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“非情の宣告”から復帰 天沼の苦難

天沼知恵子が突然の腰痛に襲われた悲劇は、昨年7月の「日医工女子オープン」プレー中に起こった。診断結果は「第5腰椎分離すべり症」。約1カ月後の8月5日に手術を受けたが、担当医師からはゴルフ界への復帰は難しいという非情の宣告を受けていたという。

およそ5時間に亘る大手術は無事に成功。しかし、「(手術を)選択したときは、もうゴルフをしようと思わなかった」と、天沼の心の傷まで癒やすに至らなかった。その壁を乗り越え、復帰への意欲を湧かせたのは、同様の症状により手術を受けた、同じ境遇に身を置く周囲の患者たちだった。

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その中にはゴルフ好きの人も多く、医師からは天沼と同じ“宣告”を受けた人ばかり。「私が復活して、こういう手術をしてもゴルフができるんだ、と思える人がいれば意味があるのかな」。ゴルフを諦めた人々の心に、希望の灯をともしたい。その想いを支えに、それからは苦しいリハビリを懸命にこなした。「普通は1日1回だけど、私は午前と午後の2回。誰よりもリハビリをした」。

そのかいもあって、腰の状態は時とともに着実に回復。腰の痛みが公傷と認められた天沼は、『トーナメント特別保障制度』※の適用により、ちょうど1年後の「スタンレーレディス」でツアー復帰を果たした。そして復帰から4試合目の今週、「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」初日に、首位に1打差に迫る3アンダー4位タイの好発進。「正直、今ゴルフをしていることが不思議。ゴルフに戻れたという幸せがあるし、手術をして良かったと思います」。

一時は諦めかけたプロゴルフの世界。久々に味わう首位争いの緊張感と充実感に、身も心も浸っていた。自分のため、そして同じ症状によりゴルフを諦めた人たちのため。自ら課した使命を背に、天沼は戦い続ける。(長野県軽井沢町/塚田達也)

※天沼の場合、2011年「スタンレーレディス」(第28週)から翌年同一の開催週までに復帰した場合に限り、欠場時に有していたシード権を保有することが保障される。その期間内に欠場していた試合(日本女子オープン、ミズノクラシック、リコーカップは除く)と同数の試合を、復帰後に連続して出場できる。現状、天沼の今季可能な試合数は「スタンレーレディス」から「大王製紙エリエールレディス」までの計15試合。

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塚田達也(つかだたつや) プロフィール

1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。

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