って(その後は)守るところを、きょうは気持ちで獲りに行けた」と、全部で5つのバーディを奪った。 練習...
2016/06/29GDOEYE

昨年は父が銃自殺 壮絶人生のチャンピオンがメジャーを辞退した理由

彼にとってはメジャートーナメントの切符よりも、はるかに大切なものがあった。前週の米国男子ツアー「クイッケンローンズ・ナショナル」でツアー初勝利を飾り、今週の「WGCブリヂストン招待」に出場するビリー・ハーレーIII。34歳の人生は、ゴルファーとしてのキャリアよりも、コースの外での歴史のほうがずっと濃密だ。 初優勝を果たしたコングレッショナルCCがあるワシントンD.C.エリアは、ヴァージニア州の出身のハーレーにとっては、馴染みの深い土地。高校時代は当地の優秀な選手として名高かったが、卒業後は海軍士官学校に進学した。ゴルフを続けながら2004年に卒業し、06年にプロ転向したが、その後も09年まで米...
2016/06/27GDOEYE

日の丸背負う渡邉彩香に罰金100万円 国別対抗戦をめぐる裏事情

リオデジャネイロ五輪のゴルフ競技は、4日間72ホールの個人戦ストロークプレーで争われる。団体戦でないことを嘆く声は小さくないが、五輪開幕の約1カ月前に米国女子ツアーで8カ国(地域)による団体戦「UL インターナショナルクラウン」(7月21日開幕)が行われる。個人戦ではない。1チーム4選手による、五輪前哨戦とも言える国別対抗戦のマッチプレーだ。 4月4日発表の世界ランキングで、各国上位4人の順位合計が小さい順に韓国、米国、日本、オーストラリア、台湾、タイ、イングランドの8カ国(地域)が出場権を獲得した。 その後、6月13日発表の世界ランキングで各国上位4選手が資格を得た。日本代表は、米国を主戦場...
2016/04/09GDOEYE

革命児デシャンボーと球聖ジョーンズの共通点

今年で80回目を迎えたゴルフの祭典「マスターズ」だが、アマチュア選手が優勝したことは一度もない。2位に入ったことは3度あるが、直近は1961年(チャールズ.R.コー)と、55年も前のことだ。 2日目を終え、予選通過を果たしたアマチュア選手は2人。最上位となる8位タイにつけるのは“ゴルフの革命児”と目されるブライソン・デシャンボーだ。 昨年、「全米大学体育協会(NCAA)ゴルフ選手権」と「全米アマチュア選手権」を同年に制覇して、それまでジャック・ニクラス、タイガー・ウッズ、フィル・ミケルソン、ライアン・ムーアだけが成し遂げていた偉業リストに加わった。 3Iからウェッジまで、すべて37.5インチと...